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青の章
04.不協和音
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あれから一行は第16都市を出発し、死の森へと向かっていた。
エレナが乗る魔導車を先頭に、トウコたちはその斜め後ろを少し離れて走っている。マリーが、1度行ったことのある自分たちが先頭を行くべきだと強調したが、エレナは「忌み子の後ろを行くのは嫌」という一点張りで譲らず、護衛らもまた実力は十分だから先頭を行くと言い張り、マリーが諦めこの結果になった。
「まあいいんじゃねーか。この辺は大した魔物もでねーしな。アイツらが片付けてくれるってんなら、俺たちは楽しよーぜ。」
見張りのために開口部に膝を立てて座ったリョウが煙草を咥えてのんびりした口調で言い、その隣に同じく見張りのために座っているトウコがマリーに聞く。
「それで、あっちの護衛は大丈夫そうなのか?」
「前衛が2人に魔導士と中衛が1人ずつらしいわよ。」
「安定してるな。」
「俺たちよりよっぽどバランス取れてんな。クソつまんねー構成だ。」
「リョウさんたちは全員が前衛ですもんね。」
ヨシが少し笑いを含んだ声で言うと、「私はヒーラー、後衛よ!」とマリーが言い返し、それを聞いたヨシザキがぎょっとした顔でマリーを見ていた。
それには構わずマリーが続ける。
「でも、辺境とその他の都市周辺では魔物の強さが違うって話にはあまり耳を傾けなかったのよねぇ…特にあいつら第4都市から来たわけでしょう?中央に近付くほど魔物は弱くなるのに…」
マリーはエレナの護衛の、恐らくリーダー格であろう大剣持ちの男と今後の方針を話し合った際、辺境の魔物に関して必要最低限のことを話そうとした。
しかし、男はマリーの話をまともに取り合わず、そこへなかなか出発しないことに焦れたエレナがやってきて、マリーの言は自分たちの足を引っ張ろうとする偽りの情報であるとまで言い放った。
「死の森に入るまでに1度魔物と遭遇したいとこだな。」
「そうね。そうすればあいつらの実力が分かるものね。」
そこでこれまで黙って話を聞いていたヨシザキが会話に入ってくる。
「あのぅ…皆さんが以前行かれた時は魔物に襲われたんですか?」
「2回遭遇したかしらね。」
「に、2回もですか…。」
ヨシザキが少し怯えた声でそう言った時、リカも運転席から明るい声で会話に入ってきた。
「リョウさんとトウコさんってば、ホントに凄いんですよー!2人とも石で魔物をやっつけちゃうんです!」
「い、石…ですか?」
ヨシザキの困惑をよそにリカは続ける。
「トウコさんが石を投げると魔物がバーン!で、リョウさんが投げたらババババーン!なんです!」
「えっと…」
リカの説明になっていない説明に困惑したヨシザキを見かねてヨシが声をかける。
「ヨシザキさんすみません。アイツのいう事は気にしなくていいです。でも、トウコさんやリョウさん、それにマリーさんが凄いのは確かですよ。安心して大丈夫です。」
「ああ、君は先日の遺跡調査にも同行していたんでしたね。やはり皆さんに護衛してもらうのは正解でした。なのにエレナは・・・。」
そこでヨシザキは言葉を切り、眉を下げて申し訳なさそうに続ける。
「本当に今回はすみません。エレナの我儘で・・・。」
「お前は悪くないんだ。鬱陶しいからもう謝るな。今度謝ったら髪毟るぞ。」
リョウが本当に鬱陶しそうな口調でヨシザキに言い放ち、ヨシザキはわずかな髪を守るように頭を両手で抑え、「き、気にしてるんですよぅ・・・」と悲し気な声で呟く。
「リョウは本当に毟るから、もう謝らない方がいいぞ。」とトウコが笑いを含んだ声で言うと、ヨシザキは「ヒィ」と情けない声を出した。
