MELODIST!!

すなねこ

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#021 Tutti

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東京都・年齢不詳男性「組織のまとめ役というのは実にやり甲斐のある仕事ではあるが、結構骨が折れる。仲間が増える程、彼等が従う気になるようにあの手この手を尽くさなければならないからね。特に脳筋は大変さ」


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 目隠しをしたガブリエルが暗い部屋の中心で意識を集中させる。23区内のありとあらゆる場所に貼られた目の模様の札を通して、彼は遠隔地の状況を把握する事ができる千里眼のような能力を持っていた。

 『目の獲得』

 矢波が布教していた鶯谷の新興宗教、そのシンボルマークでもある「目」のイラスト。信者らに布教活動と称して東京の至る所にこの札を貼らせる事で、異端カルトが都内での情報収集を容易くする狙いがあったのだ。
 今はもう使われていない公共放送用のスピーカー。彼はそこから、蛇遣いの笛として知られているビーンで奏でた特殊な周波数の音波を垂れ流す。目のイラストを描いたのはその札を成す特殊繊維から注意を逸らす為であり、それらにぶつかった音波は空間全体に反響するという。ガブリエルは常人離れしたその聴力で潜水艦のソナーさながら、視力の及ばない場所の監視を可能にしていた。

「……新宿に残った垂れ目の坊やと短髪の坊や以外は東京都内にはもういないわね」

彼がそう呟くと、壁際に立っていた面々は落胆の表情を見せた。

「しっかし、あのAIにしてやられたね。最後に戦力を一箇所に集中させるように仕組んでいたなんて」
黒いフードを目深に被ったハーフパンツの少年が手を頭の後ろで組みながら床を蹴る。
「それよりも、明らかな敗因はアイツ!何でタクト・ウガミがまだ生きてんだよ?飛行機撃ち落としたんだろ?」
青紫色のドレッドヘアの女が手を戦慄かせながら悔しそうに吠えると、その隣に立っていたミゲルが怒りに燃える彼女を鎮めた。
「まぁ、彼がそう簡単に死んでくれる筈もないさ。しかし今、楽団奴らは防戦一方。我々に部があるうちに次の作戦に移ろう。フルーティストは今どこに向かっているんだい?」
ミゲルの問いかけに、ガブリエルは再び意識を集中させる。
「遍玖会ね…まだ傭兵部隊が交戦中みたいだし、助太刀に行くんじゃない?」
「戦力がバラけてくれてるなら其処を叩くまでた。メタトロン達に任せよう」
そう言って部屋を出ようとしたミゲルに、ドレッドヘアの女が突っかかる。
「待てよミゲル!アタイに行かせろ!」
「済まないね、サラフィエル。彼は親友をあのフルーティストに殺されてやる気に漲ってるところなんだ。譲ってやってくれないか」
ニコリと爽やかに笑ったミゲルの様子を見て、サラフィエルと呼ばれた女は苛立ちを壁にぶつけた。

 一方で、ミゲルから出動要請を受けた男は大声を上げながら自分を鼓舞する。
「おぉっ…!神よっ!遂にっ!我に憎きフルーティストを惨殺する機会をお与えになったのですね!」
両腕を上げながら大喜びで神を讃えているのは、見覚えのある紫色の祭服に身を包んだガタイの良いツーブロック&アルミパーマの男。
「与えたのは私なんだけどな。まぁ…君は手が早いから一応忠告しておくけど、最初にちゃんと勧誘をするんだよ。これは異端カルトを成長させるためでもあるし、ガブリエルがそれを望んでいるからね」
オーケーオーケーと、完全に了承していない時の返事を残したメタトロンと呼ばれた男は軽快な足取りでフロアを駆けて行った。
「おい!ちゃんとあの子も連れて行くんだぞ!約束だったろう?」
どんどん小さくなっていく後ろ姿に向かって再度忠告したミゲルだったが、完全に聞こえていないだろうと予想して疲れ切ったため息をついた。

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 遍玖会新宿自警団本部の敷地内は、アサルトスーツの男達で溢れかえっていた。構成員達が建物の外に押しやるも、次から次へと突入してくる。
 そんな現場に到着したネイキッドバイク。そこから飛び降りた京哉が門戸付近に固まっていた黒山の人集り目掛けて勢いに乗った蹴りを食らわせる。
「え!?押されてんじゃん!」
無事着地に成功して顔を上げると、息を切らした構成員達は京哉を見て顔色を明るくしながら駆け寄ってきた。
「京哉さん!…今、若頭は取り込み中で……俺達だけで何とか守らねぇとってやってるんですが…」
「わかった!僕と麗慈が何とかする」
構成員達は深々と頭を下げながら中に二人を誘導する。勝手に巻き込まれてしまった麗慈の方にも何度も頭を下げていた。

