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前編
しおりを挟む領地持ちの家ではあるもののあまり裕福でもない家に長女として生まれた私は、気が弱かったこともあって、幼い頃からよくいろんな人たちから虐められていた。
ただ、それでも一つずつ乗り越え、生きてきた。
嬉しいことばかりの人生ではなかった。
嫌なことだってそこそこあって。
辛い日々だって他人より長くあった方だと思っている。
また、男性との関係に関しても、上手くいかないことは多かった。
成人する前の年に親の紹介で知り合ったフルクという青年には「会話が面白くなくて萎える」と言われて拒否された。
そして、その後親と親の話し合いによって婚約したオヴェロスという男性にも、散々浮気されたうえ最終的には「邪魔者は消えろ」とか「お前みたいなやつと生きるわけないだろ」などと暴言に近いような言葉を吐かれて婚約破棄された。
パッとしない人生、でも受け入れる気でいた。そういうものなのだと理解して無理のない範囲で生きようとそう思っていた。
だが、私の人生は、ある日を境に一変する。
あれはオヴェロスに切り捨てられた日の数日後だった。
私は散歩中にたまたま一つの石を拾った。
とても美しい虹色の石。
日頃は物を拾って持って帰ったりしないのだけれど、なぜかその時は石に惚れ込んでしまって、それでこっそり持って帰ったのだ。
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