獣神の愛憎闘記

影狼

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獣神の愛憎闘記。ー之より演じますは。ー

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 初めてのご来場の方も、いらっしゃるようなので。

畏れながら、自己紹介をさせていただきます。

真名ではないので、悪しからず。

シオネクライネーゼ・パレッチェと、申します。

 基本的に、どの物語にも案内人として登場いたします。

皆様に心地好い演劇を、お届け出来たらと思います。

おや、ネルルキプスさま……。

くす、ようこそおいでくださいました。

すみませんが。

『粗忽者共』が、やって来たようで……私は席を外します。

私が代わりにやっておきます…………どうぞ、『案内人』は「愉しんで」手伝ってください。

ゴホン、申し訳ございません。

私共は、貴方の敵でございます。

ああ、「グリフォン」と申します。

どうぞ、よしなに。

演目名は「獣神の愛憎闘記」に、ございます。

それでは、皆様にご注意点をいくつか説明いたします。

・全ての作品は二次創作対象になります。

・キャラ崩壊にご注意くださいませ。

・吸血シーンや流血表現がお嫌だと感じた方がいらっしゃった場合、速やかに劇場からご退場いただければ全額返金いたします。

・その際後悔しないでくださいませ。

遅くなりましたが、まずは。

一ベルを、鳴らさせていただきます。

リリリリリリリリリリリリイィィィィンンンンンン……。












それでは本ベルを鳴らさせていただきます。

リリリリリリリリリリイィィィィンンンンンン……。







それでは、遅くなりましたが、始め演じさせていただきます。

 開幕いたします~、開幕いたします~。

       ___演目開始___

ユリ様が産んだのは人に近いが、耳と尻尾があり。

牙が鋭い所謂狼男(ややこしいので獣人と統一させていただきます(*´ー`)(笑))、でした。

そのお一人は、家の中に居たため。

色白、であらせられました。

(ハイツ様は人として、狩人として生きているので耳は出したり隠すことも可能です。)

(後は草食系に見えて肉食系です♪(笑))

(牙、耳、尻尾を出したまま狼として、生きているのはもうお一人の方である、兄のハイト様です(笑))

お二人とも、運動能力が高いです。

ユリ様は色白美人で、やさしい方でございます。

勿論、ユリア様、マリア様もそうでした。

マリア様はそれに加えて、元気でした。

先祖代々から男子が二人産まれたら、兄は狼として。

弟は人と、狩人として育てる決まりでした。

けれどマリア様とハイト様とハイツ様は、そんな。

事情も知らずに、幼少期の頃から遊んできました。

その日常が、壊れ始めたのは四歳の頃でした。

マリア様は、母君であらせられる。

ユリア様にいきなり言われました。

言い含めるように、ゆっくり言われました。

『あの仔達とは、もう遊べないのよ』

そう、ユリア様は仰いました。

私はショックだったが、子供なりに。

納得した…、つもりだった。

が、どうやら。

母には納得していないと、ばれたようだ。

その後大泣きした。

―――――――――――。

どうしてハイツ、ハイトと遊べないの?と涙声で、言ったら母は困った顔で笑うだけだった。

それが唯一、覚えている記憶。

それ以外は小さかったから、覚えていない。

今は二十歳なので、十六年前の記憶だ。

ハイツと、ハイト元気かな?そうだ!葡萄酒とケーキとパンと紅茶を持っていこう。

ケーキは箱に入っているのをそのまま持つとして、葡萄酒はボトルに入っている奴をカバンに入れて、パン箱切りにして運んで、紅茶は袋に入ってる茶葉があるからいっか。

水はあっちで借りて紅茶を作ればいいよね!

愛用の赤ずきんをかぶって出~発!