 青白い光の方を振り向いたアサルトスーツの男達は顔を見合わせながら京哉の方に襲いかかってくる。
「麗慈!遍玖会阿須賀ン家は反社じゃないらしいから、今回ぶっ殺しは無しで!」
「反社でもダメだろ普通に」
京哉はタングステン製の拳鍔で敵を薙ぎ払っていく。背後から襲ってきた男の腕を去なした麗慈は、相手の腕をホールドすると背負って地面に投げ落とした。



 騒がしい乱闘が続く中、新宿自警団長…志麻周平太の部屋では医師が懸命な蘇生措置を行っていた。心臓マッサージの間一定間隔で響く心拍を示した機械音は、医師が手を止めて別の処置を始めるとツーと拍を刻まなくなってしまう。
 汗を滲ませながらまた心臓マッサージを繰り返す医師の周囲には、阿須賀と志麻周平太の妻の姿があった。皆、祈るような表情で彼の状態が戻るのを待つ。
 しかし、周平太の心拍が再開する事はなかった。汗を拭った医師は彼から一歩離れると、妻の方に向き直る。そして、息を整えながら落ち着いた口調で告げた。

「ご臨終です…」


 その場で泣き崩れた周平太の妻を支える阿須賀は、無表情でじっと周平太の顔を見据えていた。幼い時分に両親を失った彼を我が子のように大事に育ててくれた周平太の死。そんな時に、彼と血の繋がった息子の姿がこの場に無い事に憤りを感じていた。
 そして同時に、いつまでも収まらない部屋の外の取っ組み合いの騒音に焦りを感じ始めていた。
「すんません、姐さん…ワシも行きます。親父が大事にしてきた遍玖会を守らんと…っ!」
「阿須賀ちゃん……みんなをお願いね」
使用人に周平太の妻を預けた阿須賀は、障子を開けて廊下に飛び出した。室内まで侵入してきたアサルトスーツの男達を薙ぎ倒しながら、激しい戦闘が繰り広げられている外庭に飛び出す。


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「阿須賀!どうしたんだよこんな時にっ!」
敵を投げ飛ばしながら尋ねた京哉だったが、彼の表情を見て状況を察した。
「……じぃちゃん、亡くなったのか?」
背後から殴りかかってきた男の腕を掴んで地面に叩き付けた阿須賀は、京哉と背中合わせになりながら肯定する。
「たった今、な…こんな騒ぎになっとらんかったら、京ちゃんも呼びたかったわ」
阿須賀の言うを作り出した原因が自分達にある事に、京哉は負い目を感じる。

「京哉!阿須賀が来たなら俺は中に回るぞ!」
敵の襟首を掴んで地面に転がしながら麗慈が大声で告げると、阿須賀は京哉も屋内に行くように指示を出した。
「アンタら、ただの喧嘩は苦手やろ。中に入って姐さん達守ったってくれ。此処はワシがやる」
「一人で大丈夫か?お前…」
父親同然の周平太を失ったばかりの阿須賀。彼の心理状態を心配したが、京哉は彼が悲しみよりも怒りに打ち震えている事に気が付いた。恐らく、凌壱の事だろうとも察しがつく。
「…わかった。何かあったら呼べよ、絶対!」
背中で京哉と麗慈を送り出すと、阿須賀はアキレス腱を伸ばし始めた。

