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第123話 精神的ざまぁの予感
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特製馬車の最大の秘密は……
魔法を動力としている。その為、馬や牛、ロバを必要しないのだ! それは、出始めたばかりの自動車と同じ感覚である。なんて素晴らしくイカした馬車なんでしょう。ついつい自己満足に浸りながら馬車の準備を始める。
王宮から馬車を運転しても良かったが、人の目に触れると大騒ぎになりそうだったので、あえて、あえて自重した。
王都を出るまでは、愛馬二頭で引っ張ってもらい、あとは僕の運転でシンシアヌ高原まで向かう。馬二頭で二馬力。馬力に物足りなさを感じるが今は仕方がない。出来ることならば、零戦の発動機『栄』エンジン1000馬力級並みのパワーが欲しいところであるが王都を出るまでの我慢。
あとはペーパードライバーでもある僕の華麗なドライブテクニックをヒロイン共に魅せ付けて、ドヤ顔で悦に入る予定だ。
◇
馬車の点検をしていると、ヒロインたちが王宮にやって来た。
「「「おはようございます。アレク様」」」
ヒロイン達はタイミングを計ったかのように同時に挨拶をした。この人たち全員転生者と言うこともあり、実に仲が良い。
「おはよう、みんな。美味しいお菓子とか馬車に入っているから適当に食べて。あと飲み物もクーラーボックスに入ってるから適当に取って!」
「「「ありがとうございます!!」」」
お菓子と聞いてヒロインたちは目の色が変わった。
僕が準備をしたお菓子はヤベェ料理人として、いわくつきの料理長達から『魔界からの贈り物』と呼ばれるほど大絶賛だった。何故なら前世記憶持ちの僕が作った日本のお菓子なのだから…… 飯テロ無双しまくり、やりたい放題。
しかし、ヤベェ料理人たちからの大絶賛の声以上に、おかわりの要求もえげつなかった。
ヒロインたちに日本のお菓子を出し始めた頃は、僕も転生者ではないかと疑われていたが、その度にメアリーから聞いたと誤魔化した。メアリーも僕の話に合わせ日本のお菓子を僕に教えてやったのだ!とドヤ顔でサポートしてくれた。
――何故だか、わからないが解せぬ
「さぁ、そろそろ出発しようか」
「「「「はい」」」」
ヒロインたちは思い思いに馬車に乗り込んだ。僕は御者台に乗り込み馬の手綱を取った。見事な手綱を捌きを披露し、王都から出ると愛馬を躊躇することなく収納魔法にブチ込み、元に置いてあったハンドルを取り出して馬車に取り付けた。
――ついに始まるぜ! 全ての者よ刮目せよ。僕の華麗なるペーパードライバーのドライブテクニックを!
道が一直線過ぎて、グンマー帝国の峠をガンガンに攻めまくる某豆腐屋の息子みたいなドリフトが出来い…… 僕の命を懸けたドライブテクニックを披露出来ないとは無念すぎる……
――もう腹を切るしかない。
いつもの短刀で腹を掻っ捌こうとした瞬間。馬車の中からメアリーの声が聞こえた。
「アレク。ここで切腹しようなんてしないでね。みんな帰れなくなるから」
「ぐぬぬ」
メアリーに僕の行動原則を見抜かれていた。僕の思考が単純過ぎるのか? そんなに僕の命より自分たちの帰りの事の方が大事なのか?
◇
あっという間にシンシアヌ高原に着いた。駐車場に馬車を停め、現実には駐車場なんてものは存在しないのだが、心の問題なのだ。心の……
「さあ、着いたよ。馬車から降りて大丈夫だよ」
「アレク様、ありがとうございます。運転疲れてませんか?」
ルナールが僕を気遣ってくれた。
「ありが……」
「一本道だったから、本当は疲れて無いよね?」
ミレーユが理不尽極まりない暴論を僕の言葉におもいっきり被せて来やがった。
「……………………」
僕は呆れ果て、それ以上言葉に出なかったが、さらにクリスの爆弾発言が炸裂する。
「アレクは漆黒の魔竜デモンドキル・フューエルの加護があるから余裕綽々社畜上等!」
――!? いつの間に漆黒の魔竜デモンドキル・フューエルが僕に加護していたのか知らなかったよ。
「そ、そうね。デモンドキル・フューエルがアレク様に憑いているなら大丈夫ね」
フローラお姉様はクリスの頭を撫でながら、憑いているとか不気味な事を言い出しやがった。
――憑いているとかマジで恐いんだけど…… まさか、こんなところで僕はヒロイン達から精神的『ざまぁ』をされるのか?
