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チェイサー
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「帰ってきた!」
サーシャ様の声で、僕は夢の中から現実世界へと戻ってきました。
ちょっとだけ、頭の中が霞んでいましたが、すぐに霧は晴れました。
僕たちは、マリーナに程近い木陰で小休止をしています。
フォックスとジャクリンさんがマリーナまで様子を探りに出掛けていて、ちょうど帰ってきたところでした。
「どうだったマリーナは?」
「あの盗賊たちが言っていた通り、キリエス兵でごった返しておりましたわ。」
「やっぱり、どうしようかしら。」
すると、フォックスがこんな事を言い出しました。
「私が見た限りでは、兵たちに緊張感はあまり感じませんでした。まるで休暇を過ごしているような雰囲気さえ感じました。」
確かに、マリーナだと戦闘になることは考えにくいです。
もしかしたら、マリーナへの配置は兵たちにとって、とてもラッキーなのかもしれませんね。
「おそらく、あの人数ですと街の宿舎では納まりきれません。キリエス兵の大半は船にて寝泊まりすると思われます。そして、その船には大量の酒樽が運び込まれていました。兵は多いですが、つけ入る隙はあるのでは、ないでしょうか。」
「フォックス様、凄い。そんなところまで観察していらっしゃたのですね。私はまだまだですね。」
フォックスが以前言っていた、人間観察というのはあながち本当なのかもしれません。
まあ、チャンスがあるのならば、乗るしかありませんね。
僕たちは薄暗くなるのを待って、マリーナへと入りました。
所々、キリエス兵がいましたが、やはり緩いです。
これは、あっさりとキリエスを抜けれるかもしれない。
ただ船を手に入れる目処は、未だにたっていませんがね。
「あれは……。」
サーシャ様が何かを発見したように、暗がりを歩く人を凝視していました。
まるで獲物を狙う野生の動物みたいで、ちょっと怖いです。
「サーシャ様?」
「見つけた!ちょと待ってて。」
サーシャ様は、僕たちを残して走って行ってしまいました。
それからすぐに戻ってきたサーシャ様の傍らには、何やら男の姿がありました。
その男に見覚えがあります。
――テトラさんだ!
彼は以前にお世話になった、フェイトフル・リアルムの船長さんです。
僕らをこのマリーナまで運んでくれたのも、テトラさんでした。
しかし、何故こんな時にマリーナにいるのでしょうか?
「おお、これは皆さん。セーフティでなによりです。」
「テトラさん、こんな所でなにを?」
「私は国王様の命にて、このマリーナへフェイトフル・リアルムの民を移動させていたのですよ。」
戦禍に巻き込まれる恐れがありますからね、避難させていたということでしょう。
「ですが、少々デンジャラスな状態でして。というのも、この街を治めていた町長様が先刻お亡くなりになりましてね。その方はここがキリエス領にも関わらず、我がフェイトフル・リアルムと親しくしてくださっていたので、我々も色々とやり易かったのですが、状況はがらりと変わってしまいました。」
そういえば、前にパークさんからそんな話を聞きましたね。
「ここに避難させても、キリエス側から厳しい取調べを受けているという情報が入ったもので、今度はまた避難民をフェイトフル・リアルムへと戻している最中なのです。そして、今宵が最後の航行になるでしょう。キリエスの取り締まりが、強化されてきているのです。」
テトラさんも大変ですね。
しかし、これは大チャンスです。
「ねえキャプテン。私たちも乗せてくれない?」
「それはもちろん結構ですが、出港は今すぐですよ。」
「全然問題なし。さあ、行きましょう。」
こうして僕たちは幸運に恵まれて、テトラさんの船に乗船することになりました。
「船は少し離れた沖合いに停泊させてあります。」
まあ、堂々とマリーナの港には停めれませんよね。
船までは小舟で渡り、乗船します。
船には僕らの他に多くの人々が息を潜めるようにして、乗り合わせていました。
「それでは――。」
テトラさんが出港の合図を出そうとした、その時でした。
突然、空に激しい火花が打ち上がりました。
花火でしょうか?
しかし出港とはいえ、こんな派手な演出はいらないのでは?
目立ってしまってはキリエス兵に発見されてしまいますよ。
「こ、これはいったい?」
どうやらテトラさんの演出ではないようですね。
「あれは魔法による信号ね。どうやら、スパイが紛れこんでいるようね。」
シエルさんの説明で僕たちは危険に晒されているということが判明しました。
ザブン!