 同じく外庭で交戦していた構成員達は、阿須賀が加勢した事によって一気に勢い付く。次々に相手を地面に伏せさせ、遂に最後の一人を倒した時だった。
 門戸の周囲を守っていた構成員の叫び声が庭に響いく。何事かと全員で駆け寄ると、紫色の祭服を纏った妙な髪型の男…メタトロンが構成員の首を持って壁に押さえ付けていた。
「またワラワラと…小物に用は無ェっつってんだよ!」
投げ飛ばされた構成員を受け止めた阿須賀は彼を仲間に預けてメタトロンと対峙する。
「…英語……外人さんか?言葉通じへんのは厄介やな…」
「お?何だァ?子供かと思ったぜ。ちっさくてヒョロヒョロしてんなお前」
小柄とは言えど身長168センチの阿須賀と比較すると、男はあまりにも大きい。2メートル近い長身、そして服の上からでもわかる盛り上がった筋肉。見た目の奇妙さも相まって、只者ではない雰囲気を醸し出していた。
「テメェらには用はねぇ!キョウヤ・ウガミは此処にいるんだろ?早く連れてこい!!」
彼の話している意味はわからないが、どうやら京哉に用がある事だけは理解できた。そして、間違い無く敵だということも。
「人ン家の前でギャアギャアとうっさいのぅ……。作法っちゅうモン教えたるわ、掛かってきぃや」
言葉は通じずとも伝わるように中指を立てて舌を出した阿須賀を見て、メタトロンはこめかみに血管を浮立たせながらニヤリと笑った。



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 巨体が動き出した瞬間に危険を察知して後退すると、彼は阿須賀の目の前で門戸を殴り付けて頑丈な造りをしたそれを破壊した。そして、僅かなタイムラグの後に発生した衝撃波が周囲の人や物を吹き飛ばす。
 木屑が散乱する中、体勢を立て直した阿須賀はその超人的な力の根源を分析しようと全身を睨み付ける。全身奇妙で疑わしい物だらけだが、メタトロンの手には棒状の物が握られていることに気が付いた。
「メリケンかぁ?…玩具があらへんとタイマンも張れへんのか」
「ハッ!何言ってんのかわかんねぇなキツネ顔がよっ!」
連続的に繰り出される凄まじい勢いの穿孔に、外庭の地面にはクレーターのような大穴が次々と形成されていく。
 腕っ節の力だけでなくあの謎の物体が爆発的な破壊力の理由であると考えた阿須賀は、メタトロンの手に注視しながら攻撃を躱し続けた。そして、振り翳されたその腕を掴んで距離を詰めると、身を捩って彼の首筋に鋭い蹴りを入れる。
 相手がよろけた隙に更なる攻撃モーションに移ろうとした阿須賀だったが、次の瞬間には地面に背中を着けていた。腹を踏みつけられた衝撃で思わず咳き込む。
 靴の裏にも手に握っている物と同じ物が仕込まれているようだった。

「テメェ、手にばかり気ィ付けてたな」

時間差で発生した衝撃波で、阿須賀の周囲の地面がガクンと凹みを作る。地形が変わるほどの威力を直接身体に食らってしまった阿須賀は喀血した。

「若頭ァっ!!」
「畜生っ!何なんだあの滅茶苦茶な力は!?」

周囲で見守っていた構成員達が阿須賀に助太刀しようと駆け出した。

「来んでエェわっ!」

声を絞り出した阿須賀によって、彼らの動きは制される。
「ワシ一人で十分じゃ…」
メタトロンの片脚を両腕で掴んでバランスを崩させると、少し足が浮いた隙に上体を捩って抜け出す。そして正面と背面からのハイキックに続いて上段回し蹴りがメタトロンにヒットする。しかし、効いている様子はない。
「貧弱だなァ?蹴りに頼ンのは腕力が無ェからだっ!」
しかし、全ての攻撃が腕によってガードされてしまい、全く効いていない。アロハシャツの襟首を鷲掴みにしたメタトロンは阿須賀を屋敷の縁側に向かって投げ飛ばした。
 屋内の敵を片付けていた京哉と麗慈は、人混みをすり抜けて大きな音がした方へと駆け付ける。
「阿須賀!?」
破壊された軒下の瓦礫の中に埋もれていた阿須賀を見て、京哉は直様彼を攻撃した相手を探して視線を上げた。


