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第26話 心の余裕
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学園に赴くと、サンペータ達に昨日の事でいろいろ言われたが、マモォール鳥様の事は伝えず、肉を確保したことだけを伝えた。サンペータは自分もついて行きたかったと愚痴をこぼしていたが、まだ、肉が足りないから今度は一緒に行こうと宥めておいた。
放課後になり、僕はいつもの王族専用の部屋へ来ていた。
「アレク。今日は何をするんだ?」
ドールが今日の予定を聞いてきた。
「今日はバーベキューコンロの試作を作ってみようかと思う」
「それも売り物にしたら儲かるのか?」
「お前の頭の中は金の事しか無いのか?」
「失礼な事を言うな! ちゃんと婚約者様の事も考えてるよ!」
ドールは怒っていたが、僕から見ると金の事と婚約者様の事しか考えていないように感じる。
「まぁいいや、話を続けよう。僕が考えているのは、簡易的なバーベキューコンロだ」
「軍隊が持ち運びしている物とは違うものなのか?」
サンペータは僕が考えているバーベキューコンロに興味があるらしい。
「軍隊が持ち運びしているのは、将校に関しては立派で重い調理器具だろ? 一般兵士は各分隊で焚き火程度の火で調理するんだったよな?」
サンペータに聞いてみた。
「ああ、そうだ。将校と一般兵士では料理自体違うからな」
サンペータは答える。
「まずは、これを見てくれ」
僕は収納魔法から試作品のバーベキューコンロを取り出す。日本でお馴染みのステンレス製の蓋の無い箱に空気穴が何個か空いた箱に4本の足が付いている。そして、安定感のあるものだった。
「これで、調理が出来るのか? どうやって肉を焼くんだ?」
サンペータ達はバーベキューコンロを物珍しそうにあちこち触りながら聞いて来た。
「おう、この箱の中に木炭を入れて、この網を箱の上に置くんだよ」
僕は収納魔法からステンレス製の網を取り出すとコンロの上に置いた。
「この網の上で肉を焼けるし、改良次第では鍋とか置いて、鍋料理とかも出来るようになるぞ」
「このコンロを持って良いか?」
マリックが重さのチェックをしたいようだ。
「意外に軽いぞ。それに錆びないし丈夫だ」
マリックはコンロを持ち上げ、
「確かに軽い…… しかし、この大きさはな…… もう少しコンパクトにならないか?」
「足を外せばコンパクトになるぞ。それでも大きいのであれば、箱を小さくすれば良いし」
「この足を外せるのか? じゃあ、足を取ってみせてくれ」
ルブランはコンロの足に人差し指を指した。
「わかった。この足を下に引っ張れば簡単には取り外しは出来る。付ける時は上に差せば良いだけだから簡単だろ?」
「俺にもやらせてくれ」
ドールは僕からコンロを奪うと、
「確かに簡単に組み立て出来る。これを売ったら金儲けが出来るぞ」
ドールは目をキラキラさせていた。
「木炭を使うからなぁ。持ち運びを考えると意外に軍隊では使えないかも知れないよなぁ?」
僕は問題点があることをサンペータに聞いてみた。
「そんなことないと思うぞ。改良を加えれば使えるかもしれない。マリック、オヤジ達に聞いてみようぜ」
「魔法師団でも使えるか聞いてみるよ」
サンペータとマリックは軍隊にバーベキューコンロを導入する気満々のようだった。
「じゃあ、もう少し運びやすいようにしてみるか」
僕はそう言って、頭の中で設計をイメージをして錬金魔法で試作品の二号を作った。今度のバーベキューコンロは枠を少し小さくし、さらに重ねて運びやすいように工夫を凝らしてみた。あと網にも鍋が置けるように更なる補強も加えた。
「これでどうだ?」
サンペータ達に今回の出来栄えについて聞いた。
「重ねるようにしたのか? これなら持ち運びの時に場所を取らないな」
「大きさも良いくらいじゃないか」
「市民に売り出そうぜ」
「これなら大鍋にも対応出来る」
サンペータ達は試作品二号を気に入ってもらえたようだ。
「じゃあ、早速5人で1台の計算で1000人程だから200個。いや、多くなるかもしれないから250個作るか。マリックも手伝ってくれ」
この中で、錬金魔法を使えるのは僕だけなので製作は僕、収納魔法を使えるマリックには収納をお願いした。
コツコツとバーベキューコンロを作っているとマリックが、
「アレク。ファンクラブのヤツらとはどうなった? 罠に嵌められたんだろ?」
マリック達はハニートラップの罠に掛かり落ち込んでいるだろうと思い、その話は出さないようにしていたみたいだが、意外にも僕が明るかったせいか、思いきって聞いてみたようだった。
「ああ、確かにヤツらのハニートラップに引っ掛かってしまったが、そんな小さいことは良いんだよ。ルナール嬢達と一緒に行動することにはなったけど、たまには一緒に行動するのも良いかもしれないしな。まぁ、勉強の一つだと思ってやってみるよ」
僕はどうにもならないときは、圧倒的武力で鎮圧する許可をマモォール鳥様からもらってるから心に余裕が出来たのかもしれない。
「アレク…… お前、何か変わったのよ」
