62 / 148
第62話 天使の羽根と小悪魔の羽根
しおりを挟む
早速、サンペータ達と共にシン・ジャージ製作に取りかかった。
「なあ、ちょっと見てくれよ」
「一体どうしたんだ?」
ここは頼りになるルブランに死体安置所から持ち出したデザイン画を見せた。
「ルブラン。これを見てどお思う?」
「普通のオシャレなジャージじゃないか」
やさぐれているのか、ルブランはボケをかまして来ることはなかった。そして、僕は答える。
「メアリーの話だと機動性重視のデザインらしいんだが、シンプル過ぎないかと思うんだが?」
「うん、確かにシンプルと言えばシンプルなデザインではあるな」
ルブランは僕の話を聞いて頷いていた。
「そうだろ。折角、可愛い娘達が着るんだから、もっとファンシー的にしても良いんじゃないか?」
――ファンクラブのヤツらは性格は兎も角、可愛い娘が多いのも事実だ。本当に可愛い娘が多い。性格がアレだけで…… これ以上は言うまい。
「ファンシー的にか? 具体的にどうするんだ?」
ルブランは何か思うところがあったのだろうか、僕の話に食い付いてきた。
「メアリーの機動性重視の発想を生かして、背中に小さな天使の羽根を付けてみたらどうかと考えている」
「――!? 何で天使の羽根なんだ?」
ルブランは僕の崇高で至高な天使の羽根が理解出来ないとは情けない…… 天使の羽根がどれだけ凄いかみんなに語ってやろう。
「すまないがみんな集まってもらえるか」
「「「……………………」」」
サンペータ、マリック、ドールは僕の理不尽極まりない事態に、仏頂面で部屋の片隅で3人仲良く体育座りをしていた。
「みんな集まってもらえるか?」
「「「……………………」」」
3人はノロノロとヤル気の無さそうに僕の傍までやって来た。
「では、今からシン・ジャージ史上最強のオプションである天使の羽根について説明したいと思う」
「「「……………………」」」
『オホン』
黙り込むみんなの前で僕は咳払いをし、説明を始める。
「では、シン・ジャージに足りない物は何かを考えた時、更なる機動性とファンシーさが足りない事に気が付いたんだ。しかし、彼女達が考えたデザインを変えたのであっては、彼女達の努力を無駄にしてしまう。では、どうする? 熟慮の結果、取り外しの出来る追加オプションにすれば、問題は解決出来るのではと考えたのだ。そして、考えた結果。追加オプションは小さな天使の羽根にすれば良いのではないかと思うのだ!!」
「アレク…… 意味がわからんのだが……」
ルブランはまだ僕の考えを理解出来ないようだ。
「しょうがない。ドール、背中を僕の方に向けてくれ」
ドールは嫌々ながら僕に背中を向けた。僕は収納魔法から純白の布で出来た小さな羽根を出した。小さなぬいぐるみみたいな物だと考えてもらえたら分かりやすいと思う。
「じゃあ、見てろよ」
僕はそう言って、ドールの肩甲骨の辺りに天使の羽根を取り付けた。
「どうだ? この可愛さ。天使の羽根を装着すれば、通常の3倍は機動性が上がると考えている。そして、最大の特徴はこの可愛いさだ! 機動性とファンシーさを兼ね備えた究極の魔法付属アイテムと言って良いだろう」
「「「……………………」」」
――みんな無言だった。きっとあまりの究極魔法付属アイテムに口が聞けなくなったのだろう……
「まあ、確かにファンシーさは出ていると思うが……」
最初に口を開いたのはドールだった。
「ドール、何か意見があるのか? 遠慮なく言ってくれ」
僕がドールに意見を求めると、ドールは難しい顔をしながら、
「純白だけじゃなくて、黒もあった方が良いんじゃないか?」
それは、僕も考えが及びもしない貴重な意見だった。
「確かにルナール、フローラならまだしもマリアやクリス、ミレーユなら黒の方が似合ってるかもな…… 天使と小悪魔かぁ…… 特に中二病のクリスなら片方の羽根がボロボロになってる方が喜びそうだな」
僕は率直な意見を言った。そう思うのは自然の成り行きだと感じた。
「みんなはドールの意見をどう思う? 率直な意見を言ってくれ」
「ん~、俺もアイツら全員には純白よりは真っ黒の方がお似合いだと思う」
ルブランはヤツらの腹黒さを表現して見せたいのだろう。
「そうだなぁ~、アレクの話だとファンクラブのヤツらはまともな思考を持っているとは思えないから純白を止めて、全部黒でも良いと思うが」
サンペータは天使の羽根を止めて、小悪魔の羽根にして、ファンクラブを悪の組織にしたいらしい……
「俺はファンクラブの中にも一人くらいはまともなヤツがいると信じたい。純白と黒の両方を準備してヤツらに選ばせるのはどうだろうか?」
マリックの言う意見はまともな提案だった。しかし、あの中にまともなヤツがいる可能性は非常に低いと感じる。本当に一人いるかどうかの確率だろう……
「そうかぁ~、みんな意見を出してくれてありがとう。とりあえずは純白と真っ黒の両方全員分を作って、アイツらに選ばせよう。クリスには特別に片方の羽根がボロボロになった物をあげるとしよう。これでみんなは良いか?」
「賛成だ」
「俺はそれで良い」
「うん、それで構わない」
「ヤツらの機動力を3倍にしてやろうぜ!」