もう少しでハイツ、ハイトの家に着く!嬉しくてステップを踏みつつ、リズムを刻んで叢の近くに言ったら音がした。

『ガサッ…!』

それを聞いた瞬間、絶叫してしまった。

「ギャアアァアァァァッァァァァアア!?何!?何!?何が起きたのぉぉお!?」

そしたら、人が飛び出してきた!

その人は第一声が中々ひどかった。

『うっせええ!お前の声で気絶しそうになったわ!全く変わらねぇなあ。』

半ば呆れ気味で言った人…ってまさか。

「ハイト!?」

『ああ。マリア。しっかしお前のビビ利用と来たら‼面白れーよ!今も昔も。アッハハハハハハハハ!』

⁽大笑いの⁾ハイト様でありました(;´∀`)₍笑₎₎

私達は王の影の一人です、眼として動くのです。

あのお方の仰せのままに遂行して魅せましょう。

もう一人のこれ、も眼として動くのみです、白いローブの何柱かも王の影として。

潜んでいるかもしれませんが、あなたは少々遅すぎたようです。

其処から幼少期の話になった。

よく見てみるとハイトは、相変わらず耳、尻尾、牙を出しっぱなしにしているな~と、苦笑いをした。

懐かしい顔ぶれがあると、喜んで会話に参加したハイツも交えて話に花を咲かせた。

「ハイト、ハイツは小さいときは変化をよくしてたよね?」

「ああ。そうだな。だが六つの時か?四つの時か?」

『…ああ、四つの時だな、俺達が遊ばなくなったのって。』

『俺達が人、狼の教育を受け始めた頃からだよ。知ってたか?マリア。』

疑問を首を傾げつつ、ハイツと、ハイトに投げかけると二人とも考えて答えてくれた。

…笑って答えよう、笑顔で答えなきゃいけないのに。

起きて

『起きて』

そう思って笑顔で、いるマリア様の記憶の、奥底に封じ込めていたノイズが記憶の表面にのっそりと起き上がり始めました。

起きて

『起きて』

それを感知した、マリア様は苦しくなり、歪んだ顔を下に向けました。

そして、手を強く握りしめながら、顔を見られないよう努め、トラウマを堪えました。

『起きて』

起きて

厭だ、起き上がらないで。

『どうして?』

どうして?

幸せな時間を染め上げないで。

へー、そうなの?

『嫌だと言っていても、どうもならない時も訪れるもんなんだよ、お嬢ちゃん』

マリア様はそう願いながら、暫く耐えていましたが、少しずつ少しずつノイズが、起きてきています。

――――――――――――――――――。

                  ーノイズ到達。ー

      ―回想に突入いたします。―

『忌み子だー』

『朱い眼、気持ち悪ーい。』

『『『『『キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!』』』』』好奇の目にさらされてる

皆が誰かのことを見て笑っている。

誰を?私だ。

私を見てる。

指さしてクスクス笑ってる子もいる。

皆の好奇の目に晒されてる。

『嫌ねぇ…』

『あの子が噂の?』

『そうらしいわよ?』

『汚らわしい子ね???』

『クスクスクス…ヒソヒソ…』

あの子の親までも…みんなみんな。

見ている。

              ―ノイズ浸食―
              ―回想終了終了いたします。―

『……森の奥深くに、または遠い所にありそうな花と言えば……』

「…リア」

『………また貴方が。』

…低い声が心地いい、でも・・・。

『嬉しいです』

手を強く強く握りしめ、血がにじみ出るのも構わずトラウマに耐えているのにもかかわらず、顔が歪んでゆくのを感じたマリア様はそのまま顔を上げられなくなりました。

『ふふ。』

そして、アリア様は本当に息を、吐き出すばかりです。

彼女の絶えている姿を痛々しく思ったのか、それを見ていられなかったハイツ様は、一旦叢の陰に隠れました。

『待っていたよ、『____』[ノイズが酷く音声不明]。』

いいえ、彼のことですから、何か仕掛けるでしょう。

猛獣不知しらずの、けもの恐れずの…か。』

何故かというと虐められていたのも、仲が良かった子を離して孤立させていたのも、各自の親にまで噂を流していたのも、ハイツ様の仕業なのですから。

『ね、ぼくたちのおひめさま。』

虐めるのを指示していたのも、アリア様と仲が良かった子に、脅しをかけていたのも、子が親に噂を流すのを、助長させていたのも全て全て、マリア様に自分を好きになってもらえるようにするためでした。