その後しばらく会話がないまま時間が過ぎたが、マリーがふとヨシザキの方を見ると話しかけた。
「ねえヨシザキさん。エレナさんっていつもあんな感じなの?こう言っちゃなんだけど、プライドが高くって一緒に仕事するのは大変そうね。」
「実は僕もエレナさんのことは良く知らないというか、今回初めてお会いしたんです。」
「え、そうだったの?同僚とかじゃないわけ?」
「違います。エレナさんは今回の軍の視察団と一緒に第4都市から来られた方なんです。あ、僕は第16都市所属ですよ。中央に近い第4都市なので、エレナさんはエリートと言ってもいいんです。なので、ちょっと辺境の人間を見下しているというか、そういう節は見られますね。ですので正直僕もちょっと彼女は・・・。」
「あぁ、今回の視察団には色々くっついて来てたのね・・・。でもなんでまた旧跡研究団体がわざわざ第4都市から人を寄越すの?」
「久しぶりの新しい遺跡の発見でしたし、おまけに主が倒されて神殿に変貌ですからね。利権やら何やらを含めても、色んなところが介入したかったと思いますよ。今回は第4都市からの視察団に乗っかる形でいち早くそこの旧跡研究団体が入り込めたんだと思います。」
そこで言葉を切ったヨシザキは、人のよさそうな顔を珍しく少し崩すと、
「本当は僕たち第16都市だけで調査する予定だったんです。それなのに・・。辺境で力がないので押し切られた形ですね。」と苦々しく言った。
「研究者も色々あるのね。大変ねぇ。」とマリーの呟く声を聞きながら、トウコがリョウを伺うと、リョウは何も気にしていない風に煙草の煙を目で追っていた。
以前も休憩した集落に立ち寄り短い休憩を取った後、再び出発した一行は、トウコとマリーの願いも空しく、今回は襲撃されることなく死の森へと到着した。前回同様に死の森から少し離れた地点で夜を過ごした翌朝。
いざ死の森へ入るという段になってひと悶着が発生した。
「ドライバーだけで返すなんて危険じゃなくって?道中何かあって迎えに来られなくなったらどうするの?ドライバーにも護衛を付けるべきだわ。」
エレナが神経質そうな甲高い声で続ける。
「そうだわ。そこの忌み子を護衛に付けたらいいじゃない。」
明らかにトウコを排除しようとする意図を隠そうともせず、芝居がかかった口調で言いながら蔑んだ目をトウコに向ける。
悪意を向けられているトウコ本人は、エレナの方に見向きもせず全く気にした素振りも見せずに腕を組んで成り行きを見守っている。
「それは出来ないわ。トウコが抜けると私たちは2人になってしまう。それではあなたとヨシザキさんの護衛ができないわ。」
マリーが即座に拒否するも、「私の護衛は必要ないって言ったでしょう?」とエレナも即座に言い返す。
「ドライバーが心配だと言うのなら、エレナさんあなたの護衛から1人出して頂戴。」
「お断りするわ。護衛の人数を減らしたら私が危なくなるじゃない。」
エレナの護衛たちはそもそもトウコらを気に入っていないため、ニヤニヤ笑いながら愉快そうにこちらを見ている。
マリーが頭痛を堪えるかのように頭に手をやり、リョウがトウコに呆れた様子で話しかけた。
「お前もうあの女の言う通り、離れた方がいいんじゃねーか・・。」
「奇遇だな。私もその方がいい気がしてきたところだ。でもそうするとキレたお前を抑えられるやつがいなくなるだろう?」
「俺にとっちゃそっちの方が都合がいい。」
そんな2人を黙れとばかりにマリーが睨みつけた時、「あ、あの…。」と緊張した面持ちでヨシザキが手を上げ、言葉を続ける。
「あのぅ・・・ドライバーが心配ならいっそのことドライバーも一緒に行くというのはどうでしょう・・・?」
その言葉にリカがはしゃいだ声を上げる。
