不治の病を癒すが少々くせのある体臭を生まれ持った私、幸せになる道はあるのでしょうか……?

四季

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3話

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 首を傾げるルラーに能力のことを明かした。

 すると彼は目を輝かせる。

「お願いがあります!」
「え」
「母の病を治してはいただけないでしょうか!?」
「え、ちょ、何ですかそれ!? どういう話です!? 急過ぎやしませんか」
「実は我が母は不治の病でして……いずれは死んでしまうと医師から言われているのです」

 そうして私はルラーの母親の病を治すことになった。

 ――結論から言おう、すぐに治った。

 私は大変感謝され多くのお礼の品を貰った。

 後に知ったのだが、ルラーは権力者の息子だったようだ。


 ◆


 あれから数年、私は今、ルラーと夫婦になっている。

 彼の両親と四人で一つの屋根の下で暮らしているのだが、毎日とても楽しい。

 普通男性側の両親と一緒に暮らすというのはストレスになりそうなものだ。しかしうちに関してはそういったことは一切ない。というのも、義父母がとても良い人なのだ。いつも優しくしてくれ見守ってくれる心の広い人たちである。

 だから私は今とても幸せに生きられている。

 ちなみにアドフストリはというと、あの後女遊びにはまってしまい結婚はできなかったようだ。
 また、女と深い交友関係を築いていく仲で病を貰ってしまい、それによって社会的な評判を下げると共に女遊びすらも十分にはできない身体となってしまったのだとか。

 ま、べつにもう彼のことなどどうでもいい。

 彼との縁はあそこまでだった。
 それが定めだったのだ。

 ――今はそう思える。

 私は私の道を。
 彼は彼の道を。

 それでいいのだ、人生なんて。


◆終わり◆
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