MELODIST!!

すなねこ

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#080 Furioso Ⅲ

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東京都・26歳男性「異世界に飛ばされてきたなんて言ってたから、コイツいよいよ頭おかしくなったのかと思ったけど最初からおかしかったなそう言えば。ドッキリにしては手が込んでたし貴重な経験出来たと思えば…」


…………………………………………………………………………………




 此処は何処だ?

 彼が目覚めた時最初に抱いた疑問である。
 全く見覚えの無い風景。若者の往来の中、ポツンと立っていた京哉。
 纏っていた筈の白い燕尾服はカジュアルな紺色のパーカーと黒いスラックスに変わっている。ミーアの血がこびりついていたエナメルシューズは軽い生地のスニーカーになっていた。


 これは夢か?


 しかし、夢にしてはあまりにも現実味を帯びている描写である。
 すれ違う人々の顔は表情まで全て鮮明であり、笑いながら話す声や環境音も現実そのものだ。

 足を前に出せば普通に歩ける。キョロキョロと周囲を見回しながら、取り敢えず人の流れに従って前進していく京哉。


「右神先輩!今から帰りですか?」


聞き覚えのない女の声に呼び止められ、思わず踵を返した。二人組の若い女達。背中にはサックスのハードケースを背負っている。楽団ギルドの人間だろうか?

「あーあ、先輩も来年の春には卒業しちゃうんですね…残念。追いコンのチケット、しっかりゲットしましたからね!めちゃくちゃ前の方の良い席!」
「演奏聴くならもっと後ろにしなってアドバイスしたんですけど、コイツ右神先輩の顔見えないと意味ないなんて言うから…」

彼女達の会話の内容はあまりにも理解不能であった。卒業?追いコン?一体何の話をしているのか…。

「……ごめん…今日って何年の何月何日?」

唐突な質問に女達は目を点にする。そして、お互いに顔を見合わせてから京哉の質問に答えた。

「2167年の12月⬛︎⬛︎ザザザザ日ですよ」
「……え?」

日にちの部分だけ何故かノイズが走ったように聞き取れない。

「12月⬛︎⬛︎ザザザザ日ですってばー。どうしたんですか?一体…」

やはり、日にちだけは聞き取れない。奇妙な現象にやはりコレは夢なのかと小首を傾げる。

「場所は?…此処どこ?」
「何ですかその質問ー!私たちの事揶揄ってる?」

決して揶揄ってる訳ではない。しかし、京哉のその質問は彼女達にとってあまりにも不可解なものだったのだ。

「東京芸大の上野キャンパスじゃないですか!」

 東京藝術大学…名前だけは聞いたことがある。改正憲法施行後の音楽等禁止法によって真っ先に取り締まりの対象になっていた音大の一つだ。

「もしかして先輩、タイムリープしてきたぁ?ちなみに先輩は器楽科の4年生で将来有望なフルーティストですよ」
「え、めっちゃウケる!何言ってんのマァ子!」

ギャハハと笑い合う女達。京哉は一人困惑していた。やけに設定の細かい夢だ。




…………………………………………………………………………………



 女達と別れた京哉は、再び一人で行く宛もなく歩き出していた。
 どう考えても夢の中の世界なのに、定番の『頬をつねる』を本気でやってみると確かに痛い。痛いという感覚もあるし、12月ということもあって寒い。

 大学の敷地を出て道なりに歩けば、道路には多くの車が行き交っている。嗅ぎ慣れない排気臭もする。

 まるで別の世界に飛ばされてしまったかのようであった。何もかもが、京哉の知っている日本の姿とは異なる。



 そんな、知らない世界の中で次に耳にしたのは聞き覚えのある声であった。


「なに間抜け面で歩いてんだよ…」


 シャーっという聞き慣れない音と共に京哉に近付いてきたのは麗慈であった。彼も同じようにカジュアルな服を着ている。

「…何それ?」
「あ?言ってなかったか?交通費節約しろって言われてチャリで最寄りまで通勤してんだよ今。研修医だからって舐めすぎだろあの外科部長…」

見た目は麗慈そのものであった。しかし、やはり会話の内容は全く理解できない。研修医?ここは日本の筈。彼が研修医をやっていたのはオーストリアだし6年程前の話になる。色々と話が噛み合わない。