「えっ!一緒に行っていいなら行きたいです!ドライバーって必ず返されちゃうから、1度でいいから遺跡に入ってみたかったんです!」
「ダメだよ、リカ。ドライバーがついてきたら護衛の人たちはドライバーの身の安全も守らなくちゃならなくなるだろう?護衛対象者がもちろん第一優先だけど、それに加えて荷物持ちとドライバーまで守らなきゃいけなくなる。だからドライバーは待機させられるということは、リカだってわかっているだろう?」
ヨシから窘められたリカは「うー。分かってるけどぉ…。」と不満顔だ。
ヨシザキがヨシの言葉を聞いて、「あっ…!す、すみません…事情も知らずに余計なことを…」とペコペコと頭を下げる。
その時、ニヤニヤと成り行きを見守っていたエレナの護衛のリーダー格の男が口を開いた。
「俺たちはドライバー同行でも問題ないぞ。そもそもうちのドライバーはそっちのお嬢ちゃんと違って戦うこともできるやつだからな。」
「魔導車だけこの場に残して、魔物に荒らされたらどうするのよ。」
マリーの反論に即座に「うちの魔導士は隠ぺいの魔法が使える。それを使えばいいだろう。大サービスでお前んとこの魔導車にもかけてやるよ。」と男が返す。
トウコを排除したいエレナは不満そうな顔を護衛の男に向けたが、男がエレナに何かを囁くとエレナはしぶしぶ頷くと口を開いた。
「私はそれでよくってよ。忌み子がドライバーの護衛として待機するか、ドライバーも同行するか。どちらか選んで頂戴。」
マリーは諦めたように盛大にため息を吐くと、「分かったわ。ドライバーも同行でいいわ。」と投げやりに言った。
その言葉にリカが嬉しそうにピョンと飛び、ヨシがその頭を1つ叩くと、トウコたち3人に申し訳なさそうに頭を下げた。
「お前今度余計なこと言ったら本当に毟るからな。」
リョウがヨシザキを睨みつける。
ヨシザキが頭を抑えながら「すみません…!すみません…!」と謝るのに対し、トウコは苦笑しながらヨシザキの肩を1つ叩くと、「気にするな。禿げるぞ。」と声を掛けた。
エレナが乗る魔導車を先頭に、トウコたちはその斜め後ろを少し離れて走っている。マリーが、1度行ったことのある自分たちが先頭を行くべきだと強調したが、エレナは「忌み子の後ろを行くのは嫌」という一点張りで譲らず、護衛らもまた実力は十分だから先頭を行くと言い張り、マリーが諦めこの結果になった。
「まあいいんじゃねーか。この辺は大した魔物もでねーしな。アイツらが片付けてくれるってんなら、俺たちは楽しよーぜ。」
見張りのために開口部に膝を立てて座ったリョウが煙草を咥えてのんびりした口調で言い、その隣に同じく見張りのために座っているトウコがマリーに聞く。
「それで、あっちの護衛は大丈夫そうなのか?」
「前衛が2人に魔導士と中衛が1人ずつらしいわよ。」
「安定してるな。」
「俺たちよりよっぽどバランス取れてんな。クソつまんねー構成だ。」
「リョウさんたちは全員が前衛ですもんね。」
ヨシが少し笑いを含んだ声で言うと、「私はヒーラー、後衛よ!」とマリーが言い返し、それを聞いたヨシザキがぎょっとした顔でマリーを見ていた。
それには構わずマリーが続ける。
「でも、辺境とその他の都市周辺では魔物の強さが違うって話にはあまり耳を傾けなかったのよねぇ…特にあいつら第4都市から来たわけでしょう?中央に近付くほど魔物は弱くなるのに…」
マリーはエレナの護衛の、恐らくリーダー格であろう大剣持ちの男と今後の方針を話し合った際、辺境の魔物に関して必要最低限のことを話そうとした。
しかし、男はマリーの話をまともに取り合わず、そこへなかなか出発しないことに焦れたエレナがやってきて、マリーの言は自分たちの足を引っ張ろうとする偽りの情報であるとまで言い放った。
「死の森に入るまでに1度魔物と遭遇したいとこだな。」
