ざまぁにはざまぁでお返し致します ~ラスボス王子はヒロインたちと悪役令嬢にざまぁしたいと思います~

陸奥 霧風

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第51話 最厄のヤベェコンビ爆誕!

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まさに、この世の全てを破壊尽くす一言だった。たったこの一言でその場にいた者全て凍りつき、いや、立ったままお陀仏状態であった。南~無~……


「えっ!? 何を作るの? まさか子供?」

「「「――――――!?!?!?!?」」


この一言が周りをどれだけ恐怖と絶望のドン底に突き落としたか……

人とは何と罪深き生き物なのだろうか。ここまで平然と言いのける人間がこの世にいただろうか? 僕はこれまでそんな人間をみたこともないし、経験もしたこともない。

「ナ、ナ、ナ、ナ、ナニヲイッテルノアナタ」

名軍師とまで呼ばれた天才軍師メアリー嬢もあのミレーユ・デストロイヤーの奇襲攻撃を受けたら戦略・戦術も全部ぶっ飛んでブッ壊れた。

「あれ~ 違うの? あっ!そうかぁ、子供じゃなくて、赤ちゃんだった! 赤ちゃんってどうしたら出来るの? ねぇ? ねぇ?」


「「「――!? ……………………」」」


ミレーユ・デストロイヤーは無慈悲にも全ての者に止めの一撃と言わんばかりに追撃を加えてくる。ヤツには本当に慈悲の心は存在しないのか? あるわけが無かった。何故ならヤツはデストロイヤーなのだから…… 

この場にマモォール鳥様がいらっしゃても全軍撤退の命令をしているだろう。それだけ酷い有り様だった。焼け野原に一本の若葉あったとしよう、それを見た人は勇気と希望を感じ、前へ進もうとするだろう。しかし、この場には一本の草すら生えていない…… 絶望の二文字しか存在しない……

「淑女がそんなことを言ったら品位を疑われてしまいますわよ!」

この場で一番早く戦闘態勢を整えたのはフローラお姉様だった。

「私…… 変なこと言った?」

『うん うん』

その場にいた一同は首を上下に振り、デストロイヤーの意見を肯定した。

そして、ブッ壊れは天才軍師メアリー嬢がついに動き出す。

「どうして私がアレク様の子供を孕むと言うのですか!」

「孕む? 孕むってなぁ~に? ねぇ、教えてよ。メアリーちゃん」

メアリー嬢はハッ!とした顔になり、自分自身の言葉に気付いようで、その後は魂でも抜けた状態となり、生きる屍となった。

いち早く『孕む』と言う言葉に反応したデストロイヤーは生きる屍と化したメアリー嬢の身体を揺さぶっていた。

「ねぇ! ねぇ! 孕むって何?」

「……………………」

生きる屍は答えない。

「ねぇ! 無視しないで! 孕むってどういうこと?」

「……………………」

さらにデストロイヤーは生きる屍の身体を揺さぶる。

「もう! メアリー嬢のイジワル! クリスちゃんに聞くからもう良いモン!」

デストロイヤーは憤慨し、標的をクリス嬢に変えた。

「ねぇ クリスちゃん、孕むってわかる?」

「分かんない」

クリスも孕むとはどう言うことか分からないようだ。クリス嬢はルナール嬢に絡み始めた。

「ルナールちゃん、孕むって何? 私も分かんない! ねぇ! 教えてよ、ルナールちゃん」

「物知りのルナールちゃんならわかるよね? 孕むってホントに何なの?」

クリス嬢だけではなく、ルナール嬢に纏わりつくデストロイヤー。

「……………………」

ルナール嬢もあまりの事態に脳が別の世界に行ったらしく呆然としていた。

「あっ! マリアちゃんなら知ってるかも」

「ねぇ! ねぇ! ビッチのマリアちゃんならわかるよね? 孕むって何? 教えてよ」

「……………………」

マリア嬢は周りからビッチと認定されていたのがショックだったのか、口から泡を吐いて気絶していた。


――そんな娘じゃないはず…… 彼女の名誉為に一応はフォローを入れてあげるけど実はビッチだったんだよね?


「もう! ホントに役に立たないわね!」

デストロイヤーは自分の思い通りにならないことに憤慨していた。そして、先ほどまでいた女子生徒もいつの間にかいなくなっていた。逃げたな……

残るは最後の砦、フローラお姉様のみとなった。 どうするお姉様?

「ねぇ! ボインボインでプリンプリンのフローラちゃん。男を誑かしてそんなに楽しいの? 本当は孕ませるって知ってるよね?」

フローラお姉様に対して、容赦のない一撃を加えるデストロイヤー。

「フローラちゃんもビッチだったの? 早く孕ませって教えてよ!」

クリス嬢も更に過度な追撃を加える。クリス嬢がビッチと言う言葉を知らないで使っているのだろうと信じたい……

フローラお姉様も折角立て直した防御態勢も呆気なく崩されてしまった。フローラお姉様もまた男好きと見られていたことに涙目になりながら撃沈されてしまった。


――なんなんだ、このカオスの世界は……
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