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恨みつらみは晴れず、されどその果てに。-憂い。-
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恨みつらみは晴れず、けれどその奥底に眠る───ナニカが居たのだろう。
『白い和服が似合う人物が何かを歌い上げるように、声を出す。』
『すると、手は消えかかっているにも関わらず抵抗する。』
『抵抗せよ、強者共』
『そうして、遠くから開かれてゆく空間を閉じていく。』
『和服の人物は振り向き、角を持つ人物へと深くお辞儀をする。』
『目を閉じたような気配を感じ取ったのか、白い和服を着た人物が。』
『手をついたお辞儀の体勢から、動かずに動じずにいる。』
『そのまま、角を持つ人物が暗い部屋の中心。』
『彼女のそばから少し離れたところにいる、人物を指さした。』
恨みつらみは晴れず、けれどその奥底に───纏わりつく妄執が居たのだろう。
『終わらない悲しみ、纏わりつくその顔にあるのは歪んだ』
『白い和服を着た人物が、奏上するようにするすると出していく。』
『先程より、凄みのある喉音がその布の下から響いている。』
『人物は苦しみ、もがくこともできぬまま声を殺し続け』
『無言で角を持つ人物は、杯を傾けて』
『白い和服の人物は、高い声で朗々と』
『終わることはない、これは───』
誰にも渡さない。
『声に出さず、人物の首に手をまわし絞め続ける。』
『まるでこんこんと水を出し続ける泉のように、ほど遠い妄執はぶつぶつとつぶやき。』
『壊れてしまった理想に、もがき続ける人物の願いを踏み躙るかの如く。』
『壊れてしまった人物に、悲しみを抱く痛む縁を囚う歪んだ欲望が耳元で。』
『あなたは本を読み進める、その耳には届かない』
『その笑いには何が映る、その指には何が握られている』
『無音で、無言で。』
憂いは晴れず、けれどその奥底に眠る───ナニカが居たのだろう。
『杯を傾け、そして角を持つ人物はそれを置くと。』
『冷たい目を向ける気配がする、それは。』
────拒絶か、呆れか。
────興を削がれたか、理解したうえでの顰蹙か。
『いずれにせよ、そのモノに情を向けることはないのだろうけれど。』
彼等にしか聞こえない音が幽かに、響く。
『角を持つ人物が無音で、囁くような気配がした。』
『無理難題、あるいは隔絶された空間での無間地獄』
『現出せしは白黒の双子、神代より暴虐などの憂き目に遭った白き仔。』
『現出せしは白黒の双子、近代よりボヤなどの憂き目に遭った黒き仔。』
『双子が喜びを表現するように、踊り狂う。』
『双子が哀しみを表現するかの如く、暴れ狂う。』
『やぁ、また会えたね?』
『ずいぶんと様変わりしちゃってたね、伯爵』
人物は何も語らない、いまだその高貴さが潰えることのないのはなぜだろう。
『悲しみの渦中にあっても声を上げることをしないのは賢明な判断だね、優秀なモノたちは』
それでも潰されてしまうのが多いから、そうでしょ?
『話がずれちゃったね、今君の目に映っているのは何かな?』
『先程の手より優しい気配を放つその手に、すがるように。』
はたまた───。
『抱える想いを、地獄より酷い極寒』
『白い和服が似合う人物が何かを歌い上げるように、声を出す。』
『すると、手は消えかかっているにも関わらず抵抗する。』
『抵抗せよ、強者共』
『そうして、遠くから開かれてゆく空間を閉じていく。』
『和服の人物は振り向き、角を持つ人物へと深くお辞儀をする。』
『目を閉じたような気配を感じ取ったのか、白い和服を着た人物が。』
『手をついたお辞儀の体勢から、動かずに動じずにいる。』
『そのまま、角を持つ人物が暗い部屋の中心。』
『彼女のそばから少し離れたところにいる、人物を指さした。』
恨みつらみは晴れず、けれどその奥底に───纏わりつく妄執が居たのだろう。
『終わらない悲しみ、纏わりつくその顔にあるのは歪んだ』
『白い和服を着た人物が、奏上するようにするすると出していく。』
『先程より、凄みのある喉音がその布の下から響いている。』
『人物は苦しみ、もがくこともできぬまま声を殺し続け』
『無言で角を持つ人物は、杯を傾けて』
『白い和服の人物は、高い声で朗々と』
『終わることはない、これは───』
誰にも渡さない。
『声に出さず、人物の首に手をまわし絞め続ける。』
『まるでこんこんと水を出し続ける泉のように、ほど遠い妄執はぶつぶつとつぶやき。』
『壊れてしまった理想に、もがき続ける人物の願いを踏み躙るかの如く。』
『壊れてしまった人物に、悲しみを抱く痛む縁を囚う歪んだ欲望が耳元で。』
『あなたは本を読み進める、その耳には届かない』
『その笑いには何が映る、その指には何が握られている』
『無音で、無言で。』
憂いは晴れず、けれどその奥底に眠る───ナニカが居たのだろう。
『杯を傾け、そして角を持つ人物はそれを置くと。』
『冷たい目を向ける気配がする、それは。』
────拒絶か、呆れか。
────興を削がれたか、理解したうえでの顰蹙か。
『いずれにせよ、そのモノに情を向けることはないのだろうけれど。』
彼等にしか聞こえない音が幽かに、響く。
『角を持つ人物が無音で、囁くような気配がした。』
『無理難題、あるいは隔絶された空間での無間地獄』
『現出せしは白黒の双子、神代より暴虐などの憂き目に遭った白き仔。』
『現出せしは白黒の双子、近代よりボヤなどの憂き目に遭った黒き仔。』
『双子が喜びを表現するように、踊り狂う。』
『双子が哀しみを表現するかの如く、暴れ狂う。』
『やぁ、また会えたね?』
『ずいぶんと様変わりしちゃってたね、伯爵』
人物は何も語らない、いまだその高貴さが潰えることのないのはなぜだろう。
『悲しみの渦中にあっても声を上げることをしないのは賢明な判断だね、優秀なモノたちは』
それでも潰されてしまうのが多いから、そうでしょ?
『話がずれちゃったね、今君の目に映っているのは何かな?』
『先程の手より優しい気配を放つその手に、すがるように。』
はたまた───。
『抱える想いを、地獄より酷い極寒』
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