『今日は何をしようか?』

マリア様が自分を頼ってくれるように、マリア様が自分を好きになってくれるように、マリア様が自分しか目に入らなくなるように、自分しかマリア様を愛することができないように、マリア様が自分しか頼れないようにすることを、ハイツ様はずっと、ずっと十六年間夢に見ていました。

『けものしらず』

所謂、一目惚れというやつでございます。

結論から言うと、概念から言うと。

それから、ハイツ様はご自分の兄妹すらも邪魔に思い始めました。

細胞に過ぎず、一つ潰したところで分裂して増えていく。

ですがそもそも、妹君は兄君について回っているばかりでした。

しかし、本物の神々はそうはいかない。

一番上の兄君は、昔から世界を放浪するばかりで、家には帰ってこないことが多かったのであります。

世界を見守る役割を与えられ、上の世界から「期待」されている。

なので一番優先するべきは、排除すべきは兄君だと狙いを定めたハイツ様でございます。

宝の名を与えられ、植物の名を与えられ。

兄君が邪魔だったので、先ずは兄君の交友関係から、根絶してゆくことに決めたハイツ様は友人たちにこう言いました。

隠れ蓑の役割を果たし、隠されるべき厄災達を「殺して」きた。

『お兄ちゃんが君たちの悪口を言っていたよー。』

それが今や、何千匹もいて。

『君は横領が悪い。』

我がものにせんとす、怪物達が現出しようと門を叩いている。

『君がお兄ちゃんを好きなのを冷たくあしらっていたよー、そんな尻軽女なんかこっちから願い下げだって言っていたんだってー淋しいねー?』

ノイズが響く。

と、こんな感じで事実と嘘を織り交ぜて皆に申していました。

ノイズが、妨害をする。

まず、要領が悪いといわれていた子はその代わりに、情報を集めるのがうまい、といったことなので、諜報員の要になったといいます。

ひび割れていく!

これは別の小説に出てくる、票のように鋭く冷たい目をしているため、人に必要以上に怖がられている方でございます。

ひび割れていく。

今は漫画家様のアシスタントをしているとか何とか・・・。

カメラ達が、壊れていく!

兄君が好きなのに、冷たくあしらわれていた方は、今は兄君とともにいらっしゃるとかなんとか。

眼の役割をしている、月のひとつが染まっていく。

長兄がとあおー

月の瞳がひとつ射抜かれた、月の満ち欠けが。

不安定に、なっていっている。

ノイズが再び、響く。

___ノイズ到達。___

聖堂に見せかけ、さらに教会に偽装した教団の周りに術が数多かかっていた。

少年が、『あの仔』がシスターさんを睨んでいる。

なんの脈絡もなく、なんの動きもなく。

シスターの、魂と肉とが24分割されていく。

その瞳は極寒地獄の如く、冷たい眼。

その瞳はなんの期待もしていない、冷酷な眼。

女狐、とその小さな口が動く。

よくぞ、戯言を言ってくれた。

少年のそばにいる獣人のシルエットが、僅かな指先の初動で動かすと。

即座に少年と、「王」の影が動いた。

『哀れむ未来も過去もなく』

二人静の如く、現れた。

『鋭狼の教鞭』

長髪の、目元が涼し気な青年が現れた。

『酔狂の轟』

高低の二つの咆哮を合図に、くたびれた中年の男性が現れた。

『霞龍が訪れる時、咆哮が雷鳴の如く二つ響く』
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