あるパーティーにて、妹が婚約破棄されました。~私は貴女の幸せを願っています~

四季

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「フレアちゃん可哀想にねぇ、あんなに可愛らしい女性なのに」
「人目のあるところで恥をかかせるようなことを言うなんてサイテーね」
「あまりにも酷いわ……」
「泣くのも仕方ないわよね、あんな告げられ方したら……」

 帰りしな、フレアの味方をするような会話をしてくれている人たちがいて。

「可哀想っすよね」
「けど、まぁ、いいんじゃない? あんなことを平然とできるような人、一緒にいない方が良いわよ」
「そうそう! そうよね!」
「間違いないですなぁ。あのような可愛らしい女性、だからこそ、もっと素晴らしい相手を見つけるべきですぞぉ」

 それは少し嬉しかった。

 涙をこぼすフレアを支えながら家までの道を歩いた。


 ◆


 パルプに婚約破棄されたフレアはそれからしばらく体調を崩していた。

 寝ていることが精一杯、そんな毎日で。

 食事すらまともには取れないような状態であった――のだが、それでも、彼女は彼女なりに明るく振る舞おうとはしているようで。

「どんな感じ? 体調」
「姉さん……大丈夫、平気なの、たいしたことないわ」

 何か問えば、いつだって笑顔で返してくれる。

 それがまた切なさを掻き立てる。

 パルプは知らない。フレアが今こんな目に遭っていることを。彼のせいだというのに、彼は平然と生きているのだ。身勝手に婚約破棄して傷つけておきながらも、彼はフレアの苦しみに目を向けることなんて一切していないだろう。

「これ、おかゆ。持ってきたから。ね? ちょっとだけでも食べてみて? ……美味しいかは分からないけれど」
「ありがとう姉さん」
「あ、器ちょっと熱いかも」
「……うん、気をつける。でも……良い匂い、美味しそうね」

 それからしばらくフレアは療養していたのだが――その途中、パルプが亡くなったことを知った。
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