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前編
しおりを挟むそこそこ良い家に生まれた私は、成人年齢である十八歳になった日、親が決めた人と婚約することとなった。
「はぁ~? アンタが婚約者? あっりえねぇ」
「なんというか……すみません」
「ま、仕方ないからイイケドよ」
「あ……は、はい、ありがとうございます」
婚約者となったのはダルブヘインという金髪碧眼の青年だった。
噂によれば、スタイル抜群で女性人気も高いらしい。
残念ながら私は彼のことを何も知らなかったのだけれど。
しかし、ダルブヘインは、女性慣れしているからか私のことはあまり好きになれなかったようで。
「やっぱさ、アンタとは無理だわ」
ある日突然ダルブヘインは言う。
「婚約、破棄な」
それはあまりに突然のことで。
かなり驚いた。
いや、嫌われていることは知っていたのだ――嫌われているのに好かれていると勘違いするほど愚かな私ではない。
「婚約破棄……!?」
「ああ、そうだよ」
「それは……私のことが気に入らないから、ですか?」
「嫌いなんだよ」
「そうですよね……」
私だってダルブヘインのことは好きじゃない。
できるならもっと好きになれる人と結ばれたいのだ。
「分かりました、では、受け入れます」
だが、実家へ帰ると、両親から怒られてしまった。
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