「い、今…何処の病院にいるの?」
「は?何を今更……東大出てそのまま附属病院だろ」

東大!?と思わず素っ頓狂な声を出した京哉の頭を思い切り引っ叩く。

「痛いっ…!夢じゃない!!何ココ!?アンタ誰!?麗慈じゃないよね!?何で同じ顔してんの!?」


急に取り乱し始めた京哉を見て通行人達が騒めき始める。この場に居ては変な注目を浴びてしまうと、麗慈は京哉をキャリアに乗せて目一杯ペダルを漕ぎ始めた。






 どうやらこの世界でも京哉と麗慈は幼馴染らしく、実家は同じ団地だという。今は一人暮らしをしているらしいがこの日は実家に帰る予定であったという彼と一緒に電車に乗って移動することになった。
 しかし当然通貨の持ち合わせは無く、苛立つ麗慈から全額借りて切符を買う。日本の駅で切符を改札に通すのは初めての経験であった。


 乗り継ぎを挟んで電車に揺られる事1時間半。八王子駅に到着した二人は、駅前でバスに乗り換えて団地に向かう。
 道中、常にビクビクしている京哉の腕を引っ張ってようやくたどり着いた都営団地。この場所は京哉も知っていた。梓が生前、隠れ家として使っていた廃団地である。
 階段を登る途中、幼児を連れた母親とすれ違う。子供の手には音の出るオモチャが握られており、パフパフという気の抜ける音が団地中に響いていた。

「あの子大丈夫かな?警察に見つかったら…」
「何言ってんだお前……っていうか、お前は3階だろ。何で着いて来るんだよ」

人差し指でクイッと下の階を指し示す麗慈であったが、京哉はここで一人きりになってしまっては困るのだ。


…………………………………………………………………………………



 結局麗慈の実家だという最上階の部屋まで着いてきた京哉。ガチャガチャと鍵を回して中に通されると、玄関から真っ直ぐに伸びる廊下の向こう側にまたもや知り合いの顔を発見した。
 そこには、死んだ筈の梓の姿があったのだ。

「あ…梓さん!?」

またもや声を裏返らせて驚く京哉に、麗慈は眉を顰めた。
「おい、人の母親を名前で呼ぶ奴がいるかよ…。アンタも満更でも無い顔すんな」

麗慈の言葉に、京哉は耳を疑った。梓が彼の養母になった事は、京哉が日本に渡ってきた時に聞かされていた。しかし、今の口ぶりではまるで……。

「お、お母さんってその……なんて言うかホラ、血の繋がりは無いよね?」
「は……?何言ってんだお前?」

 やはり、何もかもが京哉の知る世界とは異なっている。
 音大に音の鳴るオモチャ…音楽等禁止法はどこにいった?
 麗慈は何故日本で勤務医をしている?
 排気ガスの出る車なんて何十年も前に全て廃車になったのではないか?

 此処は何処だ?何が起きている?夢の中なら如何してこんなにも感覚がリアルなのだ?



 ゆっくりしていけと上機嫌の梓のお言葉に甘えて麗慈の部屋に二人で入る。
 当然だがオーストリアでの彼の部屋とは内装も置かれている物もまるで違う。ヴァイオリンスタンドも見当たらなかった。

「麗慈……変な事言っても良い?」


変な事。その言葉を使うには、あまりにも真剣な面持ちである。ふざけている様子の無い人間を揶揄うような麗慈ではない。「なんなりと」と答えてからはキャスター付きのデスクチェアに反対向きに跨って背もたれに腕を組んで静かに京哉が話し出すのを待つ。



「…石油が枯れて、音がエネルギー資源の中心になる時代が来たとしたら、世界はどうなると思う?」



 京哉の問い掛けに、麗慈は暫く考え込んだ後に静かな口調で答えた。

「例えば音で電気が作れるようになったら、そんなのはすぐ武力転用されるだろ。音楽なんてのは真っ先に取り上げられて、政治家連中がその利権を独占するかもな」

実に聡明な彼らしい答えである。京哉のいた世界の実情を言い当ててしまった。彼はこの世界でもこういう奴なのだ。仮定の話でも真剣に対話してくれる。

「……嘘付きだって笑われても構わないから言うけどさ…僕はそういう世界から来たんだ。目覚めたら何故か大学生になってた。僕はあっちの世界では楽団ギルドっていうオーストリアの会社に勤めてて、世界中から寄せられたアングラな依頼を解決するエージェント……旋律師メロディストって呼ばれてる」

