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後編
しおりを挟む「あ、貴女……その魔法、一体……」
「私はただの魔法使いです、特別な人間ではありません」
「嘘だ!」
「え」
「貴女は強い! 惚れました! どうか、妻となってください!」
「何ですか急に怖いですよ」
それが、王子ルルエルとの出会いだった。
彼が王子と知った時には驚いた。でもその時には既にアプローチが始まっていて。もはや逃げられない、というような状況だった。
――そして。
「貴方と共に歩もうと思います」
「ありがとう! 感謝します!」
やがて私たちは結ばれた。
彼のひたむきさに惹かれたからだ。
「これから、共に前を向いて生きていきましょう。ルルエルさん」
「は、はい! もちろんです!」
「それと、ルルエルさんにお伝えしたいことが」
「何ですか?」
「私を……選んでくださってありがとうございました」
そう言うと、彼は顔をりんごのようにしていた。
ちなみにレッフェートはというと、あの後魔物の群れに襲われ死亡したそうだ。
なんでも、死因は魔物の毒マノモモルフィンが体内に入ったことらしい。
その毒に犯された人間は三日三晩喘ぎ苦しんだ果てに亡くなると聞いたことがある――彼ももしかしたらそんな感じで死へと向かっていったのかもしれない。
◆終わり◆
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