偶然のフェレテリア。－ゲヘナー

顰蹙を買った原因と結果。―代価。－

紳士淑女の皆様、ようこそおいで下さいました。

私の声は聞こえますか？聞こえるようでしたら私が誘導いたします、どうぞご安心ください。

一つの劇場のモノが手荒な真似を、失礼いたしました。

当劇場の案内人の一人、■■■■■■■■■・■■■■■■とお迎えに参りました。

『紳士淑女の視界に蜘蛛の糸、ささやいて転成』

明かりがなくお手数をおかけしますが、お足もとにご注意くださいませ。

このような場所にいらっしゃいますと気が滅入りますよね、なんせ。

暗いもので不便を感じられるかと、重ねてお詫び申し上げます。

『不穏な空気、声の裏に隠れるのは』

声の主が歩みを進めていくのが声の遠近や反響で判別がつく、気配がないようだ。

あのような場所には赴けないように、幾重もの罠や人除けを施していました。

ですのに、ご来場いただいた皆様はどのように来られたのですか？

ご招待した皆様と数が合わないのですよ、不思議だと思われませんか？

ご招待した皆様にお教えしているのですが、どうやら。

私共の、想定していた皆様方とは違う顔ぶれのようで。

粘着質のナニカが紳士淑女の皆様へ、絡みついてぐずぐずに崩れていく。

何処を逃走しているか、わからないままに紳士淑女の皆様の悲鳴や怒号が響くだろうか。

『静まり返った周囲。行脚』