俯きながら早口で述べた京哉は、恐る恐る顔を上げる。麗慈は先程と変わらず彼が話した内容を頭の中で整理している様子だった。



…………………………………………………………………………………




 チクタクと壁掛け時計の秒針が進む音が静かな室内に響いていた。組んだ腕の上に頭を伏せてジッと何かを考え込んでいる様子の麗慈。

「…つまり、お前は俺の知ってるお前じゃないし、元の世界…メチャクチャな状態になってる東京に帰りたい…と」
「そう…だね……」

バッと顔を上げた麗慈は未だ半信半疑な様子ではあったが、京哉の顔を見てコクリと頷く。それはどういう意味の動作なのかと緊張した面持ちで息を呑む京哉を見て、眉尻を下げながら困り顔を見せた。

「何だよ、その顔……俺に爆笑されるとでも思ったのか?」
「じゃ、じゃあ……僕が帰る方法…一緒に考えてくれる?」

パァっとあからさまに明るくなった京哉の表情に、現金なやつだと苦言を呈しながら立ち上がった麗慈は仕事で使っている四角いリュックからノートパソコンを取り出した。


「お前の世界にあってこっちに無いものを洗い出していけば、何か答えに繋がるかもしれねぇ。なんでも良いから言ってみろ」

麗慈の案に乗り、京哉はウィーンのリング通りにある楽団ギルド本社屋の住所を入力した。
 表示された写真付きの地図。建物がある筈の場所は公園になっている。

「……無い…!」
「その楽団ギルドって会社に俺もお前も所属してるんだろ?今の段階で全く違う所で別の事してる訳だから、納得できるよなコレは」

楽団ギルドが存在しない世界。ロジャーが最初にこの会社の前身となる組織を作ったのは、世間の鼻つまみ者達の受け皿になる為だと聞いた事があった。
 つまり、旋律師メロディストのような人間が存在しない、または世に出る事なくひっそりと静かに暮らし続ける事ができているのかも知れない。


 次に京哉が入力したのは、都野崎仁一の名前であった。彼はこの世界でも存在し、共産党議員をやっているのだという。

「右寄りの発言が目立つ議員であまり人気は無ェぞ」
「……この人、僕の世界では日本の総理大臣やってマス」

呆れ顔で答えた京哉に、麗慈も絶句する。


 そして、梓のように死んだ人間が生きている世界ならば…と、彼の名前を検索してみた京哉。

「…オルバス……シェスカ?」
「悪い事して処刑されたオルゴール造形師なんだけど……あ、コイツも生きてんのか……」

オルバス・シェスカはこの世界でもオルゴール造形師をしていた。しかし、彼にまつわる記事は地元の小さな展覧会に関するものやコンクールでの受賞歴ばかりで、犯罪を犯したというニュースはどこにもない。
 そこまで有名という訳でもなく、検索結果は全てに目を通せる程少ないようであった。

 しかし、その中で1件だけ気になる内容が存在した。

「循環器系学会の活動報告……何でこの記事がオルバスの名前で出てきたんだ?」
「参加者一覧に名前が乗ってたんじゃないのか?こんな専門的な記事が世に出回るなんて不思議だが…」

本来ならば関係者の間に配布される会報であろうと麗慈は予想していた。案の定、リンクをクリックしてもログインページに飛ばされるだけで内容を確認する事はできない。

 しかし、妙にこの記事のことが気になってしまった京哉は何とか閲覧出来ないかと言い出す。

「無理だろ……ログインはこの循環器学会ってのの会員しかできないし。あ、でも……もしそのオルバスって奴が珍しい症例を持っててって事ならワンチャン……。日本では珍しいが、海外では同じ難病を抱えた患者家族同士が団体を作って研究資金の援助を募るなんてのはよくある話だからな」

京哉からノートパソコンを取り上げた麗慈は、キーボードを叩き始めた。

…………………………………………………………………………………


『シェスカ 循環器 患者団体』

3つのワードを検索窓に入力し、再度検索を実行する。

 すると、2件の記事と3枚の画像がヒットした。

「…拡張型心筋症を抱える子供達を救う会……5年程前に書かれた内容だな」

マウスパッドを操作しながら内容を確認していく麗慈。ドイツ語で書かれていた記事を京哉も隣で読んでいた。

「…お前、ドイツ語わかんのか?英語も赤点ギリギリだって高校生ん時泣きついて来た奴が…」
「え!?この世界の僕ってお馬鹿なの!?英語どころかドイツ語もフランス語もイタリア語もペラッペラなんだけど?」

