常世の彼方

ひろせこ

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金の章

20.はじまりの日

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 夜の帳が下り、優しい月の光に辺りが包まれた頃。
本来ならば離宮内で働く使用人たちも部屋に下がり、虫の音だけが静かに響く頃合いだが、今夜に限って言えば、明日の準備に追われているのであろう使用人たちが廊下を足早に歩いていた。
しかし、忙しそうに働く彼らは皆一様に楽しそうな表情を浮かべており、そして、一際立派な扉の前に立つ、1人の青年の前を通るときには必ず、微笑ましそうな笑みを浮かべて会釈をしていた。

皆に会釈されるたびに、紺碧の鎧を身に纏い、鎧と同色の剣を腰に下げた青年は、小さく苦笑を浮かべながらもその全てに律儀に会釈を返していた。
今もまた、黒髪をひっつめ髪にした年嵩の女性が、微笑みながら青年に会釈をして通り過ぎていった。
青年が会釈を返したとき、青年の隣に立っている、青年と同じ鎧と剣を腰に下げた体格のいい壮年の男が前を見たまま小声で話しかけてきた。
「式を明日に控えた黒の騎士様ご本人が、わざわざ見張りに立たなくてもよかっただろうに。」
そう言われた青年もまた前を見たまま、しかし困ったように眉を下げると囁き返した。
「本当は休みだったのですが…。何かしていないと落ち着かなくて。代わってもらってしまいました。…黒の騎士様と呼ぶのはやめてください。近衛兵の中でも一番のひよっこの僕が騎士様と呼ばれるのが、どうにも落ち着かなくて…。」
「何を言っているんだ。カインにぴったりの呼び名じゃないか。」
揶揄うように言った男に青年―カインはますます眉を下げ、その困ったような気配が伝わったのか男が口の中で小さく笑った。
「もうすぐ交代の時間だ。今日は早く寝るんだぞ。…明日が楽しみだな。」
「ええ。本当に楽しみです。…でも覚えることが多すぎて、失敗しないか心配で眠れそうにありません。」
カインの言葉に男がまた小さく笑い、カインが最愛の人の花嫁姿はどれほど美しいか想像して口元を綻ばせた時、離宮全体が禍々しい気配で包まれた。

男が苦しげに呻いて膝をつき、カインもまた体から力が抜けるような感覚に襲われたが、咄嗟に障壁を張りそれに耐えた。
扉の向こうから小さな悲鳴と何かが倒れる音が聞こえ、未だ膝をついて苦しそうにしている男はそのままに、カインは躊躇うことなく扉を開けて部屋の中に駆け込んだ。

落ち着いた調度でまとめられた、幾度となく足を踏み入れ、すっかり見慣れた部屋に巫女―黒の巫女に仕える侍女たちが倒れ伏していた。
すぐに部屋の奥にある寝室に続く扉に目をやると、扉はぴったりと閉ざされていた。
倒れ伏した侍女たちの横を掛け抜け、寝室の扉の前まで来たカインは、「開けます。」と言うが早いか扉を開けて寝室へ入った。

「カイン!」
部屋着であろうゆったりとした白のワンピースを着た、黒髪を腰まで伸ばした紫の瞳の美しい女が、ぐったりと倒れている侍女の側に膝をついたまま、部屋に入って来たカインを見てその名を呼んだ。
「一体何が…!?」
カインが女―黒の巫女に駆け寄りながら言うと、黒の巫女はその可憐な唇を噛んで俯いた。
「多分、あの子が…。」
黒の巫女が紫の瞳を不安げに揺らしながらカインを見上げて言葉を続けようとした時、「巫女様!」という声と共に、カインと共に護衛に立っていた男と、別の近衛兵たちが部屋の中に駆け込んできた。
皆一様に顔色が悪く、びっしりと脂汗をかいている者もいた。
近衛兵たちを見た黒の巫女は、先ほどまでの不安げな表情を消すと立ち上がり、指示を出した。

離宮全体に生気を抜く術が掛けられており、魔力の弱い者から死んでしまう。そのため、防壁を切らさないようにして今すぐ離宮から出ること、その際に、まだ息のある者を連れて出られるようなら出ること、しかし無理に助ける必要はなく、近衛兵が無事に離宮を出ること最優先に考えるよう言った。
そして、自分はこの術を止めに行くと。
もちろん近衛兵たちは、全員否やを唱えた。
その様な場所に、黒の巫女を置いて自分たちだけで逃げることなどできないと言い張る近衛兵たちだったが、術者に生気が集まれば集まるほど術者の力が増すため、近衛兵のように高魔力の者であっても術に耐えられなくなる可能性がある。
現に、今もすでに耐えきれなくなってきている者がいると、びっしりと脂汗をかき、苦しそうに肩で息をしている者を見ながら黒の巫女は言った。
更に、高魔力の者の生気が術者に行けば、それでまた術者の力が増大してしまうため、今すぐ撤退するよう言われた近衛兵たちは、不承不承ながら承諾した。