「じゃあ、早速作業開始だ!」
「「「オオッー!」」」
みんながヤル気になっているところに、サンペータが水を差す。
「アレク、さっきからヤツらのこと呼び捨てになってるよな?」
「「「――!?」」」
「なあ、ちょっと見てくれよ」
「一体どうしたんだ?」
ここは頼りになるルブランに死体安置所から持ち出したデザイン画を見せた。
「ルブラン。これを見てどお思う?」
「普通のオシャレなジャージじゃないか」
やさぐれているのか、ルブランはボケをかまして来ることはなかった。そして、僕は答える。
「メアリーの話だと機動性重視のデザインらしいんだが、シンプル過ぎないかと思うんだが?」
「うん、確かにシンプルと言えばシンプルなデザインではあるな」
ルブランは僕の話を聞いて頷いていた。
「そうだろ。折角、可愛い娘達が着るんだから、もっとファンシー的にしても良いんじゃないか?」
――ファンクラブのヤツらは性格は兎も角、可愛い娘が多いのも事実だ。本当に可愛い娘が多い。性格がアレだけで…… これ以上は言うまい。
「ファンシー的にか? 具体的にどうするんだ?」
ルブランは何か思うところがあったのだろうか、僕の話に食い付いてきた。
「メアリーの機動性重視の発想を生かして、背中に小さな天使の羽根を付けてみたらどうかと考えている」
「――!? 何で天使の羽根なんだ?」
ルブランは僕の崇高で至高な天使の羽根が理解出来ないとは情けない…… 天使の羽根がどれだけ凄いかみんなに語ってやろう。
「すまないがみんな集まってもらえるか」
「「「……………………」」」
サンペータ、マリック、ドールは僕の理不尽極まりない事態に、仏頂面で部屋の片隅で3人仲良く体育座りをしていた。
「みんな集まってもらえるか?」
「「「……………………」」」
3人はノロノロとヤル気の無さそうに僕の傍までやって来た。
「では、今からシン・ジャージ史上最強のオプションである天使の羽根について説明したいと思う」
「「「……………………」」」
『オホン』
黙り込むみんなの前で僕は咳払いをし、説明を始める。
「では、シン・ジャージに足りない物は何かを考えた時、更なる機動性とファンシーさが足りない事に気が付いたんだ。しかし、彼女達が考えたデザインを変えたのであっては、彼女達の努力を無駄にしてしまう。では、どうする? 熟慮の結果、取り外しの出来る追加オプションにすれば、問題は解決出来るのではと考えたのだ。そして、考えた結果。追加オプションは小さな天使の羽根にすれば良いのではないかと思うのだ!!」
「アレク…… 意味がわからんのだが……」
ルブランはまだ僕の考えを理解出来ないようだ。
「しょうがない。ドール、背中を僕の方に向けてくれ」
ドールは嫌々ながら僕に背中を向けた。僕は収納魔法から純白の布で出来た小さな羽根を出した。小さなぬいぐるみみたいな物だと考えてもらえたら分かりやすいと思う。
「じゃあ、見てろよ」
僕はそう言って、ドールの肩甲骨の辺りに天使の羽根を取り付けた。
「どうだ? この可愛さ。天使の羽根を装着すれば、通常の3倍は機動性が上がると考えている。そして、最大の特徴はこの可愛いさだ! 機動性とファンシーさを兼ね備えた究極の魔法付属アイテムと言って良いだろう」
「「「……………………」」」
――みんな無言だった。きっとあまりの究極魔法付属アイテムに口が聞けなくなったのだろう……
「まあ、確かにファンシーさは出ていると思うが……」
最初に口を開いたのはドールだった。
「ドール、何か意見があるのか? 遠慮なく言ってくれ」
僕がドールに意見を求めると、ドールは難しい顔をしながら、
「純白だけじゃなくて、黒もあった方が良いんじゃないか?」
それは、僕も考えが及びもしない貴重な意見だった。
「確かにルナール、フローラならまだしもマリアやクリス、ミレーユなら黒の方が似合ってるかもな…… 天使と小悪魔かぁ…… 特に中二病のクリスなら片方の羽根がボロボロになってる方が喜びそうだな」
僕は率直な意見を言った。そう思うのは自然の成り行きだと感じた。
「みんなはドールの意見をどう思う? 率直な意見を言ってくれ」
「ん~、俺もアイツら全員には純白よりは真っ黒の方がお似合いだと思う」
ルブランはヤツらの腹黒さを表現して見せたいのだろう。
「そうだなぁ~、アレクの話だとファンクラブのヤツらはまともな思考を持っているとは思えないから純白を止めて、全部黒でも良いと思うが」
サンペータは天使の羽根を止めて、小悪魔の羽根にして、ファンクラブを悪の組織にしたいらしい……
「俺はファンクラブの中にも一人くらいはまともなヤツがいると信じたい。純白と黒の両方を準備してヤツらに選ばせるのはどうだろうか?」
マリックの言う意見はまともな提案だった。しかし、あの中にまともなヤツがいる可能性は非常に低いと感じる。本当に一人いるかどうかの確率だろう……
「そうかぁ~、みんな意見を出してくれてありがとう。とりあえずは純白と真っ黒の両方全員分を作って、アイツらに選ばせよう。クリスには特別に片方の羽根がボロボロになった物をあげるとしよう。これでみんなは良いか?」