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 見覚えのある紫色の祭服の男はニヤリと歯を見せて笑った。
「見つけたぜ!キョウヤ・ウガミ!!」
「……え!?その服……鶯谷の新興宗教関係の方!?アンタの事は全く知らないんですけど?」
バキバキと指を鳴らしながら一歩、また一歩と京哉達の方に近付いて来る。戦闘体制に入った京哉だったが、足元で瓦礫を押し除けながら立ち上がった阿須賀が彼を止めた。
「…京ちゃん……ワシにやらせろ」
「めっちゃ頭から血ィ出てるけど?」
「エラい頭にキとんのや…人様の敷地荒らしたい放題荒らすわ…大事なジィちゃんの死に際まで邪魔するわ……」
次の瞬間にはメタトロンの方に向かって駆け出した阿須賀。対峙する二人は同時に拳を振りかぶった。阿須賀は素早く相手の間合いの内側に入り込み、下から肘を曲げたまま突き上げるように顎を殴る。一瞬息を詰まらせた隙に今度は反対の拳でメタトロンの頬を殴り付けた。踏み止まったメタトロンは阿須賀の襟首を鷲掴みにすると、振り回した勢いで彼を池の中に放り投げる。
 高々と水飛沫が上がり阿須賀が水中に沈んでいった。
「チンピラ小僧が図に乗んじゃねぇ!一生沈んでろ!」
メタトロンは息を切らしながら大声で罵声を飛ばした。
「アイツ、大丈夫か?」
麗慈が池の方を眺めながら京哉に問うと、彼はヘラヘラと笑いながら両手を頭の後ろで組んだ。
「ジィちゃん死んだショックでギア上がんの遅いだけだろ。素手喧嘩ステゴロのタイマンなら誰にも負けないよ、阿須賀は」



 ユラユラと陽光を浴びて煌めく水面を見詰めながら、阿須賀はあの日の事を思い出していた。



 あれは、酷い雨の日の事だった。凌壱の取り巻きに多対一の喧嘩を挑まれ、全員に重傷を負わせた時だった。凌壱自身は手を下していない事もあり、彼は阿須賀が一方的に仲間を傷付けたと周平太に主張した。そして、周囲を取り囲んで見ていた取り巻き達の証言もあり、責任を取らされる羽目になった阿須賀は離れで数日間謹慎する事になったのだ。

 その日の夜、阿須賀の元を訪れた周平太は彼と並んで座り、語り掛ける。
「お前は強ェな、阿須賀。全員歳上だってのに、連んでもお前には勝てねぇ…アイツらは情けねぇな…」
「……ジィちゃん…」
阿須賀に向き直った周平太は、目を真っ直ぐに見据える。
「だがな、勝てるとわかってる喧嘩でマジになって相手を殴っちゃあ、ソレは喧嘩じゃねぇ。単なる暴力だ。ましてや、腐ってもアイツらは同じ遍玖会の人間だろ」
仲間に手を出す行為は、阿須賀が嫌っている凌壱のやり方そのものだったのだ。自らの過ちに気が付き、阿須賀は下唇を噛む。
「阿須賀、お前は強ェ。その力、遍玖会を守る為に使ってくれ。ジィちゃんとの約束だ」


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 池から這い出てきた阿須賀を見て、構成員達は歓喜する。
「若頭っ!」
「大丈夫ですかぃ?」
濡れたアロハシャツとインナーをその場に脱ぎ捨てた彼の背中には色鮮やかな不動明王の刺青が彫られている。
阿須賀は髪を絞って手首に嵌めていた髪留めのゴムで手早く結うと、背中を向けていたメタトロンに向かって叫んだ。
「よそ見すんなボケがっ!お前の相手はワシじゃ!」
ゆっくりと振り返った大男はグッと眉を顰める。そして面倒くさそうに静かな口調で凄んだ。
「小物は黙って沈んでろ…俺はコイツに用があんだよ」
そう言って指を刺された京哉は、口の横に両手を据えて阿須賀の方に向かって大声で通訳する。
「ちっちゃいちっちゃいお子ちゃまチンピラ小僧には用が無ェからさっさとお布団入ってねんねしてろだってよ!」
「そこまで言ってねぇだろ」
麗慈がツッコむが、阿須賀には聞こえていなかったようだった。
「何やて!?四捨五入したら170センチはあるわ!散々舐め腐りおって!ぶっ殺したる!」
まだ元気そうな阿須賀を見て、京哉は今度はメタトロンに向かって英語で話し掛けた。
「まだピンピンしてるぜ、アイツ。…ぶっ殺されなかったら僕が相手してやるよ」
京哉の言葉に口角を上げたメタトロンは、自身も紫色の祭服を脱ぎ捨てて上裸になった。

