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第4話 悪役令嬢ルナール・ミラ・フォクスト
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――!?
「ごめんなさい。私ったらよそ見してたみたいで…… 本当にごめんなさい」
メインヒロインのマリア・ハーネスト嬢が申し訳なさそうに謝っていた。
「君、危ないじゃないか! これでも一応は王子なんだぞ! それにアレクに何かあったら大変な事になるんだぞ!」
ルブランがマリア・ハーネスト嬢に注意をしていた。
「お前、随分と飛ばされたなぁ。立てるか?」
マリックが僕の手を引っ張り起こし上がらせてくれた。
「マリックありがとう。ルブランもうその辺で許してあげて、君もよそ見をしないようにしてくれ」
僕は余裕のある大人の対応をした。
――正直、後ろからの高速タックルはやめて欲しい…… もう少しで首と胴体が離れるところだったぞ。ルブランとマリック。お前達少しは王族を敬え! それとな人前なんだから最低限『殿下』は付けろ!
「あの~…… 私…王子様だったなんて知らなくて…… 私、マリ……」
「さぁ、みんな教室に行こうか」
僕はマリア嬢が自分の名前を言いそうな雰囲気だったので、スルーをして教室へと向かった。
「アレク」
「なんだい? ドール」
「さっきの娘、可愛かったな」
「お前なぁ…… 余所の娘ばっかり見ていると婚約者様にマジで殺されるぞ」
「そりゃ~ そうだけど…… でも可愛かったなぁ~」
「お前ホントになぁ…… お前。この前、婚約者様にブチ殺されかけたことを忘れたのか? 僕ら四人で『許してやって下さい! ドールによく言い聞かせてやりますから今回は勘弁してください。この通りです』って土下座をして、やっと許してもらえたんだぞ。こっちの方がホントに勘弁してくれって感じだよ」
僕はドールに釘を刺した。
――王子に土下座させるドールの婚約者様は、末恐ろしいお方であることはハッキリさせておきたい……
「ドール、ホントに気をつけてくれよ。お前の婚約者様はやきもち焼きですぐにキレるからなぁ」
サンペータは困った顔で言った。
「やきもちを焼いてくれるなんて可愛いじゃないか。そんな彼女と婚約できるなんて、俺幸せすぎる!」
ドールはノロケ始めやがった。いつかコイツを地獄へ落とす!
◇
教室に着き、空いている席に座った。
「アレク。お前、新入生代表の挨拶辞退したんだってな」
マリックが不思議そうな顔で聞いてきた。
「ああ、丁寧に辞退させてもらったよ。あまり学園で目立ちたくなくってね」
「お前イヤミか! 顔も良くて勉強も出来る。おまけに運動、魔法何でも一流、残念なのは酔拳とエムタイくらいか……」
「お前ら酔拳をなめるなよ! 酔拳は酒を呑めば呑むほど強くなれるんだぞ! と言うことは酒が呑めるってことだ! しかも合法的に! あとなエムタイは凄いんだぞ! エムタイを極めるとエムタイの神『マモォール鳥』からご加護がもらえるんだぞ!」
マリックから酔拳とエムタイを残念な部類に入れられた為、そのあまりにも酷い考え方に憤りを覚える。
「アレク…… ただ酒が呑んでストレス発散に暴れたいだけだろ? 疲れたオッサンと同類じゃないか」
「……………………」
ルブランの核心をつく発言に言葉も出なかった…… そう、それは的を射た図星だった……
◇
入学式も終わり新入生代表のフラグを折ることが出来たが、強引な力技でヒロインとの出会いフラグは回避出来なかった。自分自身の不甲斐なさに、次こそはとフラグを折るぞと覚悟を決めるのだった。
学園に入学してから数か月間、マリア嬢の来襲は増えて行った。高速タックルに始まり、迷子になり僕らに助けを求める。僕たちの前で物を落とす。僕の攻略を一旦休止して外堀を埋めるべくサンペータ達に近寄るなど、彼女の惜しみない努力には心からの賛辞を送りたいが、悲しいことにラスボスとして恋愛フラグは折り続けねばならない。
許せよ。マリア嬢…… 僕はエムタイの神『マモォール鳥』に愛されし者。この乙女ゲーの世界で、責任を持って自分の役割を全うしなければならない。ラスボスとして…… 鬼畜王子として、君の今までの努力、これからするであろう努力に『ざまぁ』をする人間として…… 覚悟しやがれ!
