伯爵は令嬢とおかしな話をしたいそうです。-もっふもふ!!!ー

影狼

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しんしんと降り積もる。-白雪。-

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『大将、あの件はもういいんですか?哀れだとは思いやすが機会がありゃあいつでも一揆しまさぁ』

『…』

『そうでしたか、とと。ありゃ白い兎が紛れ込んできましたなァ…こりゃ荒れますねィ』

『…』

『大将も知っていまさ、ありゃあ…』

白い雪に似た物体がふわりと、人物の頭の上に降り立つと。

そのまま下へ滑り落ちるように、地面へと。

膨張し、あるいは音もなく人の形を模ってゆく。

桜の花びらが盃にひらりと落ちてきたのを合図にするかのように、杯に反射するのは。

『鬼なんですからねィ。二つの世界からの贈り物を反故にした、不俱戴天の仇の如く奴さんらが怒り狂っていまさ』

角を持った人物の角、ではなく──視界を覆う程の巨大な剣かあるいは。

鏡月が水面に反射する、それは絶対的支配者の恩恵でもなんでもなくお叱りといったところだろう。

その瞬間、神速も神速。

恨みつらみは晴れず、されどその果てに待は宵へと沈む。

恨みつらみは晴れず、されどその奥底に眠る───ナニカが居たのだろう。

『海の底へと沈むがよい、記憶してやろう』

『晩鐘、膿』

二度目も淡々と告げたのは、絶対的支配者でも角を持った人物でもなく。

───黒いローブに濃紫の模様をはためかせていた、人物。

『それでもあの膨大な呪いを耐えきっているのは驚きましたねィ、なかなかどうして。』

『…』

中岸さんらにとっても、愉快なことか相棒にはわかりゃせんのが惜しく思いまさぁ。くくっ…オッとぉこれを手打ちとしてくれやせんか?』

『…』

『やぁ、また会えたね?』

『さて、ずいぶんと様変わりしちゃってたねぇ。伯爵』

『────角を持った人物君。高貴な姫君は未だに君の手の中に納まっているようだ、悪戯が外れずにこれたのも君のおかげだよ?』

ぽちょん。

盃に映るのは、緑色のイヤリングに反射する駒鳥の姿。

それを豪快に飲み干しつつも、白い和服の人物へと合図をする。

『ずいぶん思い切りがいいね、鬼なら仕方がない部分もあるけれど。弟たちによろしく頼むよ「お白」さん』

『郷愁、焦がれに焦がれた黒は無垢なままの白を囲む』
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