「何で奴は脱いだ?」
「知らねぇよ」
麗慈の疑問に真面目に答えてやるのも面倒な様子の京哉は適当に相槌のような返事をした。


 再び対峙した阿須賀とメタトロンの間では攻撃の応酬が始まっていた。地面を蹴って宙を舞った阿須賀は、メタトロンの腕を掴んで地面に組み付すと、勢いそのままに相手の背中に蹴りを入れる。先程までとは違い、阿須賀の攻撃が通っていた。負けじと腕を振り上げたメタトロンは、拳を阿須賀の顔面に向けて振り下ろすも寸前の所で空を切る。地面にめり込んだ場所に遅れて衝撃波が走り、土煙を上げながら大穴が開いた。
「アイツ手に何か持ってんな…」
京哉が目を凝らすと、構成員の一人が答えた。
「足の裏にも何か仕込んでるみたいなんスよ!卑怯な奴です!」
メタトロンが攻撃を外す度に地面が隆起し、足場が悪くなる。加えて、立ち上った土煙で視界が悪くなる中、ノーガードの殴り合いが始まっていた。
「打撃の後にもう一段ダメージが入る様に仕込んでやがんのか」
「何それ、どゆこと?」
相手の手の内を暴こうと目を凝らして呟いた麗慈に、ポカンとした表情の京哉が疑問符を投げかけた。
「…増幅装置と言えば身近な所に転がってんだろ」
察しの悪い京哉を他所に、構成員の一人が何かに閃いた様子だった。
「ハンネス機関…!?あんな事もできるンすか!?」
「可能性は無くないな」
単純な打撃音の増幅であれ程の威力は出ない。何か特別な改造を施した代物だろうと麗慈は考えていた。


 阿須賀はメタトロンの攻撃を受けた後、直ぐに距離を取って衝撃波の直撃を免れる。しかし、相手の方がリーチが長い為、次第に阿須賀の間合いが届かなくなっていった。
 阿須賀の首を掴んだメタトロンは、彼を地面に押さえ付けて拳を振り上げる。
「ちょこまかとウルセェ野郎だ!終わりにしてやるよ!」
メタトロンの拳が阿須賀の顔面に迫るも、彼の膝が鳩尾に入り一瞬首を抑えていた手の力が緩む。その隙に右ストレートで逆に相手を薙ぎ倒した阿須賀は、続け様にメタトロンの頭部目掛けて重い蹴りを食らわせた。
 反撃に出ようと力を込めたメタトロンであったが、足場の悪い地面でバランスを崩している間に阿須賀の踵落としが首の裏に決まる。


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 外庭全体が瞬時に静まり返り、戦況の行方を見届ける。舞っていた砂埃が次第に晴れ、そこには地面にうつ伏せで倒れ伏すメタトロンと息を荒げながら座り込んだ阿須賀の姿があった。
 構成員達は歓声を上げながら阿須賀のもとに駆け寄っていく。京哉と麗慈も安堵の表情を浮かべていた。


 しかし、その声は突如彼らの頭上から届いた。



「何やってんだよ馬鹿。だから友達は選べって言ったのにさァ?」


 壊れた縁側を屋根の上から覗き込んでいる一人の赤髪の少女。腰まで届く長いストレートヘアを風に靡かせながら、背中には細長いトランクケースを背負っていた。
 屋根の上から庭に飛び降りてきた少女は、縁側に立つ京哉の方を向きながらニコリと笑った。
「騒がしくしてゴメンね。アイツ、私の兄貴なんだけどさ。最近変な宗教にハマっちゃってたらしくって!友達の影響らしいんだけどー…そのせいでアンタの事殺す殺すうっさくてさ」
一方的に話し出した少女は、京哉の反応など気にせず更に続ける。
「あ、私はサンダルフォン、あっちは兄のメタトロンって言うんだけど…あんまこのコードネーム気に入ってないんだよねェ。天使の名前?だか何だか知らないけど、仕切りたがりが勝手に決めちゃってェー」

一方的な自己紹介をされるものの、重要な事は何一つ語られていない。
 アサルトスーツの男達とは比較にならない程の戦闘力。異端カルトが派遣した戦力と見て間違いないが、それでも執拗に京哉だけを狙おうとする理由がわからなかった。

