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血まみれの異物。ー掏摸。ー
しおりを挟むある処に女がいた。
その女は魔道士でありながら、最弱であったのだけど。
ある木の下で、少年と会った。
襤褸を纏っていて、鎖を付けられていて、可哀想だと思い拾った。
とは言っても…寝ていたのだけど。
さて。
この女は魔道士であり権謀術数というものに、興味を持っていたし好奇心が抑えられないのである。
部屋の中には、所狭しと本が積まれていた。
表紙に文字が書かれているものもあれば、絵だけのものもあったわけで起きた少年は興奮を抑えられないのか、鼻息荒く教えを乞うた。
あるいは、あるいは。
役立てたかったのやもしれないが。
まあ、そんなのは隅に置いておいて。
まずは絵だけの書物を見せ、興味を持たせた。
それから女は囁くように、または諳んじているのか、これ幸いと歌うように、詠唱してみせて魔法を教えた。
それに影響を受けたのかなんなのか、少年は熱心に魔法の鍛錬に集中し始めていた。
少年はそのお礼に楽器を弾いた、不思議な弦楽器を。
それに感動した魔道士は後に宝石商を紹介したのであるが、結果として。
とある国は異形、あるいは人間の手により滅んだのだった。
『正義とは末恐ろしいものだ』
『喪ったモノ共の怨嗟はここまで届く』
こう歌ったとか、なんとか。
正体は分からないが、憶測ばかりが飛び交ったとのこと。
男性曰く、『少年の姿をしている』と。
初老の男性曰く、『花を摘んでいる』と。
茶髪の少年曰く、『顔の見えない誰かと楽器を弾いているよ!』と。
学生曰く、『なんで薬神の思うがままにさせてやれない?』と。
学生曰く、『なんで獣人の思うがままにさせてやれない?』と。
妖精曰く、『憤っているのよ。穏やかに、『モコフォレード』と一緒に。…または深い海の宝石に隠れて、ね』
学生の友人の女学生曰く、『わたしはその姿は見れなかったが、飛び散る血が美しかった』
また別の男性曰く、『まるでナニカを恨むように、執拗に拷訊していた』
とある『モノ』曰く、『色黒の獣人に懐いていた』
また別の友人のとある『モノ』曰く、『色白の獣人とは相容れないんだそうだよ』
女性曰く、『黄金色と水色の髪が美しい亜人の姿をしていた』
男性曰く、『筋骨隆々の男の姿をしていて戦場を駆け回っているのだそうだ』
と、こんな感じで噂や憶測ばかりが飛び交い、錯乱したモノ共がギャーギャーと騒いでおった。
エェ 、実に愚かに御座い ますなァ。
くふふ、『人間』というものは疎かよな。
実に愛い仔らよ。ああ!それでいて浅慮ぞ!
これにて、これにて閑話休題と致しましょうぞ……。
『皆様方』。
ある処に少女がいたのだけれど、その少女は相容れないものがいたとか。
ある処にはね!キモノ?を着た男の人がいたんだよ!
その男の人は、山葵色のキモノを着た男の人と戦ってた!
ある処に鬼がおったそうな。その鬼は、相容れないものがいたとか。
ある処に、彷徨い啼いているモノ共がいるとは、憶測がなされているのだそうだが。
とある処には少年がいた、平々凡々な、ただの少年が。
とある処に二つの刀を奪った何者かがいた。
だけど、残念なお知らせだよ。
さてさて、これはどんな感じになるのだろう。
愉しみにしてるの、私たちの周りにいる全員も。
早く見せておくれよ。
愉快愉快!
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