MELODIST!!

すなねこ

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#020 Sonatine Ⅲ

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ウィーン・40歳男性「驚いたね。彼が息子を連れて戻ってきたんだ。結婚しているなんて知らなかったし、正直言うとできるとも思ってなかった。ほら、彼って何て言うか独特だろ?はっきり言うよ。頭がおかしいから」


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 ウィーンはかつてのハプスブルク帝国の首都であった名残りから音楽の都と呼ばれていた。その歴史的重要性や国民感情に配慮して、オーストリアでは音楽家を排除するような政策を行わなかった。
 そして、ハンネス機関開発の最重要人物であるウィリアム・ハンネスの生まれ故郷であることから音発電による電力供給が整備されている。
 そのため、原子力発電所が現役で動いているスロベニア同様に電気の使用を制限する必要が無く、二国間では鉄道による人や物の流通が盛んに行われていた。
 スロベニアのリュブリャナからウィーンまでは高速鉄道で5時間程度。長い船旅の後の長距離移動で疲れ切ってしまった京哉を背負って、託斗は約1ヶ月ぶりのウィーンの地に降り立った。
 マイドリング駅のロータリーには楽団ギルドが手配した車が迎えに来ており、運転席から降りた男が手を振っていた。
「おかえり、タクト。皆心配してたんだよ」
ドミニク・グラフは楽団ギルドに勤める一般人で、事務仕事から運転手まで熟す頼れる男として親しまれていた。託斗とも仲の良い彼を迎えに寄越したのは、逃亡を防止する意味もあるのだろう。
「この子が君の息子か…お疲れの様子だね」
「僕も疲れた。悪いけど車内では寝させてもらうから」
大きな欠伸をしながら後部座席に京哉を寝かせた託斗は、助手席に乗り込んで早々に目を閉じた。


 夕暮れ時、混み合う大通りを進んでいると、ドミニクは後方からの視線に気が付く。目を覚ました京哉がじっと彼の方を見ていた。目があったのに黙っているのも不自然だと思い、ドミニクはドイツ語で話しかけてみた。
「やあ、お目覚めかい。もう少しでつくからね」
すると、コクリと頷いた京哉は窓の外を眺め始めた。
「驚いたな。ドイツ語わかるんだね」
「……お母さんが教えてくれた。あんまり難しいのはわかんない」
シエナは京哉に日常会話レベルのドイツ語を教えていた。意思疎通が出来るとなると、ドミニクは嬉しくなって途端に話しかけたくなってしまった。
「オーストリアは良い街だよ。君もきっと気に入るさ。そうだな、シェーンブルン動物園に行ったらパンダが…「変な事教えなくて良いから」
寝ていた筈の託斗に遮られてしまい、ドミニクは残念そうに眉を下げた。
「そういえば、どこに住まわせる気だい?君は楽団ギルドの社屋から出られないだろ?」
ドミニクが話題を変えて託斗に問う。また欠伸をしながら窓の外の景色に目をやった託斗は、暫く考えた後に名案を思いついたようだ。すぐ目の前の歩道を歩いていた少年を指差して彼の前に止まるようドミニクに指示する。そして、窓を開けた託斗は大声で彼を呼んだ。
「おーい!麗慈!ちょうど良かったー!乗りなって」
笑顔で手招きをしたのは、オーストリアに亡命していたあの時の少年…若乃宮麗慈だった。


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 あからさまに嫌そうな表情で車に近付いてきた麗慈は、託斗に促されて後部座席のドアを開けると京哉の隣に座った。
 再び進み始めた車内で、託斗がニヤニヤとルームミラー越しに麗慈を見ながら話し掛ける。
「学校どうだった?超ムズ?」
「…当たり前だろ。毎日頭パンクしそうだわ」
疲れた表情で背もたれに寄りかかると、ばつの悪そうな表情で託斗に聞き返した。
「……誰、コイツ?」
自分の事を言われていると気が付いた京哉は左目をバチバチと瞬いた。
「右神京哉、僕の息子」
「え!?アンタ、結婚とかできたんだ…」
あえてドイツ語で返した麗慈の反応に、ドミニクが思わず笑い出した。気に食わないと不機嫌に唇を尖らす託斗に、麗慈が追撃する。
「息子の前でガキみたいな態度取んなよ。教育に悪ぃだろ?」
「なんか麗慈、師匠に似てきたァ?毎日ビデオ通話で演奏見てもらってんだろ?」
師匠と言われた途端、麗慈は顔色が悪くなった。