「待て待て…で、何?僕を殺すって……何か恨まれるような事した?」
流石にいつ終わるかわからない話を全て聞くわけにもいかず、京哉は彼女の話を遮って尋ねる。
「あー、だから、アイツがハマってた変な宗教のー…ヤナミだっけ?友達だったのに、アンタが殺したってェー…」
矢波という単語が出てきた事に目を見開く。彼の事なら記憶にあるが、正確には殺した覚えは無い。彼は心中を図ったのだ。
「アイツは自分で用水路に流し込んだ水でお陀仏ンなったんじゃねーの?死体も確認できる状況じゃなかったから、その先は知らねーよ…」
すると、少女は目を丸くして数秒の後、手を叩きながら愉快そうに笑い出した。
「なーんだ!そうだったんだァ!勘違いってやつゥ?ゴメンゴメン!」
気味が悪い程底抜けに明るい性格の様で、屋根から軽やかに飛び降りてトコトコとメタトロンの方に歩み寄ると、彼の頭をガシガシと足で蹴り始めた。
「おーい!いつまで寝てんだァ!帰るよ馬鹿兄貴っ!」
すると、彼の指がピクリと動いて息を吹き返したように上体を起こした。そして、彼女の顔を確認すると、カッと目を見開いて怒鳴る。
「お前…どこ行ってたんだ!?」
「兄貴が勝手に突っ走っちゃうから、私チャリで来たんだよォ?めっちゃ大変だった!」
先程まで受けていた阿須賀からの猛攻がまるで無かったかのようにピンピンしているメタトロンは、元気良くすくっと立ち上がると、ボトムスについた砂を払いながらサンダルフォンの隣についた。


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「戦闘準備だ!俺はキョウヤ・ウガミを…「あー、それねェ。勘違いだったんだってさ。殺してないって」
妹からの意外な報告に、メタトロンは訝しげな表情を浮かべて京哉の方を見やる。敵の言葉を簡単に信用するサンダルフォンに対し、脳筋と思われていた兄の方が用心深い一面もあるようだ。
「殺してないだァ!?信者らの証言じゃ、ヤナミを追いかけて行ったのはアイツ一人って…」
妹の正面に出てにじり寄った彼は、彼女の表情が一変する様子を見逃さなかった。
「ヤナミは死んでないよ。私にもわかる」
それまでどこかヘラヘラとしていたサンダルフォンの口調の変化に気が付いた京哉と麗慈も息を呑んだ。


「でも帰るってどういう事だ?ミゲルの奴は俺に…」
「そのミゲルが呼んでんの!ガブリエルが見つけたらしいよ…楽団アイツらが血眼になって探してるお宝をね」
サンダルフォンの言葉に、京哉と麗慈は目を見開いた。楽団ギルドが長年探し続けている物…それは開闢の物語である第21楽章の楽譜スコアに他ならない。
 異端カルトに繋がる者から齎された最悪の情報を耳にしたからには、二人を逃す訳にはいかない。麗慈と頷き合った京哉は、ジュラルミンケースからフルートを取り出して手早く組み立てる。
「……お宝ねぇ…。お二人さん、もう少し遊んでいかない?その話もう少し聞かせて欲しいんだけど」
青白い光が周囲を包み込み、京哉は壊れた縁側の瓦礫を蹴って瞬時に二人との間合いを詰める。構えた太刀の切先が到達する間際、サンダルフォンをひょいと肩の上に担ぎ上げ、常人離れした跳躍力でそれを躱したメタトロンは隣の廃屋の屋根まで一気に移動していた。

「あ!伝え忘れる所だった……もし良かったら私達の仲間にならなーい?異端カルトはいつでも迎え入れる準備ができてまーす!」

兄に肩車された状態のサンダルフォンはニヤリと笑いながら楽しげに手を振る。次の瞬間には廃墟の屋根を次々と飛び移りながらあっという間に見えない所にまで消え去ってしまっていた。



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 強い風が吹き始めると青空が黒い雲によって覆われ、ポツポツと大粒の雨が地面に染みを作っていく。
 麗慈の方に向き直った京哉は、神妙な面持ちで口を開いた。
「……あの物言いじゃ、奴等は異端カルトの人間だな」
楽団俺らにコソコソとちょっかい出してた奴等が、遂に姿を現してきたか……っていうか、勧誘してなかったか?」

 麗慈の言葉に、京哉はふと先日の依頼を思い出した。
 異端カルトに捕らえられ、彼等の仲間として寝返った元旋律師メロディストの西野渡。新興オーケストラというだけあって、異端カルトにはまだ十分な戦力が揃っていないのかもしれない。
 しかし、そのような未完成な組織に楽団ギルドは脅かされてしまっている。実に不安要素しかない状況であった。