えぇ……と驚愕している様子の麗慈を横目に、京哉は画面に視線を戻した。





 2162年12月24日。病棟でクリスマス会を開催しました。みんなでプレゼント交換をしたり、お歌を歌ったりして楽しく過ごす事ができたね。


 どうやら記事の内容は5年前のクリスマス頃に患者団体で開催した病院でのクリスマスパーティの様子であった。
 概要コラムを読むと、この団体は拡張型心筋症という心臓の難病を抱えた子供達を応援しようという患者家族たちによって設立された組織という事である。
 そしてこの活動報告は患者家族によって持ち回りで執筆しているらしく、検索結果に出てきた2件の記事の筆者が『ソフィア・シェスカ』であった。

「このソフィアっていう人物に心当たりは?」
「……いや…でも結構珍しい苗字だとは思うから近しい人間の可能性はあるな…」

画面をスクロールし、最終行に辿り着く。そこには、団体が事務所を構える場所の住所と寄付金受付に関する問い合わせ先電話番号が記載されていた。

「どうする?ダメ元で一度連絡してみるとか?」
麗慈がリュックの中から携帯端末を京哉の目の前に寄越した。当然ながら楽団ギルド社給のPHSではない。

 国際電話になるから手短に済ませろよと忠告を受け、京哉は手に取った端末の画面に団体の電話番号を入力する。
 ドゥルドゥルと大きな電子音が続いた後にガチャっと受話器が持ち上がる音が聞こえた。

『はい、こども心臓病支援団体寄付金募集案内センターです』

掛かってしまった…妙な緊張感を覚えた京哉は息を呑み、吃りながら話し始める。

「え…えっと……少しお伺いしたい事がございまして…」
『はい、なんなりとー』
少し食い気味に返事をする女。彼女がソフィアなのだろうか。
「……ソフィア・シェスカという方とお話したいのですが…」
ソフィアの名前を出した途端、電話口の相手は急に押し黙ってしまった。いきなり個人の名前を出してしまったのがいけなかったのだろうか。警戒されてしまったかもしれない。慌てて取り繕う京哉。
「あ、あのですね…あ!そうだ!シェリアーナ・シェスカっていうメス…女の子と僕、仲良くてですね…あーえっと…連絡取りたいと思ったんですがあの子に繋がりそうな連絡先がこの番号しか思い当たらなくて……」
ソフィアという人物との関連は不明だが、咄嗟に頭に浮かんだシェリーの名前を出す。すると、女は「あぁ…」とどこか暗い雰囲気で相槌を打ってきた。
「わかりました。そういう事でしたら……こちらから先にソフィアに連絡を取りますから、この番号に折り返すように言っておきますね」
ただ、電話が必ずしも掛かってくる保証は無い、と最後に付け足される。


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 ホッとした表情で携帯端末を目の前のローテーブルに置いた京哉は、自分の方をジッと見ている麗慈に気が付いて眉を顰めた。
「…な、何?」
「いや……本当にドイツ語ペラペラなんだな。現地人と普通に会話してるし…」
正直先程の発言は嘘だと思っていたという彼。話を聞いてみると、この世界の京哉は勉強というものがまるで出来ず音楽推薦で高校も大学も合格したのだという。
 本人も学業という面ではからっきしであったが、エージェントとして身に付けた語学に関してだけ言えば相当な自信があった。
「え!?僕の方が言語能力高い?麗慈よりも?」
「まあ、目の前のお前はな」
14歳で大学医学部まで飛び級した神童に自分よりも上だと言われ、京哉は鼻高々といった自慢げな表情を見せる。
 そんなやり取りをしているうちに、麗慈の携帯が着信を受けてブルブルとローテーブルの上を振動し始めた。画面に表示されているのは見知らぬ長ったらしい番号。国際電話である事は確かだ。

「はいっ!右神です!」

営業電話バリに元気良く出た彼の耳元に、女のクスクスと笑う声が聞こえる。

『ごめんなさい…あまりにもハツラツとしてたから面白くて…。娘の事でご連絡いただいていたソフィア・シェスカです』

娘…やはり、ソフィア・シェスカという人物はシェリーの母親であった。
 ようやくオルバスの関係者に繋がった訳だが、シェリーから聞いた話とこの世界での彼らの家族関係が同じであればソフィアとしてはあまり心地の良いものではないだろう。そもそも、元の世界ではシェリーの母親は死亡していた筈だ。

「突然すみません。娘さんと仲良くさせてもらってるんですが、連絡取れなくなってしまって…」
『何処でお知り合いになったのかしら…あの子、病院から出た事無かったんだけど…』

