婚約破棄された彼は壊れてゆく……。

四季

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前編

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「貴方ってさぁ、正直気持ち悪いのよね。親が決めた婚約だからこれまで我慢してきたけれど、私、もう耐えられない。だから……貴方との婚約は破棄するわ」

 婚約者の彼女エリーナからそう言われてしまい、僕の夢のような日々は儚く溶け消え去ってしまった。

 過去、エリーナに惚れた僕は、親に頼んで彼女との婚約を手に入れた。
 直接喋ったことはなかった。
 でもそれも良かったから、家の力を利用して彼女と結ばれる道を歩んだのだ。

 だが、無理に築いた関係は、長くはもたなかった。

 終わってしまった。
 僕の夢のような日々。

 エリーナと結婚して子どもも生まれて……そんな未来を思い描いていたのだけれど、それは所詮勝手な妄想でしかなかったみたいだ。

 でも、彼女がそれを望むのならば、僕はそれでも構わない。

 僕は彼女と共に生きてゆく。
 僕の心の中でだけは、僕たちはずっと一緒なんだ。


 ◆


 それからというもの、僕は毎日のように彼女の家へ行き、自室で過ごす彼女をこっそり覗き見。それだけでも心は満たされた。彼女の何気ない姿を見られるだけで、僕の心には幸福感が満ちる。

「エリーナ、ずっと一緒だよ。ずっと夫婦だよ。ずっと一緒に生きて、死ぬまで共にあろうね。いつまでもエリーナだけが好きだよ」

 僕は一人呟く。

 僕の中では彼女はいつも傍にいた。
 彼女の一番は僕なんだ。

 毎日一日中彼女を見ているから、そう思えていたのだけれど……。
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