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しおりを挟む「悪がね、君とはこれ以上はやっていけないよ。よって、婚約は破棄とする! ……いいね?」
その日、婚約者ガルマンデータルから宣言されてしまった。
彼はどこまでも冷ややかな目つきで。
まるで私をごみか何かと思っているかのようであった。
これでももうすぐ結婚する相手。それをなぜそんな目で見るの? なぜそんな、ごみくずでも見るかのような目で。心ない、悪魔か鬼かみたいな、そんな視線を注いでくるの?
言いたいことは色々あって、でも、そのほぼすべては実際に発することはできないもので。
「ではこれにて、さようなら」
何も言えずにいるうちに――ガルマンデータルとの関係は終わってしまった。
その日の帰り道、ガルマンデータルの家から私が住んでいる実家へと帰っている途中で、一匹の弱っているコバルトブルーの小鳥を見つける。
私はそれを保護した。
幸い鳥を飼っているから世話は多少できる。
だから困っているその子を助けてみることにしたのだ。
それに――弱っているその子はまるで私みたいで。
一人ぼっち。
傷ついていても誰にも助けてもらえない。
――そんな風に、今の自分をその鳥に少し重ねて見ていたのかもしれない。
「あんた婚約破棄されたんですって? まったくもう! 困るわ! 親のあたしたちまで恥をかくじゃない」
「婚約破棄されるなんて、一族の恥よな。今後はこんなことにならないよう気をつけてくれよ、本当に……はぁ……」
両親は私が婚約破棄されたことを知ると心ない言葉を投げつけた。
実の親なのに、護っても救ってもくれなかった。それどころかより傷つけるようなことばかり言って。私の心のことなんて少しも考えてくれなかった。
――だが、その日の晩、奇跡が起きた。
『傷ついた小鳥を助けてくださったのは貴女ですね』
女神と名乗る女性が私の自室内へ出現。
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