すると、誰かが船から海へ飛び込みました。
あれが、おそらくはスパイでしょう。
仕事を終え、引き揚げていくようです。
ということは、あの信号弾はキリエス兵に届いたとみて間違いなさそうです。
「と、とりあえず出港だクルー達よ!」
テトラさんの合図で船はすぐに動き出しました。
それから僅か数十分ほど経った頃でした。
突然、船の船員の一人が声を上げました。
「船長!追手が来てます!」
テトラさんは直ぐに望遠鏡で確認します。
「オーマイガッ!何て事だ、これはまずい。全速力で飛ばすのだ!」
僕らの船を追ってきた、キリエスの船はおよそ十隻でした。
まさか、こんなにも早く、そしてあんなにも多く船を出して来るとは驚きです。
「私の予測が甘かったのかもしれません。」
フォックスは少し悔しさを滲ませなが言いました。
それは仕方のないことです。
僕が見たキリエス兵たちにも緊張感なんてありませんでした。
まるでバカンスにでも来ている様な雰囲気さえ漂わせていましたからね。
「あれは、ドルフィンタイプ。これでは我々の船に、すぐに追いつかれてしまう。」
どうやらキリエスの軍艦は小型で脚が速いタイプのようです。
テトラさんの見立て通り、一時間もするとキリエスの軍艦がすぐ近くまでに迫ってきました。
そして、近づくやいなや大砲を、ぶっ放してきたではありませんか。
「サーシャ様、あの砲弾を撃ち落として下さい。」
「いやいや、無理よ。ピートこそ、あれを真っ二つに斬ってよ。」
「いやぁ、あの数はさすがに無理ですよ、ハハハ。」
能天気な僕たちを押し退けてジャクリンさんが魔法の障壁を作り攻撃を防いでくれました。
しかし、攻撃の手は緩まることをしりません。
砲弾の雨霰が、容赦なく船に襲いかかってきます。
「これは、さすがに防ぎきれません。」
「私にお任せ。ウインド・エントラスト!」
シエルさんは風の魔法を使って砲弾の軌道を船から逸らしました。
ここで僕には、ある閃きが生まれていました。
「シエルさん。その風の魔法を、この船の帆にぶつけて下さい。」
シエルさんは、すぐに察した様子で魔法を使いました。
すると、僕たちの船は加速を強め、キリエスの軍艦との距離がどんどん遠くなりました。
「いけいけ!」
シエルさんも、ノリノリで魔力を高めていきます。
「す、すごいスピードだ。しかし、マストが大丈夫かな、大丈夫かな。」
テトラさんは、頻りにマストの心配をしていましたが、シエルさんはお構い無しで魔法を放ち続けました。
「あ、あのシエルさん。もう、キリエスの船は見えなくなったし、そろそろ大丈夫なのでは。」
「キャハハ!楽しいね、いけいけ!」
シエルさんは聞く耳を持っていないようです。
エルフの、その立派なとんがり耳は飾りですか、と言ってやりたいです。
ミシミシ――バキッ!
それは、お察しの通り、船のマストが見事に折れた音です。
その後、船の修理やらなんやらで随分と時間を食ってしまう羽目になり、さすがにシエルさんも少しは反省していたようでした。
まあ、何はともあれ、僕らは無事にフェイトフル・リアルムへと戻ったのでありました。
サーシャ様の声で、僕は夢の中から現実世界へと戻ってきました。
ちょっとだけ、頭の中が霞んでいましたが、すぐに霧は晴れました。
僕たちは、マリーナに程近い木陰で小休止をしています。
フォックスとジャクリンさんがマリーナまで様子を探りに出掛けていて、ちょうど帰ってきたところでした。
「どうだったマリーナは?」
「あの盗賊たちが言っていた通り、キリエス兵でごった返しておりましたわ。」
「やっぱり、どうしようかしら。」
すると、フォックスがこんな事を言い出しました。
「私が見た限りでは、兵たちに緊張感はあまり感じませんでした。まるで休暇を過ごしているような雰囲気さえ感じました。」
確かに、マリーナだと戦闘になることは考えにくいです。
もしかしたら、マリーナへの配置は兵たちにとって、とてもラッキーなのかもしれませんね。
「おそらく、あの人数ですと街の宿舎では納まりきれません。キリエス兵の大半は船にて寝泊まりすると思われます。そして、その船には大量の酒樽が運び込まれていました。兵は多いですが、つけ入る隙はあるのでは、ないでしょうか。」
「フォックス様、凄い。そんなところまで観察していらっしゃたのですね。私はまだまだですね。」
フォックスが以前言っていた、人間観察というのはあながち本当なのかもしれません。
まあ、チャンスがあるのならば、乗るしかありませんね。
僕たちは薄暗くなるのを待って、マリーナへと入りました。
所々、キリエス兵がいましたが、やはり緩いです。
これは、あっさりとキリエスを抜けれるかもしれない。
ただ船を手に入れる目処は、未だにたっていませんがね。
「あれは……。」
サーシャ様が何かを発見したように、暗がりを歩く人を凝視していました。
まるで獲物を狙う野生の動物みたいで、ちょっと怖いです。
「サーシャ様?」
「見つけた!ちょと待ってて。」
サーシャ様は、僕たちを残して走って行ってしまいました。
それからすぐに戻ってきたサーシャ様の傍らには、何やら男の姿がありました。
その男に見覚えがあります。
――テトラさんだ!
彼は以前にお世話になった、フェイトフル・リアルムの船長さんです。
僕らをこのマリーナまで運んでくれたのも、テトラさんでした。
しかし、何故こんな時にマリーナにいるのでしょうか?