近衛兵たちが動き出すと、黒の巫女はカインを見て口を開こうとしたが、それを制するように先にカインが言った。
「嫌だ。」
「いいえ、あなたも今すぐ離宮を出なさい。」
「断る。これは近衛兵のカインではなく、君の恋人としての言葉だ。僕は君に誓った。どこにも行かないと。だから、僕は君と一緒に行く。」
黒の巫女の毅然とした表情が崩れ、少し困ったような嬉しそうな表情が現れる。
「それに僕はこの通りピンピンしている。足手まといにはならないよ。」
肩を竦めて少しおどけて言ったカインに、黒の巫女は小さく笑みを浮かべたが、すぐに真剣な顔になると、「行きましょう。」と言って駆け出した。
その後をカインが追い、部屋に残った近衛兵たちが「巫女様を頼む!」とカインの背中に言葉を掛けた。
「言われるまでもない。」
カインは口の中で呟きながら、最愛の人の隣を駆けた。

廊下には幾人もの使用人が倒れており、つい先ほどカインに会釈をした年嵩の女も倒れ伏しており、先ほど見た時よりも髪の艶が失われ、また肌がひび割れ始めていた。
2人はそのすべてを無視して先を急いだ。
黒の巫女は、その度につらそうな表情を浮かべて、「ごめんなさい。」と呟いていた。

金の巫女の部屋の前には、恐らく金の巫女の近衛兵であろう鎧姿の男が2人立っていた。
カインと金の巫女を血走らせた目で見た男たちは、歯を剥き出しにして呻きながら剣を抜いて襲い掛かって来た。
明らかに尋常でない男たちの様子に、カインは驚きながらも即座に剣を抜き、黒の巫女の前に出た。
しかし、更に黒の巫女がカインの前に出るとひらりと右手を振った。糸が切れたように男たちが崩れ落ちる。
「…力を無理やり植え付け、正気を失わせたのね。なんて酷いことを。」
男たちを見下ろしながら悲しげに呟いた黒の巫女に、カインが苦言を呈した。
「少しは僕に守られてくれると嬉しいかな。」
「これが終わったらずっと守ってもらうわ。」
苦笑を浮かべたカインの言葉に、黒の巫女も小さく笑みを浮かべて返したが、すぐに2人は真剣な表情を浮かべると、金の巫女の部屋の扉を開けた。


淡く金色に輝く円陣の周りに、金の巫女の侍女であろう女たちが倒れていた。しかし、これまでに倒れていた者たちとは異なり、彼女たちは干からびた老婆のような姿だった。
その円陣の中央に、痩せていたはずの体はすっかり元に戻り、輝く金髪を腰まで波打たたせた金の巫女が悠然と微笑んで立っていた。
部屋に入って来たカインと黒の巫女を見て、金の巫女が満面の笑みを浮かべる。
「いらっしゃい。2人を待っていたの。来てくれて嬉しいわ。」
「あなた何をしたか分かっているの!?どうしてこんなこと…!」
「どうして?どうしてですって?だってあなただけ幸せになってずるいじゃない。あなただけ愛されてずるいわ。私とあなたは元は1つだったのに、あなたは全てを持っていて私は何も持っていない。そんなのおかしいでしょう?」
「何を言って…。」
「私もあなたと同じものが欲しかったの。でも手に入らないって分かったの。分かった時はとても悲しかったわ。だけどね、気づいたの。あなたが持っているものを全て壊してしまえば、私とあなたは同じになるって。」
無邪気とも思える笑顔を浮かべて金の巫女の足元から、じわじわと真っ黒なおりのようなものが滲みだした。
「だからね、あなたを慕う国民もあなたを愛する男も全部消すことにしたの。」

剣を構えたカインが金の巫女に向かって駆け出す。
「やめて!カイン!」
黒の巫女が叫び、カインが剣を構えた不自然な姿勢でぴたりと動きを止めた。
「…術を解くんだ。あの女はもう正気じゃない。」
カインの言葉には何も答えず、黒の巫女は金の巫女を見つめて静かに歩き出した。