 楽団ギルド社屋に到着すると、ドミニクが京哉が座っている側のドアを開けてニコリと笑った。
「ここ…どこ?」
「お父さんがお仕事してる会社だよ。さ、降りて降りて」
初めてウィーンの地に降り立った京哉は、日本とはまるで違う街並みを見回してポカンと口を開けていた。託斗に手を引かれて扉を潜ると、高い天井のエントランスに並ぶロジャーとミーアが彼らを待ち受けていた。
「無事帰ってきてくれて安心したよ。ようこそ、楽団ギルドへ…キョウヤ君」
ロジャーがにこやかに話し掛けると、京哉は託斗の背後に隠れてしまった。
「早速で悪いが…」
京哉を一瞥しながらそう切り出したのはミーアだった。彼女の言わんとする事はわかっている。
「この子は麗慈に預けようと思う。楽団ギルドの敷地内に居る訳だし、構わないだろ?」
託斗はロジャーの方を見やった。京哉を完全に彼に預けてしまうのは危険だと判断していたからだ。旋律師メロディストとして育て上げる為にどんな教育をし出すかわからない。
「……そうか」
短く返したロジャーは、完全に納得した様子では無かった。突然名指しされた麗慈は訝しげな表情で託斗を睨み付けている。
「フルートは誰に習わせる?取り敢えずヨーロッパ支部に在籍しているフルーティストに交代で見てもらうか?」
「それで良い」
脚にしがみついている京哉の肩に手を置いて引き剥がすと、託斗はしゃがんで視線を合わせながら語り掛けるようなゆっくりとした口調で彼に説明をする。
「…京哉、僕はこの建物の中にいるけど君にはなかなか会えないんだ。このお兄さんが京哉と一緒に生活してくれるから、何か困った事があったら相談するんだよ」
手を引かれて京哉の正面に立った麗慈は、訳がわからず目を瞬かせる。
「麗慈、突然で悪いけどこの子を頼むよ。君とは境遇が似てる部分があるから、うまくやれるさ」
多分、と付け加えた無責任さが麗慈を不安にさせる。
 あまりにも急で無茶苦茶な要求。何かあれば梓を通して抗議してやろうと思いながら、京哉についてくるように言ってエントランスを後にした。



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 社屋に隣接する5階建てのバロック様式の外装を持つ建物は、楽団ギルドのヨーロッパ支部に在籍する人間の住まいになっていた。
 日本からオーストリアに亡命してきた麗慈は、楽団ギルドの敷地内に住みながら昼間は学校に行き、夜は梓によるリモートヴァイオリン指導を受けていた。

「そっちの部屋、使ってねーからお前にやる。さっきミーアさんが業者に頼んで明日にはベッド来るって言ってたから、今日は此処で寝ろよ」
麗慈はリビングに置かれたソファの背もたれを叩く。トイレ、風呂、台所の順に場所を教えるが、麗慈の後ろをチョロチョロとついて来た京哉はじっと黙っているだけ。やはりやり辛さを感じながら、麗慈は自室の前まで行くとドアの前で踵を返した。
「これから宿題やって、師匠にレッスンしてもらうから…」
忙しいから相手してやれないと告げると、京哉はコクっと首を縦に振って割り当てられた自分の部屋に入る。日々のタスクに追われていた麗慈は、黙って指示に従った京哉の後ろ姿に一抹の不安を感じながらも自分の部屋に入っていった。




 卓上の時計が21時を告げるアラームを鳴らし、麗慈は慌ててリモートレッスン用のタブレットの電源を入れた。画面の向こうには既に梓が待機しており、腕時計を見ながら何か言いたげな表情をしていた。
「…遅れてすんませんした…」
「30秒遅刻だな。腕立て50回」
さも当たり前のように指示した梓に、やはりそうなるか…と落胆した麗慈は大人しくそれに従う。
「そういえば、飛び級試験合格したんだって?その歳で大学通うとか本当に頭良かったんだね、アンタ。ドイツ語も半年やそこらで喋れるようになっちゃうしさ」
腕立てをする麗慈にそう話し掛ける梓はどこか誇らしげである。
「そういえば、託斗はオーストリア戻った?そろそろだと思ったんだけど」
「今日帰ってきたし、面倒事押し付けられた」
50回目を終えて立ち上がった麗慈はスタンドに立てかけていたヴァイオリンを手にとって左顎に挟む。
「面倒事ォ?」
眉を顰めた梓に、麗慈は一度ヴァイオリンを外して答えた。
「アイツの息子ってやつ、俺が世話しろって…」
「そうなのー!?…で、今どこにいるの?」
隣の部屋にいる筈と伝えると梓に一人で放置するとは何事だ、と怒鳴られた。
 理不尽さを感じながらも渋々隣の部屋を覗き込んだ麗慈は、京哉が何も無い部屋の真ん中に座って運指の練習をする様子を目の当たりにする。
「…おい、俺の師匠が部屋に連れてこいって言ってるから」
そう声を掛けると、京哉は黙って立ち上がり大人しく後をついてくる。


