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「ルシエラ王女! 君に話がある!」
ある日の晩餐会、婚約者であるオリバー王子から突然声をかけられた。
婚約者同士なのだからこうして話すのは何らおかしな話ではない——そう思われるかもしれない。いや、普通であればそうなのだろう。そう思う人も間違ってはいないのだ。だが、私たちに限っては、例外である。
だって、私たちの関係は、既に冷えきっているのだから。
今だって彼の隣にいるのは私ではない。
本来婚約者がいるべきその場所にいるのは、栗色の髪の少女だ。
「何でしょうか」
「ルシエラ王女、君は、ネネを虐めているそうだな」
「……意味が分かりませんが」
ちなみに、ネネというのが栗色の髪の少女のことである。
私は王女、彼は王子、けれどもネネは王族ではない。が、彼女はオリバーに誰より気に入られている。彼女はいつもオリバーの後ろに隠れていて、一見慎ましいようにも見えるのだが、身分が異なるオリバーに取り入ることができるあたり慎ましくはないのだろう。
「ネネから聞いたぞ。飲み物に雑巾の汁を入れたり、ドレスを破いたり、嫌がらせばかりしているそうだな。君にはがっかりだ」
なぜ勝手に話を進める?
私はまだ認めていないというのに。
「あ、あの、オリバー様……」
「大丈夫だネネ! 心配するな! もう嫌がらせはさせない」
「わたしが……悪いんです。その、身分が下なのに……こんな……」
「身分なんて関係ない! 本当に大切なのは心の美しさだ。君は何も悪くない」
見せつけているのか? 二人していちゃついて。人がいるところで必要以上に仲良くして恥ずかしくないのか?
ある日の晩餐会、婚約者であるオリバー王子から突然声をかけられた。
婚約者同士なのだからこうして話すのは何らおかしな話ではない——そう思われるかもしれない。いや、普通であればそうなのだろう。そう思う人も間違ってはいないのだ。だが、私たちに限っては、例外である。
だって、私たちの関係は、既に冷えきっているのだから。
今だって彼の隣にいるのは私ではない。
本来婚約者がいるべきその場所にいるのは、栗色の髪の少女だ。
「何でしょうか」
「ルシエラ王女、君は、ネネを虐めているそうだな」
「……意味が分かりませんが」
ちなみに、ネネというのが栗色の髪の少女のことである。
私は王女、彼は王子、けれどもネネは王族ではない。が、彼女はオリバーに誰より気に入られている。彼女はいつもオリバーの後ろに隠れていて、一見慎ましいようにも見えるのだが、身分が異なるオリバーに取り入ることができるあたり慎ましくはないのだろう。
「ネネから聞いたぞ。飲み物に雑巾の汁を入れたり、ドレスを破いたり、嫌がらせばかりしているそうだな。君にはがっかりだ」
なぜ勝手に話を進める?
私はまだ認めていないというのに。
「あ、あの、オリバー様……」
「大丈夫だネネ! 心配するな! もう嫌がらせはさせない」
「わたしが……悪いんです。その、身分が下なのに……こんな……」
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