ソフィアの返答に京哉は耳を疑う。確かに難病を抱えた子供の為の団体に電話を掛け、ソフィアと繋がった訳だが病で死んだのは彼女の方だった筈だ。それにしても、シェリーがずっと病院にいたとはどういう事だろうか。

「えっと…病気なんですか?」
『ええ。拡張型心筋症と狭窄症を併発してしまってね…手術も何度か乗り越えて頑張ってくれたんだけど、13歳の時に状態が悪くなってね。現代の技術ではどうにもならないという所まできちゃって…』

 頭の中で彼女の言葉の意味を反芻するが、京哉は素直に受け入れる事ができなかった。あんなに元気なシェリーが、どうして病気など…。
 しかし、京哉は思い出す。目の前にいるのは麗慈であって麗慈ではない。死んだ筈の梓も生きている。此処は現実ではないのだと。

「…それで、彼女は……」
状態が悪くなり、それから…本当はその続きなどフィクションでも聞きたくなかった。
『………コールドスリープって知ってるかしら。簡単に言うと人間を低体温状態にして病気や寿命の進行を止めて保管するの。未来の医学に託しましょうって……大学病院や循環器学会の方とお話をして決まったの』

 コールドスリープ。人間の体温を大幅に下げることによって代謝を低下させ、生命活動を休止状態に近づける技術である。第6次オイルショック以前は度々大富豪の高齢夫婦が自らの体をコールドスリープさせてニュースになっていたようであった。
 しかし、環境維持にかかるコストや安全面を考慮して最近では話題にすら上がらないキーワードであった。

「……それじゃあ、亡くなった訳じゃ……」
『そうね…今の所は…。でも、あの子の体を低温状態で維持するのにかかる費用は全て寄付にお願いしているの。だから、もし何かのトラブルでその寄付が打ち切られてしまったら…』

段々と声が小さくなるソフィア。資金援助によって維持されている命。どこかで聞いたような話だ。そしてふとそこから不穏な事に気がついてしまった京哉は、ソフィアに尋ねた。

「…ちなみに、資金援助をしている団体について教えてもらう事ってできますか?」
『ええ。循環器学会でも大々的に論文発表があったみたいだからね。世界政府ってわかるかしら?』

京哉の嫌な予感は的中してしまった。

 

…………………………………………………………………………………



 ミーアがシエナの脳を維持保管する為に世界政府をアテにするよう差し向けたのはオルバスであった。そして、ソフィアの証言ではシェリーをコールドスリープさせ続ける為の資金援助もまた世界政府が行なっていると言うのだ。
 そして、肝心なのはコールドスリープが始まった時期。零式自鳴琴製作のずっと後である。


 こうは考えられないだろうか。

 オルバスが零式自鳴琴を造り出すに至った過程。そこでは、一人娘の命を繋ぐ為の重大な選択を余儀なくされていた。
 零式自鳴琴のフォルムや詳細な設計、その壮大な構想、搭載する武器種…諸々が、一オルゴール造形師の技術力の範囲を軽く超越しているのだ。
 オルバスはもしや、終末兵器製作計画に加担する代わりに娘を守る為の資金援助をされていたのではないだろうか。

 しかし、ここで一つの疑問が発生する。
 これまでの仮定が全て正しかった場合に限るが…そうなると、京哉の知っているシェリーは一体誰なのだ?という話になるのだ。



『ねぇママ、もう出発しないと映画始まっちゃうよ?』


 その時、電話口から一人の少女の声が聞こえてきた。その声は京哉にとって大変聞き覚えのある物……。彼は混乱する。シェリーは病気でコールドスリープされているのではなかったのか?この声は?一体あちらの世界のシェリーは誰なのか。

「ソフィアさん……今の声は…?」

京哉が静かな口調で尋ねると、ソフィアは返事を躊躇っている様子だった。この沈黙こそが彼の疑問を解決する鍵だと直感し、更に問いただす。

「…その子も……シェリーなんじゃないんですか?」
『っ……そ、そろそろ時間が…』

やはり回答となる言葉は得られない。電話を切ろうとしたソフィアに、最後に一つだけ聞きたいと言って通話を繋ぎ止める京哉。

「……シェリーがコールドスリープから目覚めるのは何年後になると言われていますか?」

再び流れる沈黙。
 京哉は二人のシェリーの謎の答えを既にその目で何度も目撃している。
 それは、日本政府と異端カルトが零式を模して作った弐式自鳴琴。アレはシエナの脳を人工的に再現した擬似脳を子供の死体に埋め込んで動力源となる音エネルギーを生み出し、自走するという構造をしていた。
 擬似脳の作成。もし、シェリーの脳を再現した擬似脳を埋め込んだ人間が今ソフィアの後ろにいる少女だとしたら…。
 その少女の身体は、事故や病気で脳死したまったく関係性の無い他人のものだとしたら…。
 それはオルバスやソフィアにとっては、自分達の育て上げてきたシェリーの延長線上を生きる生命体ということではないのか?