ということでマリア嬢に関してはスルーしている。何かあったときはドールを中心にマリア嬢を押し付けている。ドールにお願いする理由…… やきもち焼きの婚約者に殺されろ! この一点の為だけにドールに押し付けている。
◇
ある日、僕は珍しく一人で園庭を歩いていると『ギャー ギャー』とうるさく鳴いている得体のしれない小鳥のさえずりか? といわんばかりの大騒音を耳にした。
怖いもの見たさと何事かと興味が沸き、周りにバレないようこっそりと近づいた…… 姿は見えないが声だけは聞こえてきた。何やら言い争いでもしているのだろうか? 悪趣味とわかっていながらも、僕の探求心に火が着き、盗み聞きをすることにした。
「あなた最近と言うか入学式からずっと、アレク様にちょっかい出してるみたいじゃないの! 平民のあなたがどういうことなのかしら」
「そうよ。ちょっと頭が良いからって平民が貴族の通う学園にくるんじゃないわよ」
「私、そんなつもりじゃ……」
――!? あの声はマリア嬢か? 数人の貴族らしい女子生徒がマリア嬢に絡んでいるようだ……
「平民のあなたがそんなつもりじゃなくてもアレク様公式ファンクラブが許すわけないでしょ!」
「公式ファンクラブ?……」
「あなたね。ファンクラブも知らないの? とんだ田舎者ね。アレク様公式ファンクラブ会長であり、ファンクラブ会員NO.1の公爵令嬢ルナール・フォクスト様! 彼女に一言言ってやって下さい!」
――!? 自己紹介か? うん、自己紹介までしてくれてありがとう。フォクスト公爵家令嬢ルナール・ミラ・フォクスト嬢。ゲーム内でもヒロイン達の邪魔をしてくる悪役令嬢のリーダー格だ…… まさか、こんなところで会うとは…… 実際には隠れているから会っていないのだが……
「あなたの行動はファンクラブ条約第2章第3条、アレク様に対して抜け駆けは絶対しないに該当しているわ。ちなみにファンクラブ条約第3章第1条は、アレク様の監視を怠る事を禁ずるよ。よく覚えておきなさい」
――!? 僕の監視を怠る事を禁ずるだと? それは立派な僕のストーカーじゃないか!! ファンクラブこわっ!
「ごめんなさい。私ったらよそ見してたみたいで…… 本当にごめんなさい」
メインヒロインのマリア・ハーネスト嬢が申し訳なさそうに謝っていた。
「君、危ないじゃないか! これでも一応は王子なんだぞ! それにアレクに何かあったら大変な事になるんだぞ!」
ルブランがマリア・ハーネスト嬢に注意をしていた。
「お前、随分と飛ばされたなぁ。立てるか?」
マリックが僕の手を引っ張り起こし上がらせてくれた。
「マリックありがとう。ルブランもうその辺で許してあげて、君もよそ見をしないようにしてくれ」
僕は余裕のある大人の対応をした。
――正直、後ろからの高速タックルはやめて欲しい…… もう少しで首と胴体が離れるところだったぞ。ルブランとマリック。お前達少しは王族を敬え! それとな人前なんだから最低限『殿下』は付けろ!
「あの~…… 私…王子様だったなんて知らなくて…… 私、マリ……」
「さぁ、みんな教室に行こうか」
僕はマリア嬢が自分の名前を言いそうな雰囲気だったので、スルーをして教室へと向かった。
「アレク」
「なんだい? ドール」
「さっきの娘、可愛かったな」
「お前なぁ…… 余所の娘ばっかり見ていると婚約者様にマジで殺されるぞ」
「そりゃ~ そうだけど…… でも可愛かったなぁ~」
「お前ホントになぁ…… お前。この前、婚約者様にブチ殺されかけたことを忘れたのか? 僕ら四人で『許してやって下さい! ドールによく言い聞かせてやりますから今回は勘弁してください。この通りです』って土下座をして、やっと許してもらえたんだぞ。こっちの方がホントに勘弁してくれって感じだよ」
僕はドールに釘を刺した。
――王子に土下座させるドールの婚約者様は、末恐ろしいお方であることはハッキリさせておきたい……
「ドール、ホントに気をつけてくれよ。お前の婚約者様はやきもち焼きですぐにキレるからなぁ」
サンペータは困った顔で言った。
「やきもちを焼いてくれるなんて可愛いじゃないか。そんな彼女と婚約できるなんて、俺幸せすぎる!」
ドールはノロケ始めやがった。いつかコイツを地獄へ落とす!
