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しおりを挟む「お前とはもうやっていけん。婚約は破棄だ」
ある日の夕暮れ時、姉妹で参加していたパーティーにて、妹フレアはそんなことを告げられた――婚約者である青年パルプから。
「ちょっと! パルプさん! なんてことを言うの!?」
私は思わず口を挟んでしまい。
「何だお前、フレアの姉か。お前は関係ない、出てくるな。鬱陶しいだけだ」
そんなことを冷ややかに言い放たれてしまう。
「姉として見逃すことはできないわ! 泣き出しそうなフレアを守るのは姉としての役目よ」
「うるさい女だ」
「ええ、うるさくだってなってやるわよ。当たり前じゃない。可愛い妹のためだもの、悪役くらい担うわ!」
「いいから姉はすっこんでろ」
フレアは今にも泣き出しそうな顔で私とパルプを交互に見ている。
「姉さん……もう、いいの……」
「そうなの? フレア」
「わたしが駄目な人間だったから……こんなことになってしまったんだわ、だから……もういいの……」
「本気で言ってる?」
小さく弱々しく一度だけ頷くフレア。
「そう……分かったわ」
彼女にそう言われてしまってはどうしようもない。
「じゃあ帰りましょうか、フレア」
「……うん」
その日私たちは早めに帰宅することにした。
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