「そうね。そうすればあいつらの実力が分かるものね。」
そこでこれまで黙って話を聞いていたヨシザキが会話に入ってくる。
「あのぅ…皆さんが以前行かれた時は魔物に襲われたんですか?」
「2回遭遇したかしらね。」
「に、2回もですか…。」
ヨシザキが少し怯えた声でそう言った時、リカも運転席から明るい声で会話に入ってきた。
「リョウさんとトウコさんってば、ホントに凄いんですよー!2人とも石で魔物をやっつけちゃうんです!」
「い、石…ですか?」
ヨシザキの困惑をよそにリカは続ける。
「トウコさんが石を投げると魔物がバーン!で、リョウさんが投げたらババババーン!なんです!」
「えっと…」
リカの説明になっていない説明に困惑したヨシザキを見かねてヨシが声をかける。
「ヨシザキさんすみません。アイツのいう事は気にしなくていいです。でも、トウコさんやリョウさん、それにマリーさんが凄いのは確かですよ。安心して大丈夫です。」
「ああ、君は先日の遺跡調査にも同行していたんでしたね。やはり皆さんに護衛してもらうのは正解でした。なのにエレナは・・・。」
そこでヨシザキは言葉を切り、眉を下げて申し訳なさそうに続ける。
「本当に今回はすみません。エレナの我儘で・・・。」
「お前は悪くないんだ。鬱陶しいからもう謝るな。今度謝ったら髪毟るぞ。」
リョウが本当に鬱陶しそうな口調でヨシザキに言い放ち、ヨシザキはわずかな髪を守るように頭を両手で抑え、「き、気にしてるんですよぅ・・・」と悲し気な声で呟く。
「リョウは本当に毟るから、もう謝らない方がいいぞ。」とトウコが笑いを含んだ声で言うと、ヨシザキは「ヒィ」と情けない声を出した。
その後しばらく会話がないまま時間が過ぎたが、マリーがふとヨシザキの方を見ると話しかけた。
「ねえヨシザキさん。エレナさんっていつもあんな感じなの?こう言っちゃなんだけど、プライドが高くって一緒に仕事するのは大変そうね。」
「実は僕もエレナさんのことは良く知らないというか、今回初めてお会いしたんです。」
「え、そうだったの?同僚とかじゃないわけ?」
「違います。エレナさんは今回の軍の視察団と一緒に第4都市から来られた方なんです。あ、僕は第16都市所属ですよ。中央に近い第4都市なので、エレナさんはエリートと言ってもいいんです。なので、ちょっと辺境の人間を見下しているというか、そういう節は見られますね。ですので正直僕もちょっと彼女は・・・。」
「あぁ、今回の視察団には色々くっついて来てたのね・・・。でもなんでまた旧跡研究団体がわざわざ第4都市から人を寄越すの?」
「久しぶりの新しい遺跡の発見でしたし、おまけに主が倒されて神殿に変貌ですからね。利権やら何やらを含めても、色んなところが介入したかったと思いますよ。今回は第4都市からの視察団に乗っかる形でいち早くそこの旧跡研究団体が入り込めたんだと思います。」
そこで言葉を切ったヨシザキは、人のよさそうな顔を珍しく少し崩すと、
「本当は僕たち第16都市だけで調査する予定だったんです。それなのに・・。辺境で力がないので押し切られた形ですね。」と苦々しく言った。
「研究者も色々あるのね。大変ねぇ。」とマリーの呟く声を聞きながら、トウコがリョウを伺うと、リョウは何も気にしていない風に煙草の煙を目で追っていた。
以前も休憩した集落に立ち寄り短い休憩を取った後、再び出発した一行は、トウコとマリーの願いも空しく、今回は襲撃されることなく死の森へと到着した。前回同様に死の森から少し離れた地点で夜を過ごした翌朝。
いざ死の森へ入るという段になってひと悶着が発生した。
「ドライバーだけで返すなんて危険じゃなくって?道中何かあって迎えに来られなくなったらどうするの?ドライバーにも護衛を付けるべきだわ。」