 外庭に出た麗慈は、構成員に抱えられた阿須賀の元に向かう。そして、頭の先からつま先まで一周ぐるりと観察すると、ポンと肩を叩いた。
「よし、健康体」
「結構ボロボロやんけ…ヤブ医者やろアンタ」
阿須賀のクレームを聞き流し、構成員達には彼を室内に運ぶように指示する。
「他に怪我人がいたら処置する。一箇所に集めてくれ」
そう言いながら阿須賀達と共に屋敷の中に戻った麗慈は、京哉に耳打ちした。
「今のうちに黒電話回収して来い。場所が割れてる今、意味あるかはわかんねぇけどな」
コクリと頷いた京哉は廊下を走って最奥の部屋に向かう。


 雨が本降りになる中、暗い廊下を突き当たりまで進み、障子戸を開けた。すると、本来そこにいる筈のない人間が床の間に据えられた黒電話の前に立っていた。

 京哉はその顔を良く見知っている。

「……志麻凌壱…」
肩から真っ黒なコートを羽織って立ち尽くす凌壱は、京哉が名前を呼ぶと嘲笑うような表情を見せた。
「出鱈目な力を持った音楽家を使って猫探しから人殺しまで何でも請け負う会社があるんだってな」
畳を踏みしめながら部屋を一周した凌壱は、京哉の前に止まると黒電話の方を顎でしゃくる。
「この電話がお前らと繋がる手段だとは知らなかったな……ミゲルの依頼を受けるまでは」
その名には聞き覚えがあった。先程去って行ったサンダルフォンが口にした名だ。
楽団ギルドが情報伝達に使っている手段を炙り出せ……そう言われて東京中探し回って見つけた黒電話の場所を教えてやったら、大喜びだ。これからも宜しく頼む、だってよ」
ジャックを掌握されるキッカケを作ったのは、目の前にいる凌壱だったのだ。その所為で遍玖会も甚大な損害を被ったというのに、彼はクツクツと笑っている。
「……自分の家壊されて笑ってる狂乱野郎にお会いできるとは思ってなかったな。アンタ、居場所無くなるぜ」
「親父は遍玖会を阿須賀に継がせると遺言書に書きやがったからな。俺は元々出ていくつもりだった」
畳の床を軋ませながら障子戸を開けた凌壱は、最後に一言言い残す。
「価値の無ェ場所に用はねぇからよぅ」
自分の父親が大切に守ってきた組織を危険に晒し、いとも簡単に捨て去った男。3年前に京哉が彼に捕えられた時とは比べ物にならないほど、より狡猾に、凶悪に変貌しているように思えた。
 その足音が遠ざかっていくと雨が激しく瓦屋根を打ち付ける音だけが部屋に残され、虚しさと共に言いようのない怒りを感じた京哉は静かに拳を握り込んだ。



…………………………………………………………………………………



 湯河原町、託斗の別荘が位置する山間部は高齢者の住宅が数件残るのみの限界集落となっていた。
 舗装されていない荒れた砂利道を進むのは、鬼頭が運転するグランドキャビンのワゴン車。後輪で泥水を跳ねながら山道を登った先の少し開けた土地に、茅葺き屋根の古民家がひっそりと佇んでいた。
「此処が京ちゃんが昔住んでた家かぁ…」
祐介がぼんやりと呟くと、茅沙紀が窓から民家の敷地を見渡した。
「何だか妙に手入れが行き届いてますね…お庭も綺麗にされてるし」
確かに、とナツキとフユキが声を揃える。
 ワゴン車の後ろをバイクでついてきた梓は、速度を落としながら軒下に停車すると、ヘルメットを置いて玄関前に立った。
「ひっどい雨ー!早く中入れてよ託斗ーっ!」
びしょ濡れの梓がワゴン車の方に向かって大声を出すと、古民家の玄関が突然開き中から老夫婦が姿を現した。誰もいないと思っていた場所に現れた人影を見て、化け物にでも遭遇したかのように驚いた梓は悲鳴を上げる。
「お待ちしておりましたよ、皆さん」
ワゴン車から降りてきた面々を、老爺が和かに出迎える。それに続いて傘を持った老婆がタオルを差し出してきた。



