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第108話 族滅
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――3日後、僕はようやく意識を取り戻した。
僕の究極魔法もあり、城の周りまで占領したとの報告を受けた。残すは城に立て籠ってある連中だけだ。ヤツらにとっては信じられない光景だろう。勝てると思っていた敵に、逆に追い詰められて負けるのだから……
――あいつらも悪夢でも見ているかと思っているだろうが、これが現実だ! 嫌っていうほど地獄をみせてやる!
我が正統なるヒャッハーたちが、にゃんこ様一匹逃げる隙がないほど厳重に城を取り囲んだ。
――翌日早朝
城内への攻撃部隊には連射が可能なスペンサー銃を装備させ、この戦争の山場となる最後の命令を下した。
「これが最後の戦闘になるだろう。攻撃目標はグランプロス帝国皇帝の首ただ一つ! デレモント王家『族滅』の二文字のみ! 突撃ー! 前へー!」
「「「おおっーー!!」」」
バーサーカーと化した兵士が我先と城内に崩れ込んで行った。
元婚約者のユリアラ王女のざまぁな姿を一般大衆に晒すため、ご自慢のアームストロング砲をブチ込んで殺ることが出来ないことがもどかしい……
――戦闘開始から5時間後
城内へと突入した正統派ヒャッハーたちから、皇帝一族並びに貴族を捕縛したとの報告が届いた。ギョシン司令官、ウィザード副司令官を伴い、急いで皇族共が捕縛されている謁見の間に急いだ。そこには皇帝。皇太子アイスキー・アール・デレモント。ユリアラ王女をはじめとするグランプロス帝国の中枢人物達が捕縛されていた。
ユリアラ王女は銀髪になった僕を見て最初は僕とは分からなかったみたいだったが、時間が経つにつれて元婚約者でもある僕に気付き唖然としていた。僕自身も彼女の捕縛されている姿を見ても何も感じなくなっていた。これで戦争の終決し、残るはコイツらの処遇と逃亡をした軍人、貴族達の落武者狩りだけだ。
皇族の処遇については、僕の好きなようにしても良いと慈悲深い国王陛下より、全ての決定権を僕に一任してくれていた。
「アイスキー・アール・デレモント皇太子とユリアラ王女だけを残して、あとの者はスパッと首をはねて♡」
僕は謁見の間に広がったカオスな雰囲気を変えるべく愛らしく命令を下した。――僕はどこかの母娘と違って、ちゃんとTPOをわきまえることの出来る心優しい漢なのだ。
僕の命令を聞いた正統派ヒャッハー達は、皇帝達の言い訳と命乞いも聞かず、嬉々として首を刎ねていった。
僕は嬉々として首を狩っていく正統派ヒャッハー達の姿を見て、薩摩隼人の本質を見たような気がした。もしかしたら、鎌倉武士団、室町武士団だったかも知れない……
残されたアイスキーとユリアラは目の前の惨劇に震えていたが、アイスキー皇太子は
「私の命はどうなっても構わない。頼む。ユリアラの命だけは助けてやってくれ! 彼女は何一つ愚かな行いはしていない。すべては我が父の責任だ。都合の良いことを言っていることは重々理解しているが、アレク殿にとっても元は婚約者だったはず、父の言いなりになってしまった愚かな自分の命と引き換えに、彼女の命だけは助けてくれないか? どうか頼む」
――なんと!? アイスキーは、自分の命はどうなっても良いと、それと引き換えにユリアラの命は助けて欲しいだと…… あらヤダ、なんて良い漢なんでしょ。
「何を言ってるのアイス!? 私はあなた無しじゃあ生きていけない。あなたがいない世界なんて、焼酎の入らない焼酎の水割りと同じだわ。あなたが死ぬなら私も一緒に死ぬ!」
僕はユリアラがアイスキーの提案をブチ壊し、焼酎の入らない焼酎の水割りは唯の水です。とツッコミを入れそうになったが、彼らの真剣なやりとりにツッコミを入れる事が出来なかった。僕だけじゃなく、誰一人ツッコミを入れる者はいなかった。まさに、これがドン引きである。
「スタッフゥ~。誰かぁ、アイスキー皇太子の縄をほどいてやって~」
僕がそう命令すると、傍にいたヒャッハーが不満そうな顔をしながらブツクサと何か言い縄をほどいていた。
――それ程までに首を狩りたいのかヒャッハーたちよ…… 正統派首狩り族はこれだから困る。
「アレク殿、これは…… どういうことだ」
アイスキーが僕に何故かと聞いてくるので、
「アイスキー皇太子。君に漢気を感じたのと、ユリアラ殿の真実の愛を見せてもらったからね。僕、個人としては君達に生きて幸せになって欲しいと思うけど、僕には総司令官としての立場もあるから、ここは僕と君と決闘で勝負を決めようと思うがどうだろう?」
――僕の無敵のムエタイと酔拳で、ユリアラの目の前で男前のアイスキーをボコボコにぶっ殺して、ざまぁを返してやる!
「決闘……?」
「そうだよ。アイスキー皇太子。君が僕に勝ったら、フロンガスター軍はグランプロス帝国から撤収をして、今回の戦争の責任も問わない。それだけじゃないぞ! フロンガスター王国は君達の婚姻を祝福し、復興の為に多大な援助も約束しよう。決めるのはアイスキー皇太子、君だよ」
「……………………」
アイスキーは僕の提案に思案を重ねているのだろう。黙り込んでしまった……
僕の究極魔法もあり、城の周りまで占領したとの報告を受けた。残すは城に立て籠ってある連中だけだ。ヤツらにとっては信じられない光景だろう。勝てると思っていた敵に、逆に追い詰められて負けるのだから……
――あいつらも悪夢でも見ているかと思っているだろうが、これが現実だ! 嫌っていうほど地獄をみせてやる!
