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愛してるの言葉なんて要らない ……要らなかった
しおりを挟む愛してるの言葉なんて要らない
いつかそんなことを話したよね
懐かしい
もうずっと前
いつだったかな
あの頃は
まだわたしたち
隣り合って笑っていて
だからこそ
言えたんだよね
あからさまな言葉なんて
必要ないって
わたしたちはずっと
繋がっているからって
平然と
それが当たり前みたいに
そうやって
言い合って
じゃれあって
笑ったり怒ったり
好き放題できていたの
すべては
わたしたちの絆ゆえ
信頼しあっていたから
それ以上なんて
必要ないと
強く思えていたし
笑って
言えたのよきっと
愛してるの言葉なんて要らない
……要らなかった
けれども
いつだったか
あなたの裏切りを知って
我が心は砕け
信じてきたものすべてが
幻であったかのように
なってしまった
変わってしまった
塗り替えられてしまった
――その果てに待っていた 婚約破棄
わたしたちはもう終わって
わたしたちはもう壊れて
きっともう二度と元には戻れない
愛してるの言葉なんて要らない
そう言えた頃は幸せの中にいたわ
愛してるの言葉なんて要らない
……要らなかった
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