 趣のある居間に案内され、中央の囲炉裏を囲んで老夫婦が用意した座布団に座る。遅れてやってきた梓は首からタオルをかけながら託斗の後頭部を引っ叩いた。
「住んでる人がいんなら先に言えよ!驚き過ぎて心臓止まるかと思ったわ!」
「ごめんってー…お二人は楽団ギルドが要請した協力者で、16年間ここに住んでもらってる。空き家になると家が荒れるし行政からの調査が入りやすいから」
並んで居間に入ってきた老夫婦は笑顔でお辞儀した。
松川洋司マツカワヨウジと妻の佳苗カナエです」
老夫婦に合わせて全員で頭を下げる。
楽団ギルドとの連絡が取れるようになるまでは此処を拠点にする。京哉達と合流したら夜の見張りの順番を決めよう」
解散の合図と共に思い思いの場所にばらける面々の中、託斗は梓を手招くと老爺と共に三人で居間を出た。

 水回りの空間を挟んで一番端の部屋の前で立ち止まった老爺は、廊下に正座してそっと襖を開けた。8畳程の空間は綺麗にリフォームされて新たな畳が敷かれており、井草の良い香りが漂う。
「奥様がお亡くなりになった部屋だと聞かされています」
老爺が静かな口調でそう告げると、託斗と梓は部屋の中に進んでいった。部屋の奥に進む程、古い建材が残っている。恐らく、血痕が残っていた部分は全て新しくされているのだろう。部屋の半分を取り替えねばならない程の悲惨な死に際を想像し、託斗は目を細めた。


…………………………………………………………………………………



「託斗、コレ…」
梓が仏壇横に並べられているアルバムの中から1冊を手に取って託斗の前で広げた。京哉が日本に来てからの日常風景の写真と共に、シエナが直筆で書いたドイツ語のメモが添えられている。
「こうやって、あの子の成長する姿を残してくれてたんだね。大雑把な人だと思ってたのに几帳面な所もあるんだ…」
梓は感心しながら写真の数々に目を通す。
「初めてフルートに触った日……って、こんな小さい手じゃ握らないとキー押せないじゃん。シエナも気が早いなぁ…」
それは、おしゃぶりをしながらフルートを両手で抱えている京哉の写真。生後8ヶ月の頃と書かれていた。微笑ましい写真を眺めて表情を綻ばせる梓。彼女は自分の知らないシエナの一面に大層感心している様子だった。
「シエナは大雑把だよ。面倒臭がりだし、ズボラだし…。でも、頑張って母親やってくれてたんだなってわかるよ」
並んでいた他のアルバムを眺めていた託斗の表情は、嬉しそうでもあり、同時に悲しさも帯びている。
「……そうだね」
手に持っていたアルバムを元の場所に戻した梓は、妙に薄い一冊を取り出して表紙を開ける。そこには、20年以上前に撮ったであろう託斗とシエナの写真が収められていた。
「わっか!!!やっぱこうやって見ると、アンタも老けたよね…この時いくつ?」
梓からアルバムを取り上げた託斗は彼女から中身が見えないようにしながら写真を確認する。
「結婚したのは僕が18でシエナが24の時だから、その辺だろうね。うわぁ…本当だ……やっぱり顔が良いって得だよね」
「性格は腐ってるけどね」
ジト目で託斗を睨んだ梓は、老爺の方に向き直った。
「シエナのその後に関して、何か情報は?」
静かに首を横に振った老爺は仏壇の方を見詰めながら答える。
「遺体は警察が持ち出してしまった為、しっかり火葬がなされたのかすらわかっていません。ただ…奥様がお使いになっていたフルートは、楽団ギルドの調査班が神奈川県警に潜入した際に持ち出して来たもので…」
そう言いながら室内に入った老爺は、押入れの中からフルートのハードケースを取り出して託斗に手渡す。
「これは旦那様がお持ちになっていてください」
光沢のある表面を撫でた託斗は、首を横に振りながらそれを仏壇の前に置いて手を合わせた。
「コイツが必要なのは僕じゃない。また後で来させてもらうよ」
踵を返し、梓の腕を引いてその部屋を後にする。
「良いの?シエナのフルート持って帰らなくて」
梓が訝しげな表情で尋ねると、愉快そうに笑いながら答えた。
「楽器は演奏されてこそだ。僕が貰ったらただのコレクションになっちゃうだろ?」
託斗の答えを聞いた梓は彼が何を考えているのか悟ると、納得した様子で口元に笑みを浮かべた。そして、すっかり陽がくれて足元も覚束無い廊下を歩きながら、玄関の磨りガラス越しに入り込んできたヘッドライトの眩い光に目を細めるのだった。




[21] Tutti 完
 
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