「おお、これは皆さん。セーフティでなによりです。」
「テトラさん、こんな所でなにを?」
「私は国王様の命にて、このマリーナへフェイトフル・リアルムの民を移動させていたのですよ。」
戦禍に巻き込まれる恐れがありますからね、避難させていたということでしょう。
「ですが、少々デンジャラスな状態でして。というのも、この街を治めていた町長様が先刻お亡くなりになりましてね。その方はここがキリエス領にも関わらず、我がフェイトフル・リアルムと親しくしてくださっていたので、我々も色々とやり易かったのですが、状況はがらりと変わってしまいました。」
そういえば、前にパークさんからそんな話を聞きましたね。
「ここに避難させても、キリエス側から厳しい取調べを受けているという情報が入ったもので、今度はまた避難民をフェイトフル・リアルムへと戻している最中なのです。そして、今宵が最後の航行になるでしょう。キリエスの取り締まりが、強化されてきているのです。」
テトラさんも大変ですね。
しかし、これは大チャンスです。
「ねえキャプテン。私たちも乗せてくれない?」
「それはもちろん結構ですが、出港は今すぐですよ。」
「全然問題なし。さあ、行きましょう。」
こうして僕たちは幸運に恵まれて、テトラさんの船に乗船することになりました。
「船は少し離れた沖合いに停泊させてあります。」
まあ、堂々とマリーナの港には停めれませんよね。
船までは小舟で渡り、乗船します。
船には僕らの他に多くの人々が息を潜めるようにして、乗り合わせていました。
「それでは――。」
テトラさんが出港の合図を出そうとした、その時でした。
突然、空に激しい火花が打ち上がりました。
花火でしょうか?
しかし出港とはいえ、こんな派手な演出はいらないのでは?
目立ってしまってはキリエス兵に発見されてしまいますよ。
「こ、これはいったい?」
どうやらテトラさんの演出ではないようですね。
「あれは魔法による信号ね。どうやら、スパイが紛れこんでいるようね。」
シエルさんの説明で僕たちは危険に晒されているということが判明しました。
ザブン!
すると、誰かが船から海へ飛び込みました。
あれが、おそらくはスパイでしょう。
仕事を終え、引き揚げていくようです。
ということは、あの信号弾はキリエス兵に届いたとみて間違いなさそうです。
「と、とりあえず出港だクルー達よ!」
テトラさんの合図で船はすぐに動き出しました。
それから僅か数十分ほど経った頃でした。
突然、船の船員の一人が声を上げました。
「船長!追手が来てます!」
テトラさんは直ぐに望遠鏡で確認します。
「オーマイガッ!何て事だ、これはまずい。全速力で飛ばすのだ!」
僕らの船を追ってきた、キリエスの船はおよそ十隻でした。
まさか、こんなにも早く、そしてあんなにも多く船を出して来るとは驚きです。
「私の予測が甘かったのかもしれません。」
フォックスは少し悔しさを滲ませなが言いました。
それは仕方のないことです。
僕が見たキリエス兵たちにも緊張感なんてありませんでした。
まるでバカンスにでも来ている様な雰囲気さえ漂わせていましたからね。
「あれは、ドルフィンタイプ。これでは我々の船に、すぐに追いつかれてしまう。」
どうやらキリエスの軍艦は小型で脚が速いタイプのようです。
テトラさんの見立て通り、一時間もするとキリエスの軍艦がすぐ近くまでに迫ってきました。
そして、近づくやいなや大砲を、ぶっ放してきたではありませんか。
「サーシャ様、あの砲弾を撃ち落として下さい。」
「いやいや、無理よ。ピートこそ、あれを真っ二つに斬ってよ。」
「いやぁ、あの数はさすがに無理ですよ、ハハハ。」
能天気な僕たちを押し退けてジャクリンさんが魔法の障壁を作り攻撃を防いでくれました。
しかし、攻撃の手は緩まることをしりません。
砲弾の雨霰が、容赦なく船に襲いかかってきます。
「これは、さすがに防ぎきれません。」
「私にお任せ。ウインド・エントラスト!」
シエルさんは風の魔法を使って砲弾の軌道を船から逸らしました。
ここで僕には、ある閃きが生まれていました。
「シエルさん。その風の魔法を、この船の帆にぶつけて下さい。」
シエルさんは、すぐに察した様子で魔法を使いました。
すると、僕たちの船は加速を強め、キリエスの軍艦との距離がどんどん遠くなりました。
「いけいけ!」
シエルさんも、ノリノリで魔力を高めていきます。
「す、すごいスピードだ。しかし、マストが大丈夫かな、大丈夫かな。」
テトラさんは、頻りにマストの心配をしていましたが、シエルさんはお構い無しで魔法を放ち続けました。
「あ、あのシエルさん。もう、キリエスの船は見えなくなったし、そろそろ大丈夫なのでは。」
「キャハハ!楽しいね、いけいけ!」
シエルさんは聞く耳を持っていないようです。
エルフの、その立派なとんがり耳は飾りですか、と言ってやりたいです。
ミシミシ――バキッ!
それは、お察しの通り、船のマストが見事に折れた音です。
その後、船の修理やらなんやらで随分と時間を食ってしまう羽目になり、さすがにシエルさんも少しは反省していたようでした。
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