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後編
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あの後私は調査を開始、ルッルが運命の女性だと話している女性を特定した。
そして私は彼女に近づく。
しかし復讐とか痛めつけるためとかそういう目的ではない。
目的は別にあるのだ。
その女性にあの時の手紙を見せた。
私はルッルの元婚約者であり彼に婚約破棄された人間である――そのことは隠さず、すべてを明かした。
すると女性は「そんなことになっていたなんて」と悲しみ「婚約者のことは知らなかった、でも、申し訳ないことをしてしまった」と謝罪してくれた。
いや、べつにいいのだ。
彼女に非はない。
何も彼女が無理矢理奪い取ったわけではないから。
「私はただ、彼の本性を伝えたかっただけです」
「けれど……」
「良いのです、私は貴女に真実を伝えられればそれで。ではこれで、さようなら。貴女に対して慰謝料請求などはしませんからその点に関してはどうか安心なさってください」
「ごめんなさい、本当に、申し訳なくて……」
「ここからは貴女が決めることです、私にあれこれ言う権利はありません。ではこれで、失礼しますね」
「あ、あの! 私、ルッルさんとは縁を切ります! こんな酷い礼儀のなっていない人だなんて思っていなくて……ありがとうございました、教えてくださって」
その後、ルッルは女性から別れを告げられたようだった。
彼は絶望して食べ物を口にすることすらままならなくなり――両親の看護も虚しく、弱った体で病にかかってやがて亡くなったみたいだ。
で、私はというと、今はあの女性と仲良くやっている。
「貴女のおかげであんな変な人に引っかからずに済みました、感謝しています」
「いえいえ、真実を伝えただけですから」
「でも! 本当に助かったのです! ありがとうございました」
意外な形で始まった関係。
でも大切な縁だ。
だからこそ、これからもずっと、彼女との縁を大事にしてゆけたらと思う。
◆終わり◆
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