我が正統なるヒャッハーたちが、にゃんこ様一匹逃げる隙がないほど厳重に城を取り囲んだ。
――翌日早朝
城内への攻撃部隊には連射が可能なスペンサー銃を装備させ、この戦争の山場となる最後の命令を下した。
「これが最後の戦闘になるだろう。攻撃目標はグランプロス帝国皇帝の首ただ一つ! デレモント王家『族滅』の二文字のみ! 突撃ー! 前へー!」
「「「おおっーー!!」」」
バーサーカーと化した兵士が我先と城内に崩れ込んで行った。
元婚約者のユリアラ王女のざまぁな姿を一般大衆に晒すため、ご自慢のアームストロング砲をブチ込んで殺ることが出来ないことがもどかしい……
――戦闘開始から5時間後
城内へと突入した正統派ヒャッハーたちから、皇帝一族並びに貴族を捕縛したとの報告が届いた。ギョシン司令官、ウィザード副司令官を伴い、急いで皇族共が捕縛されている謁見の間に急いだ。そこには皇帝。皇太子アイスキー・アール・デレモント。ユリアラ王女をはじめとするグランプロス帝国の中枢人物達が捕縛されていた。
ユリアラ王女は銀髪になった僕を見て最初は僕とは分からなかったみたいだったが、時間が経つにつれて元婚約者でもある僕に気付き唖然としていた。僕自身も彼女の捕縛されている姿を見ても何も感じなくなっていた。これで戦争の終決し、残るはコイツらの処遇と逃亡をした軍人、貴族達の落武者狩りだけだ。
皇族の処遇については、僕の好きなようにしても良いと慈悲深い国王陛下より、全ての決定権を僕に一任してくれていた。
「アイスキー・アール・デレモント皇太子とユリアラ王女だけを残して、あとの者はスパッと首をはねて♡」
僕は謁見の間に広がったカオスな雰囲気を変えるべく愛らしく命令を下した。――僕はどこかの母娘と違って、ちゃんとTPOをわきまえることの出来る心優しい漢なのだ。
僕の命令を聞いた正統派ヒャッハー達は、皇帝達の言い訳と命乞いも聞かず、嬉々として首を刎ねていった。
僕は嬉々として首を狩っていく正統派ヒャッハー達の姿を見て、薩摩隼人の本質を見たような気がした。もしかしたら、鎌倉武士団、室町武士団だったかも知れない……
残されたアイスキーとユリアラは目の前の惨劇に震えていたが、アイスキー皇太子は
「私の命はどうなっても構わない。頼む。ユリアラの命だけは助けてやってくれ! 彼女は何一つ愚かな行いはしていない。すべては我が父の責任だ。都合の良いことを言っていることは重々理解しているが、アレク殿にとっても元は婚約者だったはず、父の言いなりになってしまった愚かな自分の命と引き換えに、彼女の命だけは助けてくれないか? どうか頼む」
――なんと!? アイスキーは、自分の命はどうなっても良いと、それと引き換えにユリアラの命は助けて欲しいだと…… あらヤダ、なんて良い漢なんでしょ。
「何を言ってるのアイス!? 私はあなた無しじゃあ生きていけない。あなたがいない世界なんて、焼酎の入らない焼酎の水割りと同じだわ。あなたが死ぬなら私も一緒に死ぬ!」
僕はユリアラがアイスキーの提案をブチ壊し、焼酎の入らない焼酎の水割りは唯の水です。とツッコミを入れそうになったが、彼らの真剣なやりとりにツッコミを入れる事が出来なかった。僕だけじゃなく、誰一人ツッコミを入れる者はいなかった。まさに、これがドン引きである。
「スタッフゥ~。誰かぁ、アイスキー皇太子の縄をほどいてやって~」
僕がそう命令すると、傍にいたヒャッハーが不満そうな顔をしながらブツクサと何か言い縄をほどいていた。
――それ程までに首を狩りたいのかヒャッハーたちよ…… 正統派首狩り族はこれだから困る。
「アレク殿、これは…… どういうことだ」
アイスキーが僕に何故かと聞いてくるので、
「アイスキー皇太子。君に漢気を感じたのと、ユリアラ殿の真実の愛を見せてもらったからね。僕、個人としては君達に生きて幸せになって欲しいと思うけど、僕には総司令官としての立場もあるから、ここは僕と君と決闘で勝負を決めようと思うがどうだろう?」
――僕の無敵のムエタイと酔拳で、ユリアラの目の前で男前のアイスキーをボコボコにぶっ殺して、ざまぁを返してやる!
「決闘……?」
「そうだよ。アイスキー皇太子。君が僕に勝ったら、フロンガスター軍はグランプロス帝国から撤収をして、今回の戦争の責任も問わない。それだけじゃないぞ! フロンガスター王国は君達の婚姻を祝福し、復興の為に多大な援助も約束しよう。決めるのはアイスキー皇太子、君だよ」
「……………………」
アイスキーは僕の提案に思案を重ねているのだろう。黙り込んでしまった……
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