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4話
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婚約破棄完了後、カイルには慰謝料の支払いが命ぜられた。
カイルの母親はこの支払いの件に激怒し、私の家へ殴り込んできた。が、たまたま父親がいる日だったので、父親に対応してもらった。カイルの母親はうちの家で暴れまわり物も壊したりしたので、治安維持組織に突き出した。彼女はそのまま拘束されることとなった。
治安維持組織が持つ小屋の一室からは、長い間、昼夜問わずに奇声が響いていたという。
カイルは稼ぎの多い父親の貯金を使って慰謝料を払った。それで良いのか、と思ってしまう部分はあったが、きちんと支払ってもらうことはできたのでそれ以上突っ込むことはしないでおいた。
こちらからすれば、きちんと払ってくれたらそれでいい。
たとえそれがどこから出てきたお金だとしても。
◆
十年後、私はカイルたちのその後を耳にした。
治安維持組織に拘束された母親は、小屋にいるままで子を産んだが、拘束されたショックで精神が壊れてしまったそうだ。結局そのまま正気を取り戻すことはなかったらしい。子を産んだ半年後に小屋の中で落命しているのが発見されたそうだ。
カイルはというと、あの後、子を宿した女友だちと結婚したそうだ。
それからは毎年のように子どもを設けているらしい。
ただ、子だくさんになるにつれ生活費が膨らみ、以前のようなそれなりに裕福な暮らしはできなくなってきているとか。現在は貧しい暮らしをしているそうだ。
多くの子どもに囲まれているから貧しくても幸せ、と受け取るのか否かは、私にはよく分からない。
また、意外と災難だったのは、次男だ。
カイルが理不尽な婚約破棄をしたという話が流出し、次男は、婚約直前だった女性に逃げられてしまったらしい。何でも、婚約直前だった女性の親が「弟がそれでは心配。娘を託すには問題がある」と考え、引き離したそうだ。
◆終わり◆
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