「一昨日までのアレクじゃないみたいだ」
「うん、それは言えてる。どこがと言われれば困るけど」
「確かに雰囲気が変わった気がする……」
サンペータ達も一昨日までの僕の心の変化に気付いている様子だった。
放課後になり、僕はいつもの王族専用の部屋へ来ていた。
「アレク。今日は何をするんだ?」
ドールが今日の予定を聞いてきた。
「今日はバーベキューコンロの試作を作ってみようかと思う」
「それも売り物にしたら儲かるのか?」
「お前の頭の中は金の事しか無いのか?」
「失礼な事を言うな! ちゃんと婚約者様の事も考えてるよ!」
ドールは怒っていたが、僕から見ると金の事と婚約者様の事しか考えていないように感じる。
「まぁいいや、話を続けよう。僕が考えているのは、簡易的なバーベキューコンロだ」
「軍隊が持ち運びしている物とは違うものなのか?」
サンペータは僕が考えているバーベキューコンロに興味があるらしい。
「軍隊が持ち運びしているのは、将校に関しては立派で重い調理器具だろ? 一般兵士は各分隊で焚き火程度の火で調理するんだったよな?」
サンペータに聞いてみた。
「ああ、そうだ。将校と一般兵士では料理自体違うからな」
サンペータは答える。
「まずは、これを見てくれ」
僕は収納魔法から試作品のバーベキューコンロを取り出す。日本でお馴染みのステンレス製の蓋の無い箱に空気穴が何個か空いた箱に4本の足が付いている。そして、安定感のあるものだった。
「これで、調理が出来るのか? どうやって肉を焼くんだ?」
サンペータ達はバーベキューコンロを物珍しそうにあちこち触りながら聞いて来た。
「おう、この箱の中に木炭を入れて、この網を箱の上に置くんだよ」
僕は収納魔法からステンレス製の網を取り出すとコンロの上に置いた。
「この網の上で肉を焼けるし、改良次第では鍋とか置いて、鍋料理とかも出来るようになるぞ」
「このコンロを持って良いか?」
マリックが重さのチェックをしたいようだ。
「意外に軽いぞ。それに錆びないし丈夫だ」
マリックはコンロを持ち上げ、
「確かに軽い…… しかし、この大きさはな…… もう少しコンパクトにならないか?」
「足を外せばコンパクトになるぞ。それでも大きいのであれば、箱を小さくすれば良いし」
「この足を外せるのか? じゃあ、足を取ってみせてくれ」
ルブランはコンロの足に人差し指を指した。
「わかった。この足を下に引っ張れば簡単には取り外しは出来る。付ける時は上に差せば良いだけだから簡単だろ?」
「俺にもやらせてくれ」
ドールは僕からコンロを奪うと、
「確かに簡単に組み立て出来る。これを売ったら金儲けが出来るぞ」
ドールは目をキラキラさせていた。
「木炭を使うからなぁ。持ち運びを考えると意外に軍隊では使えないかも知れないよなぁ?」
僕は問題点があることをサンペータに聞いてみた。
「そんなことないと思うぞ。改良を加えれば使えるかもしれない。マリック、オヤジ達に聞いてみようぜ」
「魔法師団でも使えるか聞いてみるよ」
サンペータとマリックは軍隊にバーベキューコンロを導入する気満々のようだった。
「じゃあ、もう少し運びやすいようにしてみるか」
僕はそう言って、頭の中で設計をイメージをして錬金魔法で試作品の二号を作った。今度のバーベキューコンロは枠を少し小さくし、さらに重ねて運びやすいように工夫を凝らしてみた。あと網にも鍋が置けるように更なる補強も加えた。
「これでどうだ?」
サンペータ達に今回の出来栄えについて聞いた。
「重ねるようにしたのか? これなら持ち運びの時に場所を取らないな」
「大きさも良いくらいじゃないか」
「市民に売り出そうぜ」
「これなら大鍋にも対応出来る」
サンペータ達は試作品二号を気に入ってもらえたようだ。
「じゃあ、早速5人で1台の計算で1000人程だから200個。いや、多くなるかもしれないから250個作るか。マリックも手伝ってくれ」
この中で、錬金魔法を使えるのは僕だけなので製作は僕、収納魔法を使えるマリックには収納をお願いした。
コツコツとバーベキューコンロを作っているとマリックが、
「アレク。ファンクラブのヤツらとはどうなった? 罠に嵌められたんだろ?」
マリック達はハニートラップの罠に掛かり落ち込んでいるだろうと思い、その話は出さないようにしていたみたいだが、意外にも僕が明るかったせいか、思いきって聞いてみたようだった。
「ああ、確かにヤツらのハニートラップに引っ掛かってしまったが、そんな小さいことは良いんだよ。ルナール嬢達と一緒に行動することにはなったけど、たまには一緒に行動するのも良いかもしれないしな。まぁ、勉強の一つだと思ってやってみるよ」
僕はどうにもならないときは、圧倒的武力で鎮圧する許可をマモォール鳥様からもらってるから心に余裕が出来たのかもしれない。
「アレク…… お前、何か変わったのよ」
「一昨日までのアレクじゃないみたいだ」
「うん、それは言えてる。どこがと言われれば困るけど」
「確かに雰囲気が変わった気がする……」
サンペータ達も一昨日までの僕の心の変化に気付いている様子だった。
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