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後編
しおりを挟む「分かりました。では、一度三人で話し合いましょう」
「はぁ?」
「ノレニーヌさんと私たちと、三人で。これは私たち二人だけの話ではないですから」
「何言ってんのよ!?」
どうして浮気相手なのに婚約者の前に身を晒せるのだろう?
それもこんなに堂々と。
浮気自体、褒められたことではないというのに。
恥ずかしいとか、申し訳ないとか、そういった思いは微塵もないのだろうか。
「当然ではないですか。ノレニーヌさんの口から直接本心を聞きたいですし」
「ふ、ふん! 強がっちゃって! 余計に傷つくだけよ」
「だとしても、やはり、本人からの言葉で聞きたいのです。婚約破棄とは人生における大きなことですから」
その後、ノレニーヌと姉と金髪女の三人で話し合うこととなった。
――しかしノレニーヌは金髪女を選ばなかった。
「ばれたならもう諦めるよ。そして、謝る。ごめんなさい。でも! 僕は君だけを愛しているんだ! こんな金髪女はもうどうでもいいよ! だって、もともと、ただの遊び相手だし」
彼は姉を選ぶと言った。
けれど。
「そうですか。でも残念ですが、私はもう、ノレニーヌさんと一緒にやっていくつもりはありません。浮気をする人とは長く付き合っていけないと思うからです」
「そんな! 遊びなのに!? どうして!」
「どうしても何も、浮気は駄目なことですよね」
「ごめん! 謝るよ! でも、好きなのは君だけだよ。だからお願い! どうか許して!」
「いいえ、許しません」
姉の胸には静かな怒りが燃えていた。
「婚約は破棄です。さようなら、ノレニーヌさん」
こうして、姉とノレニーヌの婚約は破棄となった。
その数日後、ノレニーヌは逮捕された。
何でも、浮気をばらして婚約を台無しにした金髪女に怒るあまり彼女を刺し殺してしまったそうで。
それによって身柄を拘束されたようだ。
彼はもう、一般人ではない――そう、今の彼はある意味特別な存在、殺人犯だ。
その後姉はというと。
婚約破棄後しばらくは実家でゆっくり過ごしていたが、やがてとても温かく愛してくれる人に巡り会って、最終的にはその人と結婚した。
今はとても幸せみたいだ。
◆終わり◆
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クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
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