◇
教室に着き、空いている席に座った。
「アレク。お前、新入生代表の挨拶辞退したんだってな」
マリックが不思議そうな顔で聞いてきた。
「ああ、丁寧に辞退させてもらったよ。あまり学園で目立ちたくなくってね」
「お前イヤミか! 顔も良くて勉強も出来る。おまけに運動、魔法何でも一流、残念なのは酔拳とエムタイくらいか……」
「お前ら酔拳をなめるなよ! 酔拳は酒を呑めば呑むほど強くなれるんだぞ! と言うことは酒が呑めるってことだ! しかも合法的に! あとなエムタイは凄いんだぞ! エムタイを極めるとエムタイの神『マモォール鳥』からご加護がもらえるんだぞ!」
マリックから酔拳とエムタイを残念な部類に入れられた為、そのあまりにも酷い考え方に憤りを覚える。
「アレク…… ただ酒が呑んでストレス発散に暴れたいだけだろ? 疲れたオッサンと同類じゃないか」
「……………………」
ルブランの核心をつく発言に言葉も出なかった…… そう、それは的を射た図星だった……
◇
入学式も終わり新入生代表のフラグを折ることが出来たが、強引な力技でヒロインとの出会いフラグは回避出来なかった。自分自身の不甲斐なさに、次こそはとフラグを折るぞと覚悟を決めるのだった。
学園に入学してから数か月間、マリア嬢の来襲は増えて行った。高速タックルに始まり、迷子になり僕らに助けを求める。僕たちの前で物を落とす。僕の攻略を一旦休止して外堀を埋めるべくサンペータ達に近寄るなど、彼女の惜しみない努力には心からの賛辞を送りたいが、悲しいことにラスボスとして恋愛フラグは折り続けねばならない。
許せよ。マリア嬢…… 僕はエムタイの神『マモォール鳥』に愛されし者。この乙女ゲーの世界で、責任を持って自分の役割を全うしなければならない。ラスボスとして…… 鬼畜王子として、君の今までの努力、これからするであろう努力に『ざまぁ』をする人間として…… 覚悟しやがれ!
ということでマリア嬢に関してはスルーしている。何かあったときはドールを中心にマリア嬢を押し付けている。ドールにお願いする理由…… やきもち焼きの婚約者に殺されろ! この一点の為だけにドールに押し付けている。
◇
ある日、僕は珍しく一人で園庭を歩いていると『ギャー ギャー』とうるさく鳴いている得体のしれない小鳥のさえずりか? といわんばかりの大騒音を耳にした。
怖いもの見たさと何事かと興味が沸き、周りにバレないようこっそりと近づいた…… 姿は見えないが声だけは聞こえてきた。何やら言い争いでもしているのだろうか? 悪趣味とわかっていながらも、僕の探求心に火が着き、盗み聞きをすることにした。
「あなた最近と言うか入学式からずっと、アレク様にちょっかい出してるみたいじゃないの! 平民のあなたがどういうことなのかしら」
「そうよ。ちょっと頭が良いからって平民が貴族の通う学園にくるんじゃないわよ」
「私、そんなつもりじゃ……」
――!? あの声はマリア嬢か? 数人の貴族らしい女子生徒がマリア嬢に絡んでいるようだ……
「平民のあなたがそんなつもりじゃなくてもアレク様公式ファンクラブが許すわけないでしょ!」
「公式ファンクラブ?……」
「あなたね。ファンクラブも知らないの? とんだ田舎者ね。アレク様公式ファンクラブ会長であり、ファンクラブ会員NO.1の公爵令嬢ルナール・フォクスト様! 彼女に一言言ってやって下さい!」
――!? 自己紹介か? うん、自己紹介までしてくれてありがとう。フォクスト公爵家令嬢ルナール・ミラ・フォクスト嬢。ゲーム内でもヒロイン達の邪魔をしてくる悪役令嬢のリーダー格だ…… まさか、こんなところで会うとは…… 実際には隠れているから会っていないのだが……
「あなたの行動はファンクラブ条約第2章第3条、アレク様に対して抜け駆けは絶対しないに該当しているわ。ちなみにファンクラブ条約第3章第1条は、アレク様の監視を怠る事を禁ずるよ。よく覚えておきなさい」
――!? 僕の監視を怠る事を禁ずるだと? それは立派な僕のストーカーじゃないか!! ファンクラブこわっ!
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