エレナが神経質そうな甲高い声で続ける。
「そうだわ。そこの忌み子を護衛に付けたらいいじゃない。」
明らかにトウコを排除しようとする意図を隠そうともせず、芝居がかかった口調で言いながら蔑んだ目をトウコに向ける。
悪意を向けられているトウコ本人は、エレナの方に見向きもせず全く気にした素振りも見せずに腕を組んで成り行きを見守っている。
「それは出来ないわ。トウコが抜けると私たちは2人になってしまう。それではあなたとヨシザキさんの護衛ができないわ。」
マリーが即座に拒否するも、「私の護衛は必要ないって言ったでしょう?」とエレナも即座に言い返す。
「ドライバーが心配だと言うのなら、エレナさんあなたの護衛から1人出して頂戴。」
「お断りするわ。護衛の人数を減らしたら私が危なくなるじゃない。」
エレナの護衛たちはそもそもトウコらを気に入っていないため、ニヤニヤ笑いながら愉快そうにこちらを見ている。
マリーが頭痛を堪えるかのように頭に手をやり、リョウがトウコに呆れた様子で話しかけた。
「お前もうあの女の言う通り、離れた方がいいんじゃねーか・・。」
「奇遇だな。私もその方がいい気がしてきたところだ。でもそうするとキレたお前を抑えられるやつがいなくなるだろう?」
「俺にとっちゃそっちの方が都合がいい。」
そんな2人を黙れとばかりにマリーが睨みつけた時、「あ、あの…。」と緊張した面持ちでヨシザキが手を上げ、言葉を続ける。
「あのぅ・・・ドライバーが心配ならいっそのことドライバーも一緒に行くというのはどうでしょう・・・?」
その言葉にリカがはしゃいだ声を上げる。
「えっ!一緒に行っていいなら行きたいです!ドライバーって必ず返されちゃうから、1度でいいから遺跡に入ってみたかったんです!」
「ダメだよ、リカ。ドライバーがついてきたら護衛の人たちはドライバーの身の安全も守らなくちゃならなくなるだろう?護衛対象者がもちろん第一優先だけど、それに加えて荷物持ちとドライバーまで守らなきゃいけなくなる。だからドライバーは待機させられるということは、リカだってわかっているだろう?」
ヨシから窘められたリカは「うー。分かってるけどぉ…。」と不満顔だ。
ヨシザキがヨシの言葉を聞いて、「あっ…!す、すみません…事情も知らずに余計なことを…」とペコペコと頭を下げる。
その時、ニヤニヤと成り行きを見守っていたエレナの護衛のリーダー格の男が口を開いた。
「俺たちはドライバー同行でも問題ないぞ。そもそもうちのドライバーはそっちのお嬢ちゃんと違って戦うこともできるやつだからな。」
「魔導車だけこの場に残して、魔物に荒らされたらどうするのよ。」
マリーの反論に即座に「うちの魔導士は隠ぺいの魔法が使える。それを使えばいいだろう。大サービスでお前んとこの魔導車にもかけてやるよ。」と男が返す。
トウコを排除したいエレナは不満そうな顔を護衛の男に向けたが、男がエレナに何かを囁くとエレナはしぶしぶ頷くと口を開いた。
「私はそれでよくってよ。忌み子がドライバーの護衛として待機するか、ドライバーも同行するか。どちらか選んで頂戴。」
マリーは諦めたように盛大にため息を吐くと、「分かったわ。ドライバーも同行でいいわ。」と投げやりに言った。
その言葉にリカが嬉しそうにピョンと飛び、ヨシがその頭を1つ叩くと、トウコたち3人に申し訳なさそうに頭を下げた。
「お前今度余計なこと言ったら本当に毟るからな。」
リョウがヨシザキを睨みつける。
ヨシザキが頭を抑えながら「すみません…!すみません…!」と謝るのに対し、トウコは苦笑しながらヨシザキの肩を1つ叩くと、「気にするな。禿げるぞ。」と声を掛けた。
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