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「あらー、京ちゃん。無事にそっちに着けて良かったねー」
猫撫で声を出して嬉しそうに手を振っている梓を見て、麗慈は密かに背筋を凍らせていた。
 麗慈にとって、梓以外に演奏を聴かれるのは初めての事だった。背後からの視線が気になってしまい、ミスをする。それに気が付いた梓は、クスクス笑いながら演奏を止めた。
「なーに、アンタ。京ちゃんに聴かれて緊張してんの?」
「し…してねーよ。ただ…なんか気になって…」
チラッと後方に視線を向けると、やはりじっと見つめられている。
「良い練習になるかもね。京ちゃんもそのうち楽器貰うと思うから、アンサンブルでもしたら?」
梓の提案に、それまでじっと黙っていた京哉が口を開いた。
「…あんさんぶる?」
「そう。誰かと一緒に演奏する事。やったみたい?」
梓が笑顔で尋ねると、京哉は一度麗慈の顔を見て首を横に振った。



 翌日、京哉の元にヨーロッパ支部のフルーティストの一人がやってきた。楽団ギルドに保管されていたフルートを持って現れた彼女は、優しく微笑みながらそれを京哉に手渡す。
「子供向けの練習曲集めてみたんだけど、どれが良いかな?」
そして、カバンから取り出したテキストの数々を彼の前に広げるが、それらには反応を示さなかった。
「えーっと…それじゃあ、まず何か吹いてみる?聴かせてほしいな」
何か吹けと言われた京哉は、久しぶりに持った実物のフルートを構えて息を吹き込んでみた。感覚は忘れていない。
 母親がよく吹いていたゴーベールの夜想曲とアレグロ・スケルツァンドを演奏する。京哉程の年齢の子供が容易に吹くような曲ではなく、レッスンに来たフルーティストは愕然としていた。

 翌日に来た男は、前日担当した者から話を聞いていたらしく、中級から上級者向けの楽譜を用意して京哉の所にやってきた。
 初めて知ったという曲の楽譜を渡してレッスンしようとするが、パラパラと数分譜読みをするとそれだけで吹けてしまう。やることがなくなってしまった男は楽譜を渡すだけ渡して帰ってしまった。

 その翌日は、ヨーロッパ支部での次に実力があると言われていたフルーティストがやってきた。そして、自分が演奏した曲を真似て吹いてみるようにと指示を出す。京哉は彼が演奏し終えるのを待ってすぐさまその曲をそっくりそのまま演奏してみせた。


 譜読みが早く、初見に強く、耳が良くて絶対音感がある。そんな彼にものを教えようという人間はとうとういなくなってしまった。


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 京哉のレッスンに手を焼いている件はすぐにロジャーの耳に入り、新たなフルーティストがマエストロとして呼ばれる事になった。
 それが、ヨーロッパ支部長を担当しているミーア・ウィルソンであった。彼女はシエナの楽団ギルド時代を知る人物でもあった。
 ミーアは人を思いやれる人間ではあったが、その厳格な性格故に上長であるロジャーの指示にも忠実であった。
 懲罰房を出て自室に戻った託斗が京哉の新しいマエストロの件を聞いた時、彼は彼女が抜擢された事に不安を感じていた。彼女が旋律師メロディストについてその多くを語ってしまうのではないかと。