「さ、さあ。お茶会の準備をするからみんな手伝ってよ」
僕は身の危険を感じ、逃げるように話題を変えた。
「そ、そうね。そろそろお茶会を始めましょうか」
メアリーも空気を読んだのか、僕の言葉に乗った。しかし、その空気すら台無しにする凶悪なクラッシャーが存在する。
「アレク様が逃げた! 完全スルーですか? マジッすか? とことんゲスヤローですね?」
「「「……………………」」」
――!? マジかコイツ! ミレーユ・デストロイヤー節が無差別絨毯爆撃の如く、地上に降り注いだ。マジでコイツだけは一刻も早く無限地獄に転生させて差し上げたいと心の底から思った。
魔法を動力としている。その為、馬や牛、ロバを必要しないのだ! それは、出始めたばかりの自動車と同じ感覚である。なんて素晴らしくイカした馬車なんでしょう。ついつい自己満足に浸りながら馬車の準備を始める。
王宮から馬車を運転しても良かったが、人の目に触れると大騒ぎになりそうだったので、あえて、あえて自重した。
王都を出るまでは、愛馬二頭で引っ張ってもらい、あとは僕の運転でシンシアヌ高原まで向かう。馬二頭で二馬力。馬力に物足りなさを感じるが今は仕方がない。出来ることならば、零戦の発動機『栄』エンジン1000馬力級並みのパワーが欲しいところであるが王都を出るまでの我慢。
あとはペーパードライバーでもある僕の華麗なドライブテクニックをヒロイン共に魅せ付けて、ドヤ顔で悦に入る予定だ。
◇
馬車の点検をしていると、ヒロインたちが王宮にやって来た。
「「「おはようございます。アレク様」」」
ヒロイン達はタイミングを計ったかのように同時に挨拶をした。この人たち全員転生者と言うこともあり、実に仲が良い。
「おはよう、みんな。美味しいお菓子とか馬車に入っているから適当に食べて。あと飲み物もクーラーボックスに入ってるから適当に取って!」
「「「ありがとうございます!!」」」
お菓子と聞いてヒロインたちは目の色が変わった。
僕が準備をしたお菓子はヤベェ料理人として、いわくつきの料理長達から『魔界からの贈り物』と呼ばれるほど大絶賛だった。何故なら前世記憶持ちの僕が作った日本のお菓子なのだから…… 飯テロ無双しまくり、やりたい放題。
しかし、ヤベェ料理人たちからの大絶賛の声以上に、おかわりの要求もえげつなかった。
ヒロインたちに日本のお菓子を出し始めた頃は、僕も転生者ではないかと疑われていたが、その度にメアリーから聞いたと誤魔化した。メアリーも僕の話に合わせ日本のお菓子を僕に教えてやったのだ!とドヤ顔でサポートしてくれた。
――何故だか、わからないが解せぬ
「さぁ、そろそろ出発しようか」
「「「「はい」」」」
ヒロインたちは思い思いに馬車に乗り込んだ。僕は御者台に乗り込み馬の手綱を取った。見事な手綱を捌きを披露し、王都から出ると愛馬を躊躇することなく収納魔法にブチ込み、元に置いてあったハンドルを取り出して馬車に取り付けた。
――ついに始まるぜ! 全ての者よ刮目せよ。僕の華麗なるペーパードライバーのドライブテクニックを!
道が一直線過ぎて、グンマー帝国の峠をガンガンに攻めまくる某豆腐屋の息子みたいなドリフトが出来い…… 僕の命を懸けたドライブテクニックを披露出来ないとは無念すぎる……
――もう腹を切るしかない。
いつもの短刀で腹を掻っ捌こうとした瞬間。馬車の中からメアリーの声が聞こえた。
「アレク。ここで切腹しようなんてしないでね。みんな帰れなくなるから」
「ぐぬぬ」
メアリーに僕の行動原則を見抜かれていた。僕の思考が単純過ぎるのか? そんなに僕の命より自分たちの帰りの事の方が大事なのか?
◇
あっという間にシンシアヌ高原に着いた。駐車場に馬車を停め、現実には駐車場なんてものは存在しないのだが、心の問題なのだ。心の……
「さあ、着いたよ。馬車から降りて大丈夫だよ」
「アレク様、ありがとうございます。運転疲れてませんか?」
ルナールが僕を気遣ってくれた。
「ありが……」
「一本道だったから、本当は疲れて無いよね?」
ミレーユが理不尽極まりない暴論を僕の言葉におもいっきり被せて来やがった。
「……………………」
僕は呆れ果て、それ以上言葉に出なかったが、さらにクリスの爆弾発言が炸裂する。
「アレクは漆黒の魔竜デモンドキル・フューエルの加護があるから余裕綽々社畜上等!」
――!? いつの間に漆黒の魔竜デモンドキル・フューエルが僕に加護していたのか知らなかったよ。
「そ、そうね。デモンドキル・フューエルがアレク様に憑いているなら大丈夫ね」
フローラお姉様はクリスの頭を撫でながら、憑いているとか不気味な事を言い出しやがった。
――憑いているとかマジで恐いんだけど…… まさか、こんなところで僕はヒロイン達から精神的『ざまぁ』をされるのか?
「さ、さあ。お茶会の準備をするからみんな手伝ってよ」
僕は身の危険を感じ、逃げるように話題を変えた。
「そ、そうね。そろそろお茶会を始めましょうか」
メアリーも空気を読んだのか、僕の言葉に乗った。しかし、その空気すら台無しにする凶悪なクラッシャーが存在する。
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