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後編
しおりを挟む「貴女、とても美しいね」
「あ、いえ、そんな。ウェッヂ様ったら、もう」
「惚れてしまったよ」
「ええー? そんな、照れますよ」
「いやいや照れる必要なんてない。悪いことをしているわけではないのだから。……でも意外だな、貴女ほどの女性でも照れたりするのだなと初めて知っ――」
刹那、ウェッヂのまとっていた衣服が完全に剥げる。
「きゃあああああああああああ!!」
ウェッヂに口説かれていた女性は高い悲鳴をあげた。
突如目の前に現れた全裸に心が耐えられなかったようだ。
「いや! いや! あっち行って! 無理無理無理無理……ぅ、キモ、気持ち悪すぎて……いやあああああ! あっち行って! お願い、離れてちょうだい!」
女性に悲鳴をあげられたうえ拒否されたウェッヂは絶望。その場から走り去った。そしてその駆けている勢いのままにバルコニーへと飛び出し、柵を乗り越え、宙へと身を投げた。
「え……ちょ、嘘、でしょ……」
そうしてウェッヂはこの世を去ったのだった。
◆
あれから五年。
私と妹は今も同じ屋根の下で幸せに暮らしている。
恋をしたことはある。
でも結婚までは考えてはいない。
だって私は妹だけを愛しているから。
結婚するとなれば恐らく妹とは一緒には住めない。どんな形で暮らすにせよ、妹とは恐らく離れることとなってしまう。妹も同居で、なんていうのは、さすがに結婚相手が許さないだろうし。
だから私は妹と二人でいる道を選んだのだ。
◆終わり◆
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