「凄いな…もうそこまで吹けるか……」
レッスン初日に京哉の演奏を聴いたミーアは、純粋に感心した。そして、彼が奏でる音にシエナの面影を感じた。それは、旋律師メロディストとしては適さない演奏の形である。
「キョウヤ、君はハンネス機関について知っているか?」
ミーアの問いに京哉は首を横に振った。
「そこからだな。浴室に来なさい」
京哉を連れてバスルームに入ったミーアは、陶器製のバスタブに底から30センチほど水を張った。そして、ゆらゆらと凪いでいる水面に手に付いていた水を一滴垂らす。水滴が起こした波は同心円上に伝わり、浴槽の壁にぶつかって跳ね返る。そして、中心から広がる波とぶつかって複雑にうねった。
「音は波だ。空気を震わせ、広がったり強め合ったりする。この水面のようにな」
「…波」
水面の様子をじっと見つめていた京哉は、小さく呟く。
「ハンネス機関というのは、音の波を集め、増幅…つまり大きくして中の機械を回し、エネルギーに変える装置だ。この天井からぶら下がっているランプが光るのも、音エネルギーによって作られた電気が送られているからだ」
ミーアの顔を見上げた京哉は、首を傾げた。
「音が…電気にかわるの?」
「ああ。だが、普通はハンネス機関のような特別な機械を通す必要がある。しかし、特殊な演奏方法を習得した者は例外だ」
そう言ったミーアは自身の右手首にはめていた金属のブレスレットを浴槽の中に沈める。そして、濡れないように棚の上に置いてあった彼女のフルートを手に取ると、リッププレートに下唇を乗せた。
 ミーアがフルートに息を吹き込みながらキーを忙しなく押す。しかし、音は聞こえてこない。代わりに周囲が青白く光り始め、ブレスレットが赤く熱を帯びた。周囲の水がブクブクと沸騰し、やがて干上がる。浴槽の底に残されたブレスレットは本来の形を失い、細かな花の彫金が成された星型に変形していた。


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 目の前で繰り広げた魔法のような光景に、京哉は目を輝かせる。
「……すごい…!」
京哉の反応を見たミーアは、彼にしばらく浴槽の中を見つめているように目で促す。しばらくすると、その星型の金属が再び熱を帯びて元のブレスレットの形に戻り、彼は左目を瞬かせて驚愕していた。
「今のは…?」
「音が水と異なるのは、その波を人間が細かくコントロールできるという点だ。フルートを吹きながら、音を小さくしたい、大きくしたい…そう思った時君は息遣いを変えるだろ?」
ミーアが浴槽から取り上げたブレスレットを手のひらに乗せると、それを興味津々に眺める。
「…うん。音のかたち……お母さんが言ってた」
「そう。複雑な演奏をしながらも音の形を正確に、思う通りに作り出す事によって、このブレスレットのように形を変え、戻すタイミングさえも調整することができる。我々はその技術を持つ音楽家を旋律師メロディストと呼んでいる」
京哉はこの時、初めて旋律師メロディストの存在を知った。そして、ミーアに問う。
「…その腕のやつ……ナイフにもできるの?」
「ああ。演奏する者が忠実に再現できる音の形なら、その通りに波をぶつけてやれば、エネルギーが伝わって物の形を変えることすらできる」
再びフルートを吹き始めたミーアは、彼の目の前でブレスレットを小型ナイフに変形させた。
 京哉は息を呑みながらそのナイフを手に取る。そして、あの日の光景を思い出した。

「僕があの時……できてたら…お母さんを助けられたのかな…」

ぼつりと呟いた京哉。
 彼は自分を庇って傷付いたシエナの横顔が、そして全身に銃弾を受けて倒れた彼女の死に顔が忘れられなかった。
 自分に力があれば、母親を守ることが出来た。


「過去に戻る事はできないが、これからを変える事はできる。シエナは命を掛けて君を守った。その命を、次は君が誰かをこの世に繋ぎ止める為に使ってくれる事を、私やロジャーは望んでいる」
京哉の前に跪いたミーアは、彼の手を両手で包み込むようにして握った。
「その為には辛いレッスンを受ける必要がある。だから、よく考えて返事をしてくれ」
今日はこれで以上だ、と告げてミーアは部屋を去っていった。


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 その日の夕方、学校から帰ってきたら麗慈がいつものように自室で宿題を広げていると、京哉がジッと部屋の中を覗いていた。
「……何か用があるなら入ってくれば良いだろ…」
相変わらず接しづらいと感じながら、麗慈は京哉を部屋の中に招き入れた。