「……あの子の病気はね、本当に色んな難しいものが複雑に絡み合ってるそうで…うまく研究が進んだとしても120年はかかるんじゃないかって言われてるの」

ソフィアの回答に、京哉は自分の妄想が現実味を帯びたのを感じた。


 娘に先立たれる悲しみを回避したシェスカ夫妻に待ち受けていたのは、彼らの命が続くうちに娘と再会できないという虚しさであった。
 どうにかして同じ時間を生きる事はできないのだろうか。そんな二人が辿り着いた答え…それが、2人目のシェリーを迎え入れることである。
 どのような方法でそれを成し遂げたかは、本人達が証言しなければわからない。ただ京哉の推測通りならば理論上は可能であった。

 娘を失いたくないという切なる願いはいつしか深い業となっていったのだ。

 そして、全く見ず知らずの少女の身体を譲り受け、自らの娘の擬似脳を入れる行為はまるで命を切り貼りするような罪深さであろう。
 倫理観、道徳観それら全てを投げ打ってでもシェリーを手に入れたかった。


「わかりました。今日はお電話できて嬉しかったです。ありがとうございました」

潔く電話を切った京哉。



…………………………………………………………………………………



 此処は自分が生きていた、シェリーと共に生活していた世界ではない。夢なのだ。何を真剣に怒ろうとしているんだ。
 爆発しそうな感情をどうにか抑え、携帯端末を麗慈に戻す。

「何かわかったか?」
「いや…わかったのかなー……余計な情報が入っただけのようにも…」


 麗慈からノートパソコンを奪って京哉が最後に検索を掛けようとした言葉は『ハンネス機関』である。

 しかし、その言葉は頭の中に思い浮かぶのに何故かどう表現したら良いのかわからなかった。言語化できないナニカ…頭に靄が掛かったような気持ち悪さだけが残る。
 口から発音しようとしても、ノイズが邪魔をして言葉にならない。

 先程女子大生達と会話を交わした時も同じような現象が起こっていた。

「…麗慈、今日って何日?」
「12月⬛︎⬛︎ザザザザ日だろ」

やはり、彼に聞いても結果は同じだ。それでは聞き方を変えるしかない。

「昨日は?何日?」
「何かのなぞなぞか?昨日は12月29日」

 時間軸は京哉が元いた世界と同じであった。自分でも12月30日、と口に出そうとするが何故か言葉にできない。



「……あのさ、麗慈。また変な事言うんだけど……僕、今日の日付を口に出して言えないんだ。理由はわからない。あと、僕がいた世界ですごく重要な役割を果たしてたナニカについても…頭にノイズが走って言語化できない…」
普通の人間にこんな事を相談すれば、間違いなく医者に診てもらうように勧められるだろう。しかし、彼はその医者だ。どんな反応をするだろうか。両方の拳をギュっと握りながら麗慈の返答を待つ。


「……憶測だが…存在しないモノは口に出せないんじゃないのか?例えば、足が8本もあるフニャフニャした海の生き物…って言われた時思い浮かぶのは何だ?」

突然始まったクイズに驚きながらも、京哉からはすぐに回答が出る。
「た、タコ?」
「そう…タコって生き物がお前の世界にもこの世界にも存在するから言語化できる。ただ、仮にお前の世界に胴体から顔が5つ飛び出てる二足歩行の獣がいたとするだろ?今この世界に来てるお前はソレを何て表現する?」
「わ、わっかんねーよ!そんな生き物いねーし…」

気味の悪いクリーチャーを想像した京哉は文句を垂れる。

「だから、今目の前にいるお前はこの世界の人間って事だ。俺の言った変な生き物の固有名詞を知らねーんだよ。言ってみれば、そうだな……コッチの世界の体を一時的に借りてる?ような感じか?」

 あっちの世界の人間がコッチの世界で活動するには制約があるのだ、と続けた麗慈。難しい事を言われても困ると床の上に五体投地した京哉は、先程麗慈の立てた仮説を思い出す。

 存在しないモノは言葉にできない。

 固有名詞だけの話であれば納得がいく。ただ、12月30日という日付を言葉にできないのは何故だ?確かに存在する筈なのに…。




「もし、今日…地球がパカッと割れてこの世界が滅んだとしたら、12月⬛︎⬛︎ザザザザ日は存在しないって、ことになるかもしれねーけどな」



 冗談半分に麗慈の言った言葉が妙に引っ掛かった。


 自分は何をしていたんだ?
 何故この世界に飛ばされた?

