ざまぁにはざまぁでお返し致します ~ラスボス王子はヒロインたちと悪役令嬢にざまぁしたいと思います~

陸奥 霧風

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第6話 ファンクラブ対策!

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「イベント…… イベントをやろう!」

急にルブランが大声を出した!?

「急に大声なんか出してびっくりするじゃないか!? ルブランどうしたんだ?」

サンペータが驚いた顔をしてルブランに聞いた。

「俺達は今までアイツらから逃げてきた」

ルブランは興奮気味に今まで僕達がファンクラブに関わらないようにしてきた事を指摘した。特にマリア・ハーネスト嬢とルナール・フォクスト嬢には……

「た、確かにその通りだが」

マリックが答える。

「それが問題だったんだよ!」

「問題? それは一体?」

ドールが聞き直す。

「つまりだ。俺達がファンクラブのヤツらを相手にしてこなかった。その鬱憤が今の状況を生み出しているのではないか?」

「うむ、そうだな。ファンなのに推しに無視され続ければ、もどかしさはあるよな」

「アレク、その通りだ。今度はこちらからヤツらに近づいて行こう!」

「それじゃ、アイツらを喜ばせるだけじゃないのか?」

サンペータが反論する。ルブランは自信満々で返す。

「甘いなサンペータ。ファンクラブの中で差別を作るんだよ。例えば数人の女子生徒とアレクが仲が良くなってみろ、周りのヤツはどう思う?」

「羨ましいと思う…… なるほど! 嫉妬か! ファンクラブの中を嫉妬まみれにするのか」

「さすがアレク、正解だ。嫉妬が疑心暗鬼を呼び、内部分裂に持っていく。そしてファンクラブを瓦解させる!」

「なるほど…… さすが未来の宰相候補!」

「よしてくれよ、マリック。未来の宰相なんて言われたらテレるじゃないか」

しかし、そう言ってるわりには、マリック。お前、何当然なこと言ってるんだ? という態度だった。


――誰も未来の宰相とは言っていない。言ったのは未来の宰相候補だ! あくまでも候補だ!


「ところで何をすれば良いんだ?」

僕はルブランに聞いてみた。

「ファンサービスのイベントだ!」

「「「ファンサービス?」」」

僕、サンペータ、マリック、ドールは同時に声をあげた。

「そうだ。ゲームでも抽選でも何でも良いからヤツらの中から1人選ぶんだ」

「「「うん うん」」」

ルブランの言葉に僕らはうなずく。

「選ばれたヤツはアレクとデートする!」

「いや、いや、いや、それはマズイって!」

ルブランの突拍子もない発言に僕は己の危うさを否定した。

「どうしてだ?」

ルブランは不思議そうな顔で僕に聞き直した。

「当たり前だろ。お前達と一緒で僕にはユリアラ・カント・ジャングスタ王女という婚約者がいるんだぞ! 婚約者を差し置いてデートなんかしたら浮気者になるじゃないか! そんな不誠実な事は断じて許されん!」

「お前以外とそんなこんなところだけ誠実だよな」

ドールが不思議そうな顔で僕に言った。


――当たり前だろ! ドール、お前が婚約者様にボコられてるのを間近で見ているから恐怖を感じているんだよ! 不誠実は女性の敵であり、抹殺の対象者になるんだよ!


「とにかく、一対一は危険すぎる。そんなことをしたら内部分裂どころじゃなく暴動になりかねん。イヤ、それどころか革命が起こる危険性まである」

「アレク…… それは考えすぎじゃないのか?」

サンペータは僕の深読みが理解できないようだ。これだから脳筋は困る……

「ファンクラブのヤツらをまともな感性を持っていると思うのか? アイツらは自己中の塊だ! 何をやらかすかわからん。物事は慎重に進めるべきだ」

「アレクの言う通りだ。事は慎重に運んだ方が良い」

マリックは僕の考えに賛同してくれた。

「ん~。ではファンクラブから10名ほど代表者を決めよう。それでアレクとデートをしてもらう。と言うのはどうだ?」

ルブランがとんでもないことを言い出した。

「――!? それじゃ、ハーレム状態じゃないか! そんなの僕には無理だ! それにデートもマズイ、周りから見たら女性関係にだらしない男だと思われてしまう! 婚約者の耳にでも入ったら婚約破棄されてしまう!」

全力で否定させてもらった。

「しょうがない。そのデート自体をイベントにしよう。例えばだ、『アレク主催お茶会』、ファンクラブ主催『アレクと行く 秋のピクニックツアー』とかな。必ず○○主催、○○会、○○ツアーを付けるんだ」

「おお、それなら個人的な事にならない! ルブラン。お前すごいな!」

僕はルブランを称賛した。

「でもよ、代表から外れたヤツはどうするんだ? 何かしなかったらアレクを恨むようになったら困るぞ」

あのサンペータが珍しくまともな事を言った。
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