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少しばかりのお話ー幽霊の面を被った彼ー
しおりを挟む『皆様方』このような辺鄙な『劇場』においで下さり、真に感謝申し上げます。
「ありがとうございます。」
私達は『皆様方』にそうしてお辞儀をした。
それではこんな所でお話するのもなんですし、席にお座りくださいませ。
「今回も私達がご案内させていただきますね!暗いので足元にご注意くださいませ!」
ああ、そうそう。
忘れるところでした、最後尾にいる【貴方】は一体誰なのです?
『……………………………………。』
ふっ、答える気はないようですね。
「え?この方は一体?」
…………いいえ、『名も判らぬだれか』でございましょう。
「そうなんですか?!」
『…………。』
そのお方は頷いて、【もう一人の案内人】より一足先に席に行きました。
私の案内を聞くより前に、席のそばで待たれているようです。
それでは席にお座りくださいませ。
席にお座りになられる皆様方を眺め、それから自らもお座りになられたようです。
「それではご注意点を、申し上げます。」
・全ての小説は二次創作対象になります。
・オリジナルキャラが、出演する可能性があります。
・キャラ崩壊にご注意くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
・容姿説明の際にもアナウンスが入りますのでご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
・暴力シーンがお嫌な方は『劇場』から速やかにご退場していただければ全額返却いたします。
それでは一ベルを鳴らさせていただきます。
リィィイイイィイイイィイィィン……。
それでは本ベルを鳴らさせていただきます。
リィィイイイィイイィイイイィン……。
「『皆様方』、お待たせ致しました。」
演目名を告げさせていただきます。
『少しばかりのお話ー幽霊の仮面を被った彼ー』でございます。
之より、演じますは『かの幽霊の面を被ったもの』がだれかとお話する物語になります。
所謂、『幕間』の物語と存じます。
それでは演じ(始め)させていただきます。
「開幕致しますー、開幕致しますー。」
ーーー演目開始ーーー
「あーあ、暇だなー……。
ん?そこにいるのは……。
おーい!『かの幽霊の面を被った奴』~!」
「おお、振り向いた。
反応するなんて珍しいな!
ゲラゲラ……あはは、反応するだけで面白く感じるなんて、な!」
ーーー容姿説明に参ります。ーーー
黒いローブを着ており、面を着けておられます。
「よいっしょっと……。」
そう言ってから面を取ると、隠されていた顔立ちが露になりますね。
黄金色の髪に、インナーカラーなのか黒髪が一房ちらりと見えますね。
目は利発そうで元気な眼でございます。
鼻筋が通っていて、唇も丁度いいところにありまして、ふっくらとしていそうで薄い薄桃色の唇でございます。
両耳の耳たぶにピアスを、二個開けておりますね。
あ、襲わないようによろしくお願い申し上げます。
そんなわけで、美形でした。
ーーー容姿説明終了いたします。ーーー
「おいおい、『かの幽霊の面を被った奴』~無視すんなよー!
寂しくなっちゃーう!」
『…………………………』
「ああっ、行かないでー!
分かった、わかった!
真面目にやるからー!」
『…………………………』
「行かないでってば!
お前……ひどーい!
『かの奥さん』が酷い目にあってるって言うのに、それでいいのかよー!?」
『…………………………』
パリッと音がした。
ズドォン!と黒いものを纏った雷が俺の、真上と横や斜めも勿論後ろから落ちて、向かってきた。
「うおっ……!おま、それは危ないじゃないかー!!」
叫びながら逃げる気だとわかっていながらそいつは、俺に黒いものを纏った雷を歩いて行きながら向かわせた。
俺が逃げながらそれらを退けた時には、『幽霊の面を被った奴』は忽然と消えていた。
「…………『かの奥さん』はどうするんだよ、『かの幽霊の面を被った奴』。」
俺の呟きは、館の虚空に溶けて消えた。
ーーー演目終了いたします。ーーー
「お疲れー!【案内人】!
【もう一人の案内人】もお疲れだー!」
「お疲れ様です!『ルペ・リシフムエ』様!」
「おうよ!」
お疲れ様でございます、『ルペ・リシフムエ』様。
「おいおい、堅苦しいのはやめろって前から言ってんだろー……。」
呆れた様子で言いましたね。
申し訳ありません、抜けないもので……。
「まあいいや、お前が怪我人を治してくれているのはよーく分かっているよ。
お利口さん、【案内人】。
頑張ってるよ、お前。」
優しく告げていただけるこの方も、皆様方も皆尊い神様ですね……。
「お?何?泣いてるのー?」
泣いてはいませんよ、『ルペ・リシフムエ』様。
「わーってるわーってる。
声変わってないもんなー。」
そうですね。
「じゃあなー!」
さて、『皆様方』当『劇場』にご来場ありがとう存じます。
またのお越しをお待ちしております。
「ありがとうございましたー!
またおいでくださいませー!」
(【案内人】がそう言いますと、45度に腰を曲げてお辞儀いたします。
【もう一人の案内人】が元気な笑顔でそう言いますと、【案内人】に倣いまして45度に腰を曲げてお辞儀いたします。)
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