 ケースの中のフルートは何の為に?
 誰の為に演奏をしていたのか?



 頭の中を駆け抜ける疑問の数々。
 年の瀬だというのに額に汗を滲ませる京哉を見て暖房の温度を下げようとした麗慈。エアコンのリモコンを手に取ってピピっとボタンを押す。

…………………………………………………………………………………


 その時、京哉の頭の中に何かが閃いた。そして、徐に立ち上がると麗慈の部屋の中をウロウロと何かを探す様に動き回る。
「今度は一体何なんだよ」
一頻り部屋を歩き回った京哉は理解した。この部屋ではハンネス機関が無いのに電気を使っている。
「………電気だ……そうだよ!麗慈、この部屋ではどうやって電気を使ってるの?」
「電気?そりゃ、発電所で火力発電したやつを送電線で……」



 麗慈の回答によって確信した。此処はハンネス機関が生み出されなかった世界なのである。
 そして、現実では無い。

 ハンネス機関が生み出されなかった世界には12月30日が存在しない。

 きっとハンネス機関が存在する世界においても12月30日は存在しないのであろう。



 今日、世界が終焉を迎えるのだから。




 何によって?…そんなのはわかり切っている。零式自鳴琴だ。全ての土地と生き物を焼き尽くし、地球の人類史は幕を閉じるのである。

 まだ自分がこの世界で動き回れているという事は、零式による攻撃が始まっていないのだ。あれだけの巨体である。パワーを溜め込むのに時間が掛かるのかもしれない。
 ただ、悠長にはしていられなかった。いち早く戻らなければならない。世界が終わろうとしている時に、こんなぬるま湯に浸かっている暇など無いのだ。



「…麗慈、助かった。ありがとう……この礼はコッチの世界の僕にお願いして」
部屋から出ようと駆け出した京哉に続いて麗慈も後を追う。
 自室から出てきた二人を目にした梓が晩飯を食っていけと言っていたが、今日はどうしても無理なのだと平謝りをして玄関を飛び出した。



 外は既に暗くなり始めており、時刻は間も無く17時を迎えようとしている。


「京哉、何処行くんだよ?」
「…さっきさ、楽団ギルドの場所について検索しただろ?多分、この世界の何処かにも存在するんだよ…」

存在しないものは言語化できないという制約ならば、楽団ギルドは存在している筈であった。

「僕も父親も…その組織と根深い関係だから、僕の家に行けば何かわかるかもしれないと思って!」

階段を一気に駆け降り、3階に戻る。305号室だと教えられて足早に廊下を歩いていると、玄関前に季節外れの甚平姿が見えた。

「…親父だ!じゃあ、またな麗慈!コッチの僕の事も宜しく!」
「親父?何も見えな……」

何も見えない場所に走っていく京哉の背中を眺めながら、麗慈は何故か楽しげな表情を浮かべていた。

「ソッチの世界の俺の事も頼んだぞー」

背中を向けたまま右手を振ってくる京哉から視線を逸らし、彼は元来た廊下を戻っていった。




…………………………………………………………………………………




 近付いた瞬間に光になって散り散りに消えてしまった託斗。その粒子が吸い込まれていった玄関のドアを勢い良く開ける。

 敷居の向こう側へと一歩足を踏み入れた京哉は、室内の内装が先程麗慈の家で見たものとは尽く異なっている事に気がつく。

 そこは、部屋の半分以上が赤黒く汚れた畳の部屋……シエナが京哉を庇って目の前で殺害された、あの湯河原の別荘の一室であった。


 部屋の中を駆け回る2つの光の塊。楽しそうな笑い声が聞こえてくる。



「どうだい?夢見心地は」

頭の中に直接ぶつけられたような託斗の声。

「…最悪だよ。アンタの仕業か?」
「まぁ、そうだね。第21楽章の祝福……演奏を聴いた世界中の人間が、お前と同じように深く眠り続けて18時間近く。皆、幸せな夢を見てるよ」