 忙しいと言いながら本当に忙しそうにペンを走らせる麗慈を見つめる京哉は、彼に尋ねた。
「…旋律師メロディスト……なるの?」
「あー…そういう約束でここに住まわせてもらってるし、学校にも行かせてもらってるからな」
初めてまともな会話が成立した事に内心驚いていると、いつの間にか京哉が真横に立っており慌てて椅子から落ち掛けた。
「……おうち、無いの?」
面倒臭い質問が来たと思いながらも、麗慈は託斗の言葉を思い出した。京哉と自分は境遇がにている、と。
「無ぇーよ。ついでに親もいないし、1年前まで名前も無かった」
そう返すと、京哉はまた左目をパチクリさせた。
「クソみてーな孤児院に入れられてて、たまたま師匠に会って助けてもらった。そっから色々あって将来は[[rb:楽団 > ギルド]]に入って働く為に、今は医者になる為の勉強中…」
「お医者さん…なれって言われたの?」
また面倒だと思いながらも、答えを聞くまでは引き下がらなそうな京哉の表情を見て仕方なく返してやる。
「……ちげーよ。なりたいって言ったのは俺」
すると、京哉は暫く何か言いたげに口元をモニョモニョさせながら後退した。結局何も言わないのかよ、と眉を顰めて手元のテキストに視線を戻す。
楽団ギルドにいる奴って、皆それなりに訳ありみてーだし、何かしら理由があって[[rb:旋律師 > メロディスト]]やってんじゃねーの?お前もなれって言われたのか?」
「……なってほしいって言われた。僕がなったら、誰かを救うって言ってた」
モゴモゴと小声で喋る京哉に、麗慈は心の引っ掛かりを感じる。それは確実に、方便というやつである。麗慈は旋律師メロディストを目指すにあたり、梓から彼等の事を良く聞いていたからだ。

 なる為に通る地獄と、なってから落ちる地獄がある、と。

「僕…フルートを吹いて欲しいってずっと言われてた。でも……僕がフルートを吹いたからお母さんは殺されちゃった………」
だから、どうしたら良いのかわからない。語らずとも、彼の左目がそう訴えていた。ふぅ、と息を吐いた麗慈は、椅子から立ち上がるとヴァイオリンを収納しているジュラルミンケースの下から一冊の楽譜を取り出した。

「前、お前にフられたけど、師匠がやるならコレだって勝手に楽譜指定してきた。昨日届いたこの曲、アンサンブルしてみるか?初めての事やってみたら、何か考え変わるかもしんねーし」
そう言いながら麗慈が京哉に手渡したのは、リベルタンゴの楽譜。
「言っとくけど、俺はまだヴァイオリン始めて1年ぐらいの初心者だからな」
楽譜の中身を確認した京哉は、ソリスト用とアンサンブル用の違いに気が付く。ヴァイオリンパートとフルートパートが掛け合うように書かれていた。違う楽器と共にアンサンブル演奏するのは、京哉にとっても初めての経験である。



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 数日後の梓のレッスンに、京哉も参加するように言われた。
「京ちゃんヤル気になったんだー!お手柔らかにお願いね」
梓がにこやかに話し掛けると、京哉は無言でコクリと頷いて下唇をリッププレートに乗せた。メトロノームを掛けた麗慈がヴァイオリンを構えると、梓が指示したタイミングで1回目の演奏が始まる。
 京哉の演奏を初めて聴いた麗慈は度肝を抜かれた。自分より5歳も年下の人間が大人顔負け、むしろそれ以上の演奏をしている。一方梓は、顎に手を置きながら二人の演奏を分析していた。
 最後の一音が室内に溶け、メトロノームの音だけが取り残されると、梓がパチパチと拍手を送った。
「うん、まず麗慈は短い日数でよく頑張った。普通に考えたらアンタも結構凄いよ」
そう、普通ではない人間が隣にいるのだ。
「京ちゃんは上手だねぇ……正直びっくりした。シエナの教え方が良かったのもあるし……完全にアイツの息子って感じ」
そして、手元にある同じ楽譜を見ながら次はダメ出しが始まる。
「で、麗慈はちゃんと音が鳴ってない所結構あったから、ちゃんと確かめること。左手のポジショニングが甘くなってんじゃない?」
「…はい」
麗慈は譜面台に立てかけている楽譜に鉛筆でスラスラと何かを書き込む。
「京ちゃんは……ちゃんと麗慈の音聴いた方が良いね。自分の演奏を完璧にするのも大事だけど、相手をよく見て合わせるのはもっと大事。弓の上下と息遣いは呼応してるんだよ。理解し合わないと」
梓のアドバイスは京哉にとって理解が難しいものだった。母親と一緒に演奏した時は綺麗にまとまったし、楽しさも感じた。しかし、今はそれが全く無い。
 その日は何度合わせても同じような結果であった。まだ初日だから大丈夫、と声を掛けた梓との通信を切って、麗慈はヴァイオリンをスタンドに立てかける。
「…理解するって、何?」
背後から尋ねてきた京哉は真剣な表情をしていた。
「……相手について知る…とか?」
麗慈の回答を聞いても、京哉はあまりピンときていない様子であった。