「賛成だ」
「俺はそれで良い」
「うん、それで構わない」
「ヤツらの機動力を3倍にしてやろうぜ!」
「じゃあ、早速作業開始だ!」
「「「オオッー!」」」
みんながヤル気になっているところに、サンペータが水を差す。
「アレク、さっきからヤツらのこと呼び捨てになってるよな?」
「「「――!?」」」
10
あなたにおすすめの小説
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~
灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」
魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。
彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。
遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。
歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか?
己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。
そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。
そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。
例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。
過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る!
異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕!
――なろう・カクヨムでも連載中――
加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ
犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。
僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。
僕の夢……どこいった?
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
【完結】勇者に折られた魔王のツノは、幼児の庇護者になりました
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
ファンタジー
旧タイトル:膨大な魔力と知識ありのチートだけど、転生先がツノはないよね?
異世界転生、胸躍らせる夢の展開のはず。しかし目の前で繰り広げられる勇者vs魔王の激戦に、僕は飽きていた。だって王の頭上で、魔力を供給するだけのツノが僕だ。魔王が強いからツノがあるのではなく、ツノである僕がいるから彼が最強だった。
ずっと動けない。声は誰にも聞こえない。膨大な魔力も知識チートも披露できぬまま、魔王の頭上で朽ちるのか。諦めかけていた。
勇者の聖剣が僕を折るまでは……!
動けなかったツノは、折れたことで新たな仲間と出会う。チート無双はできないが、ツノなりに幸せを掴めるのか!? いつか自力で動ける日を夢見て、僕は彼と手を組んだ。
※基本ほのぼの、時々残酷表現あり(予告なし)
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2021/11/17 完結
転生メイドは絆されない ~あの子は私が育てます!~
志波 連
ファンタジー
息子と一緒に事故に遭い、母子で異世界に転生してしまったさおり。
自分には前世の記憶があるのに、息子は全く覚えていなかった。
しかも、愛息子はヘブンズ王国の第二王子に転生しているのに、自分はその王子付きのメイドという格差。
身分差故に、自分の息子に敬語で話し、無理な要求にも笑顔で応える日々。
しかし、そのあまりの傍若無人さにお母ちゃんはブチ切れた!
第二王子に厳しい躾を始めた一介のメイドの噂は王家の人々の耳にも入る。
側近たちは不敬だと騒ぐが、国王と王妃、そして第一王子はその奮闘を見守る。
厳しくも愛情あふれるメイドの姿に、第一王子は恋をする。
後継者争いや、反王家貴族の暗躍などを乗り越え、元親子は国の在り方さえ変えていくのだった。
気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした
高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!?
これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。
日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる