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絶対に言わないの
しおりを挟む疲れたなぁって
泣きたいなぁって
どうしても思ってしまうわ
婚約破棄された日の夜
でもね?
わたし
これまで一度だってそんなことは口にせず
ここまで歩いてきたの
ここまで進んできたの
みな口を揃えて言うわ
幸せそうで羨ましいって
嫌なことなくていいねって
内心呆れているの
でも悪いことは絶対に口から出さないと決めているから
だから言えないし言わない
それは絶対的なルールなの
わたしがわたしである限り
たとえ世界が壊れた日でも
何も言わない
誰にも話さない
そうよ
そんなのみっともないわ
こんなこんなで困ったとか
こんなこんなで嫌な思いしてるとか
言えればいいわよね?
でもそれって美しくない……
だから何があっても言わないわ
事実は伝えるかもしれない
もし必要であれば
けれど心までは明かしはしない
だってそれは不要なのだもの
太陽のように
前向きに
振る舞い続けるの
たとえそれが絶望の中に在る時でも――
疲れたなぁって
泣きたいなぁって
どうしても思ってしまうわ
婚約破棄された日の夜
それでも
わたしは光に包まれた姿のままで
みなの前に立ち
みなと言葉交わす
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