 それから何度も二人であわせをするが、思ったような演奏にはならない。むしろ、麗慈が曲に慣れてきて音量が出てきた分、二人の演奏がカチあって悪化してるとさえ思える。
 京哉の演奏は根本的に誰かと組むのに向いていなかった。経験が無かった事とはいえ、出来ない状態が続くのは彼にとって非常にストレスであった。
 それは、フルートを吹き始めて初めて感じた敗北感である。


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 ある日の夜、一人で梓のレッスンを受けていた麗慈は、何か思い悩んだような表情をしていた。
「どうした…いつも以上に下手だぞ」
「酷っ……最近、アイツに付き纏われてんだよ。流石に宿題進まなくてヤバいから、今日は俺の部屋から締め出したけど」
 ここ数日、京哉は麗慈が部屋に戻ってきている間はずっと三歩後ろをついて回っていた。何をする訳でもなく、ただじっと見つめられている。
「えー、良いじゃない。可愛くて」
「言い訳ねーだろ。風呂場にも着いてくるし…寝てる時もドア開けて暫くの間見てる…。何考えてるかわかんねーよ、アイツ…」
不満げな様子と共に、疲れが滲んでいる。
「で、アンタは京ちゃんに何か言ったの?」
「言ってねーよ…言ったって無視するだろ、アイツ」
麗慈の答えを聞いて、梓は京哉の謎の行動の理由が何となくわかった気がした。そして、それとなく彼にも仄めかす。
「そういえば、京ちゃんってアンタと暮らし始めから泣いたりした?」
梓の問いに、麗慈は暫く考え込む。
「……いや。それどころか、笑ったり怒ったりした所も見てない」
やっぱりね、と笑顔を見せた梓。彼女の様子に麗慈は眉を顰めた。わかったなら教えろよ、という顔だ。
「京ちゃんの思う通りにさせてあげたら?」
「思う通りって?」
「そこはアンタ、お兄ちゃんなんだからあの子の意図を汲み取ってやんのよ。成程、これは良い傾向だねぇ」
勝手に納得している梓が手を叩き、レッスンが再開される。



 その日は金曜日。学校から帰った麗慈は相変わらず後をつけてくる京哉の方に向き直った。
「今日は良いもの手に入った」
麗慈が手に持っていたのは、うどんの乾麺。日本食が手に入るのは非常に珍しい事だった。
「熱いのと冷たいの、どっち」
「……あったかいの」
京哉を隣に立たせて、麗慈は鍋で麺を茹で始める。
 コレで合ってるかなんて保証は無かったが、麗慈は京哉のやりたい事とやらに付き合ってみる事にした。普段全くと言って良いほど二人は会話をしない。それは、麗慈の方が諦めていたからだ。

 出来上がった素うどんを二人で向かい合って口に運ぶ。特に好きそうではなかったが、不評でもなさそうだった。麺を一本ずつ箸で掴んでいる京哉に、聞いてみる。
「…何か好きなもんある?」
「……たべもの?」
「そう」
すると、京哉は箸を丼の縁に預けながら考え始める。そんなに考える事か?と思いながらも、いざ自分が同じ質問をされた場合も、スッと出てくる自信はなかった。彼が何かを思い付くまで黙って待つ。
「……たまご」
「卵?」
「黄色いとこ」
目玉焼きの黄身の事だろう。麗慈は目を見開いた。
「変わってんなー、お前。白身のがうめーじゃん。俺、黄身いらねーから今度からお前にやる」
何気なくそう返すと、京哉は左目をパチクリさせていた。
「……くれるの?」
「やるよ。好きなんだろ?」
京哉は口元をモニョモニョとさせてから、多分笑った。ほんの一瞬だ。