 この現実と見紛う程の夢の世界は、別天津神コトアマツカミによって作り出された京哉の夢の中であるという。


「お前は戻りたいのかい?あと6時間のうちに世界は終わるんだ。それならせめて最後は楽しく過ごしたら良いじゃないか」


再び脳に染み込むような託斗の声が聞こえてきた後に、ガチャッと玄関が開いた。
 小脇に鏡餅をダイレクトに抱えて立っていたのは、シエナであった。

「お、京ちゃん今日は早いじゃーん。ドラ息子卒業かー?」

この世界ではシエナも生きていて、京哉と二人で暮らしているようであった。

「今日はさ、この大物をドドンと贅沢に煮込んで餅鍋を作りまーす!」
大物と言って勢い良く頭上に掲げたのは、小脇に抱えていた鏡餅であった。
「え?年明けの7日に食うモンじゃないの?」
「えぇ!?そうなの!?…な~んだ…今日は胃袋がすっかり餅の気分だったのになぁ~、残念」


 あぁ、母親がすぐそこにいる。少しどころじゃないおかしな行動も、彼女そのままである。夢の中だというのに、自分の妄想だというのに、何故こんなにも居心地が良いのだろう。



…………………………………………………………………………………



「心変わりはしたかな?」

託斗の囁きであった。本当はずっとこのまま、この世界に留まりたい。
 零式自鳴琴が何だ。終末兵器なんて知らない。皆だって、のうのうと眠りながら死ぬ瞬間を迎えようとしているじゃないか。








君が自分の力で世界を変えたいと思った時にだけ、その目でを見るんだ








「流石…僕の妄想の中の親父は優しい事ばっかり言うんだな。でも、本物はド級のスパルタだよ」


台所で鏡餅を切ろうと格闘していたシエナ。その姿が次第に光り出し、やがて弾けて発散していった。


 母親は死んだ。
 彼女の脳がこの世に存在し続けるから一体何なのだ。もう、シエナ・シルヴェスター・ミヤノはいない。大好きな母親はこの世にはいないのだ。

 ミーアの心遣いは嬉しかった。もう一度息子に会えたら…とオルバスや世界政府に加担してまで、彼女の心を汲んでくれていたのだから。
 オルバスの真の目的はわからない。この世界で得たシェリーの情報の全てが自分の妄想の可能性があったからだ。
 ただ、一つだけ明確に断言できる事がある。


 零式自鳴琴は破壊されなければならない。





 

「…やっと決心ついたよ、親父。世界でも何でも変えてやる」


手を持ち上げた京哉は、長い前髪に触れた。父親から移殖された右目を隠す為に流していたその前髪を持ち上げ、ゆっくりと瞼を開く。





…………………………………………………………………………………



 古民家の内装は消え、右目には強い光を直視した時のような瞬間的な痛みが走る。

 そして、ボヤける視界が徐々に晴れていくと、そこは虎ノ門ヒルズ森タワーの屋上。そして、シェリーが一人夜空を見上げている姿が目に映った。

 18時間眠り続けていたという体は鉛のように重たい。床に手をつきながらゆっくりと立ち上がり、一歩ずつ足を前に出す。


「…ッ!!」

近寄る人影に気が付いたシェリーがすぐに駆け寄り、京哉に真正面から抱きついた。ヒクヒクと肩を揺らしている。泣いているのだろう。
 終わりを迎える世界、皆が倒れて意識を失っている中でたった一人、これから自分達の命を奪う終末兵器と共に過ごしていたのだ。恐怖で押し潰されそうだったに違いない。


 震える彼女の体を抱きしめ、愛おしげな表情でその首に顔を埋めた。



「……寂しい想いさせて、ごめん……。もう何処にも行かない。一緒にいよう、ずっと……」


絹のような白く透き通る髪を撫で、彼女の肩に手を置いた。

「すげー夢見てた。馬鹿馬鹿しいぐらい平和な夢。皆いた…梓さんも僕の母親も…。でも、僕の知ってるシェリーは居なかった……」
「………」

金色の大きな瞳でじっと見つめて来る彼女の頬を撫でて、人差し指で涙を拭う。


「…どうせ死ぬなら、お前のいる世界が良い」


 そう告げた京哉は彼女の後頭部に手を置いて顔を近付ける。頭ひとつ分背の低いシェリーに合わせて膝を曲げてしゃがむと、ポカンと開いたままの唇を塞いだ。








[80] Furioso Ⅲ 完
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