ざまぁにはざまぁでお返し致します ~ラスボス王子はヒロインたちと悪役令嬢にざまぁしたいと思います~

陸奥 霧風

文字の大きさ
18 / 148

第18話 ハイテンション

しおりを挟む
自信満々に答える僕を疑いの目で見つめるサンペータ達。

「アレクに任せるとろくな事にならないからなぁ」

サンペータが僕をまるで信用していない口調で答える。

「まずは僕の案を聞いてくれ」

「おう、聞いてやろうじゃねぇか。その案とやらを聞かせてみろや」

横暴な態度で僕に絡んでくるサンペータ。お前あとで不敬罪で制裁するぞ。

「ゴホン 今は紅葉が見頃の時期だ。ファンクラブのヤツらを連れて高原で紅葉を見ながら食事をするんだ。10人1グループにしてな」

僕は咳払いをしてドヤ顔で答えてやった。

「10人1グループだって!? 1グループ以上にするってことか? お前、何グループにするつもりだよ」

ドールは驚いた顔で僕に聞いて来た。

「今回は人数制限はしない。ファンクラブ以外の者も呼ぶつもりだ」

「ハァ~? アレク。どれだけの人数になると思ってるんだよ」

「そりゃあ大人数だろうが、僕は大丈夫だ。前回はヤベェヤツはヤベェエリートであり、少数精鋭ゆえにキャラが濃かったのではと考察している」

「確かにキャラは濃かったな」

サンペータは前回の集いを思い出したのか頭を抱え込んだ。サンペータにそれだけのトラウマを植え付けるほどの衝撃だったのだろう。僕だって同じだ。その為に僕は全力を以って回避する可能性を模索する。

「ファンクラブのヤツらはほとんどが普通のヤツだと思う。もうこれ以上ヤベェキャラの登場は無いと信じたい…… 大人数の普通の中に少数のヤベェヤツが入っても大したことは事はないと思う」

「まあ、10人中9人のヤベェヤツより10人中1人のヤベェヤツの方が気持ち的に楽だからな」

ルブランが僕の言いたいことを理解してくれたようだ。

「そう言うことだ。これで僕のHPをゴリゴリ削られる事は少なくなるということだ」

「前回は俺達もゴリゴリに削られたからな。さすがの婚約者様も自分達と同じ人種なのかって、アレクを同情してたぞ」

ドールの婚約者様も僕に同情してくれたのか……

「食事をすると言っていたがどうするだ?」

ルブランが聞いて来た。

「折角の紅葉だ。紅葉を見ながら肉を焼こうと思っている」

「おいおい、肉を焼くって材料とかどうするんだよ?」

「肉はこれから狩りに行く。肉を焼く道具も僕の魔法で準備するよ。荷物は多くなるが収納魔法で持ち運ぶから心配ない。あとマルクス達、ファンクラブに関係ない者にも声を掛けようと思っている」

「ファンクラブのヤツら以外の好感度を上げようと考えているのか? まさか…… 自分のファンを増やそうとしているのか?」

「好感度を上げるつもりは無いよ。マルクス達には世話になっているからな。そのお礼かな」

僕はいかにも好感度は考えていませんよ。とサンペータ達には建前を示し、本音は一般の生徒にも良い人に。それと

「お前…… なんだかんだ言って、本当はみんなに良い人に見られたいと思ってのことだろ? それとお前自身、イベント自体を楽しみにしているんだろ?」

「ギクッ そ、そんな事は無いぞ」

「ホントにかぁ……」

マリックは僕に疑いの目を向けて、僕の本心をついてきた。


――高原でバーベキューってだけで心が踊らないヤツがどこにいる。僕はバーベキューと聞いただけでテンションは爆上がりだぞ。しかもバーベキューコンロなど、この『プリスト』の世界にはない。バーベキューコンロと焼肉のたれを作って、この僕がこの乙女ゲーム世界で飯テロを起こしてやるからな! 楽しみに待ってよ。ファンクラブのヤツらめ! グハハハハ!!


「じゃあ、ルナール嬢に話をつけてくる」

僕は調子に乗ってルナール嬢に突撃しようとした時、

「アレク…… お前…… 記憶喪失なのか? ルナール嬢の事は俺に丸投げしてただろ」

ルブランが調子に乗った僕にツッコミを入れてきた。

「今日は気分が良いからな! 僕自ら交渉して来るよ」

僕はそう言い残し、ルナール嬢のいる教室へ向かった。

ルナール嬢は教室に居たがルナール嬢の周りにはヒロインどもが群がっていた。

ゲームなら敵対同士のヒロインどもと悪役令嬢だが、この世界だと仲が良いみたいだ。ルナール嬢に近付き、

「やあ、みんなお揃いで」

「「「アレク様!」」」

教室に居た女子生徒が一斉に僕を見た。

僕はみんなに手を振り愛嬌を振りまく。バーベキューが出来ると思うだけで、テンションが爆上がり状態ゆえに出来る技である。

「アレク様が私に会いに来てくれた!」

マリア嬢が満面の笑みで僕に近づいて来た。


――テメェに会いに来るわけねぇーだろ! 少しは考えろよ! マリア嬢にはどこまでも辛辣になれる
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!

水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。 ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。 しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。 ★ファンタジー小説大賞エントリー中です。 ※完結しました!

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

【完結】立場を弁えぬモブ令嬢Aは、ヒロインをぶっ潰し、ついでに恋も叶えちゃいます!

MEIKO
ファンタジー
最近まで死の病に冒されていたランドン伯爵家令嬢のアリシア。十六歳になったのを機に、胸をときめかせながら帝都学園にやって来た。「病も克服したし、今日からドキドキワクワクの学園生活が始まるんだわ!」そう思いながら一歩踏み入れた瞬間浮かれ過ぎてコケた。その時、突然奇妙な記憶が呼び醒まされる。見たこともない子爵家の令嬢ルーシーが、学園に通う見目麗しい男性達との恋模様を繰り広げる乙女ゲームの場面が、次から次へと思い浮かぶ。この記憶って、もしかして前世?かつての自分は、日本人の女子高生だったことを思い出す。そして目の前で転んでしまった私を心配そうに見つめる美しい令嬢キャロラインは、断罪される側の人間なのだと気付く…。「こんな見た目も心も綺麗な方が、そんな目に遭っていいいわけ!?」おまけに婚約者までもがヒロインに懸想していて、自分に見向きもしない。そう愕然としたアリシアは、自らキャロライン嬢の取り巻きAとなり、断罪を阻止し婚約者の目を覚まさせようと暗躍することを決める。ヒロインのヤロウ…赦すまじ!  笑って泣けるコメディです。この作品のアイデアが浮かんだ時、男女の恋愛以外には考えられず、BLじゃない物語は初挑戦です。貴族的表現を取り入れていますが、あくまで違う世界です。おかしいところもあるかと思いますが、ご了承下さいね。

水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?

ラララキヲ
ファンタジー
 わたくしは出来損ない。  誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。  それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。  水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。  そんなわたくしでも期待されている事がある。  それは『子を生むこと』。  血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……  政略結婚で決められた婚約者。  そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。  婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……  しかし……──  そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。  前世の記憶、前世の知識……  わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……  水魔法しか使えない出来損ない……  でも水は使える……  水……水分……液体…………  あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?  そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──   【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】 【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】 【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるよ! ◇なろうにも上げてます。

処理中です...