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 宿題はその日のうちにやるのが麗慈のルーティンだった。しかし、明日は休みだと割り切って京哉に付き合う事にした。いつも彼が一人でいる時は何をしているのかと問えば、フルートを吹いているのだという。彼はレッスンに来たフルーティスト達が置いていった楽譜を吹き漁っていた。
 突然、京哉にフルートを手渡される麗慈。吹いてみろという事なのだろう。指の置き方を教わりながら息を吹き込むが、ヘボい音しか出ない。
 お返しにと自分の部屋からヴァイオリンを持ってきた麗慈は、京哉に持たせてみた。左顎に挟んでやり、弓を持たせる。ここで普通に綺麗な音が出たら自信を無くすと思っていた麗慈だったが、とても汚い音が部屋に響いてくれたお陰で彼の僅かばかりの矜持は保たれる。
 そして、弾けはしなかったものの、初めて違う楽器に触れたのが楽しかったらしく、京哉はまた口元をモチョモチョとさせていた。



 いつも脱衣所で覗いているだけの京哉と一緒に風呂に入ってみる事にした麗慈。右目を覆っていた眼帯を外すと、血膿を抜かれた時にメスで切った痕の縫合の腫れもだいぶ引いている。
 日本で何があったのかは詳細を聞かずとも大体想像がついていた。あえてそれに触れる事も無いし、聞かれるのを望んでいないだろうと思っていた。
 髪を洗ってやると言って聞かないので、身長110センチ程度の京哉にも届くようにとだいぶ前屈みになる。その為、泡が目に入りたい放題になるが、麗慈は必死に我慢した。自分に弟がいたらこんな感じなんだろうかと想像する。
 そして、背中の傷跡を見た京哉が小首を傾げて尋ねてきた。
「……怪我したの?」
面倒な質問が来たと思いながら、答えてやるしかないと思った。
「だから、前に言っただろ。クソみたいな孤児院に預けられてたって」
あぁ、と思い出したように相槌を打った京哉は麗慈の前に回り込んでしゃがむと顔を覗き込んだ。
「いたくないの?」
「1年以上経ってるし、もう痛くねーよ」
変な質問だと思いながらそう返してやると、京哉は再度同じ問いをした。
「……いたくない?」
グレーの瞳が何かを見透かしているようで、麗慈は慌てて視線を外す。


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 シングルベッドだったが小柄な京哉ぐらいであれば問題無く隣に入る事ができた。麗慈はじっと天井を眺めながら、恐らく彼のタブーであろう話題にあえて触れてみる。
「……母親、どんな人だった?」
京哉は暫く黙り込んでいた。やはり答えたくなかったのだと思い寝返りを打って壁側を向くと、背後から小さな声で語り始める声が聞こえる。
「ちょっと変な人。料理はあんま得意じゃなくて、黒くなってる時もたまにあったよ」
彼のフルートの師でもあると聞いていたので、そんなに不器用な人間だとは思わなかった。
「動物が好きで、特に鳥が好きだった。飼わないの?って聞いたら、鳥籠に閉じ込めたら可哀想って言ってて、空飛んでる小鳥眺めてるような人」
京哉の口から次々とシエナとの思い出が語られる。

 シエナは、山奥で人から遠ざけて育てざるを得なかった京哉に寂しい思いをさせないようにと、必死だった。彼の前ではいつも明るく振る舞っていたのが話から伝わってくる。
「…良いお母さんだな」
自分には思い出すら無いから正直羨ましい、そう言い掛けてやめた。声に出すと泣きそうになるからだ。
「僕、お母さんに聴かせたい曲があるから、施設でもずっと隠れてフルートの練習してたんだ」
それから京哉は彼女と吹いた曲について話し始めた。聞いたことの無い曲名が多かったが、京哉がこれ程自分について自ら話す事は今までなかった。黙って聞いていると、突然声を詰まらせる。
「お母さんが死んじゃったのは…僕のせいなんだ」
麗慈は再び寝返りを打ち、京哉の方に顔を向ける。
「警察の人がうちに入ってきて…その時、僕がフルートを吹いてたから…」
シエナが殺される事になった原因は、近隣住民の通報、そして警官隊を家の中に入れてしまった事。しかし、彼の中ではずっと誤解されたままだった。あの時、まだ寝ていたら。もしフルートを吹いていなかったら。そんな事ばかりを考えてしまう。
「だから…死んじゃったんだ……」
静かに涙を流し始めた京哉の横で、麗慈は先日の彼の発言を思い出していた。

『僕…フルートを吹いて欲しいってずっと言われてた。でも……僕がフルートを吹いたからお母さんは殺されちゃった………』

これが、京哉が旋律師メロディストになるか否かを迷っている理由であった。
 そんなことはない、お前のせいじゃない。否定してあげる事で、京哉はその呪縛から解放される。しかし、それを言うのは自分では無い。亡き母親自身が伝えなければ、彼は受け入れる事ができない。
 あの日以来、笑う事も怒る事も、ましてや彼女を思い出して泣く事すら出来なかった京哉の心をどうすれば救うことが出来るのだろうか。
 その答えを、麗慈は持ち合わせていなかった。

「お前さ、さっき俺に聞いたじゃん」
麗慈が口を開いた。
「痛くないかって……」
風呂場での会話を思い出し、京哉は小声で生返事を返した。

「俺、多分自分の中でソレ聞かれんの嫌だったんだろうなって思う。もう昔の事だから、あんな奴らの事忘れなきゃ、こんなに良くしてもらってんだから前向かなきゃって……」
次々と言葉が溢れ出している麗慈の方を向いた京哉は、彼が腕で目の上を覆い隠しているのを目の当たりにした。
「……でも、ソレとコレとは別だって。痛ェよ、いつまでも。何で俺には何も無かったんだろうって考えると、周りの奴全員羨ましくなるわ。……お前もだ」
自分には母親がいたし、父親は会えないが近くにいる。京哉はベッドの上で起き上がると、鼻を啜った麗慈の方を見た。すると、腕を退かした彼と目が合う。
「忘れなくて良い…どうせ無理なんだから。思い出して悲しくなったら泣け。俺もそうするから。……ただ、泣き顔見せんのは俺とお前、お互いの前だけだ」
その腕が伸びてきて、京哉の頭をわしゃわしゃと撫でる。共依存して生きていく、それが二人の導き出した答えだった。


…………………………………………………………………………………



『どしたのよアンタ達…いきなり上手くなっちゃって…』
梓はまるで今までの出来とは違う完成度の高いアンサンブルに驚いた。
『二人で沢山練習したぁ?良いじゃん、仲良くなっちゃってェ』
 実を言うと、そこまで根詰めて練習したわけでは無い。あれから、京哉は麗慈をよく見て演奏するようになっただけであった。
「…上手くいってた?」
「多分……」
楽譜を追うので精一杯だった麗慈に、よくわかっていない様子の京哉。二人を見て、梓は優しい笑顔を見せる。
『出来るよ、京ちゃんなら。フルートとピアノのための組曲。ね!』
梓の言葉に、京哉はサッと伏せた顔の口元をモチョモチョとさせていたのを麗慈は見逃さなかった。





「彼が自分からミーアに申し出たそうだ。旋律師メロディストになりたい、と」

 楽団ギルド社屋の地下にある託斗の自室には、ロジャーの姿があった。依頼した曲の完成を待ちながら、壁に貼られた資料に目を通している。

「血は争えないとはこの事だな」

デスクに向かってペンを走らせる託斗は、ロジャーの言葉を聞き流していた。
 旋律師メロディストにはさせたくなかった。しかし、自らなりたいと望むのであれば、今度はどうやって彼を護るかを考えなければならない。彼の技術を、心を搾取されないように。

「聞いているのか、タクト?」
「聞いてるさ。あの子ならそのうち支部長クラスに強くなるんじゃないか?僕の血とシエナの技術を受け継いでるんだ……結局アンタら上層部が望む結果になって良かったな」

託斗はデスクの上でまとめた五線譜をロジャーに叩きつけた。

「大編成三部作。コイツが必要な未来が来ない事を願うよ、僕は」
「……確かに受領した」

パラパラと中身を確認しながら部屋を後にしたロジャーは、胸元から取り出したPHSで彼女に連絡を入れた。
「私だ。アレでも一応親だからな。承諾は取っておいたよ。君には引き続き教育係を任せる」



 ロジャーからの着信を受けたミーアは目の前で演奏をする京哉に目を細めながら返した。
「…わかりました。この部屋からは出さないようにします。それではまた後ほど…」
通話を終了したミーアは、京哉の前に立ち演奏を止めさせる。脇に抱えていたテキストを譜面台の上に置くと、1ページ目を開いた。
旋律師メロディストになるためのレッスンを始めよう。期待しているよ、キョウヤ」





[20] Sonatine Ⅲ 完
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