「優しいあなたがそんなことできるはずがないわ。今ならまだ間に合う。もうやめなさい。」
「西の国がなくなれば、また一緒に東の国で暮らせるじゃない。ねえ、前みたいに2人で一緒に暮らしましょう。」
にっこりと微笑んで言った金の巫女を、黒の巫女は少し困ったような笑みを浮かべて見た後、不自然な姿勢のまま止まっているカインと向き合うように立った。
黒の巫女がカインの背中に腕を回して抱き付くと囁いた。
「力を吸い過ぎたあの子は人ではないものになろうとしているわ。…私はあの子を封じる。」
顔を上げた黒の巫女が、右手をカインの頬に添えて微笑む。
「カイン。愛しているわ。」
「駄目だ。行かないでくれ。」
「私の分まで生きて。」
「嫌だ。君がいない世界なんて意味がない。」
顔を歪めて言ったカインに口付けた黒の巫女は、「さよなら。」と囁き、カインに背を向けた。
カインが黒の巫女の名を叫んだが、黒の巫女は振り返らずに再び金の巫女の元へ歩き出した。

既に、己の体から滲みだした真っ黒な澱に腰まで飲み込まれようとしている金の巫女が、小首を傾げた。
「ねえ、その男を捨てるの?」
「ええ。」
「でも、あなたは私なんかよりその男の方を愛しているのでしょう?」
「そんなことないわ。2人でまた一緒に暮らせるほうがずっといいもの。」
にっこりと微笑んだ黒の巫女が、淡く金色に輝く円陣に足を踏み入れる。

金の巫女が黒の巫女に抱き付く。
「嬉しい!私、ずっと寂しかったの。巫女になんてなりたくなかった!」
黒の巫女もまた金の巫女を抱き締め返す。
すると、黒の巫女の体から真っ白な細い光が幾筋も伸び、金の巫女の黒い澱に絡みついていく。
同時に、輝くようだった金の巫女の髪がみるみるうちに輝きをなくしていき、体もまた痩せ衰えていく。
抱き締められたまま金の巫女が呆然と呟く。
「ねえ…何をしているの?」
「大丈夫よ。」
「私の力を奪っているのね…?私を封じるつもりでしょう?」
「私も一緒に行くから。」

金の巫女が憎悪に顔を歪め、黒の巫女から離れようともがく。
「嘘つき!やっぱりあなたも私の事を嫌いなのよ!その男の事も捨てる気なんてないのでしょう!?私がいなくなった後に2人で幸せになるつもりでしょう!?」
金の巫女の姿が少し元に戻り、黒の巫女が苦しげに顔を歪める。
「そんなことないわ。ずっと一緒よ。」
黒の巫女が囁くが金の巫女は激しく首を振った。
「嘘つき!もう誰も信じられない!」
2人の力が拮抗し、部屋中を魔力が渦巻き吹き荒れる。

「殺してやる!」
悪鬼のような形相で叫んだ金の巫女が、カインに向かって手を伸ばす。
はっとしたように黒の巫女もまたカインを助けようと手を伸ばした。
それを見た金の巫女が禍々しい笑みを浮かべた。
「…やっぱりあの男を捨てる気なんてないじゃない。」

その瞬間、拮抗していた力が金の巫女へと傾いた。
金の巫女の体から、真っ黒な澱が噴き出し、地上から空へと1本の柱となって伸びる。
それを追うように真っ白な光もまた黒い柱に巻き付いていく。
真っ白な光は黒い澱の柱を締め付けていたが、やがて黒い澱が膨張して弾けると、空一面を覆った。
同時に真っ白な光も弾け、小さな欠片となって儚く散った。

「ふふふ。これからはずっと一緒よ。そして、あの男には呪いを贈ってあげるわ。絶対にあなたたちを幸せになんてさせない。愛した女に2度と触れることも叶わず、未来永劫この女が苦しむのを見続けるがいいのよ!」
墨で塗りつぶしたかのような真っ黒に染まった世界に、金の巫女の哄笑が響く。
その世界の中で、暖かい光に包まれたカインは、小さな小さな光の欠片が散っていく様を見ていた。
ただ見るだけしかできなかった。

―私は世界を見続けるから。あなたも一緒に見て。

カインの頭に愛しい女の声が響き、カインの意識は途切れた。


「気づいた時、僕は1人、森の中に倒れていた。」
ソファに深く腰掛け、遠くを見ているような目で語るカインの顔には、陰鬱とした影が刻まれていた。
「離宮も、王都も、民も全てが森に飲み込まれ、跡形もなく消えていた。」

カインは無傷だった。
黒の巫女の力がカインを守ったのかもしれないし、金の巫女の呪いのせいかもしれない。
どちらにしろ、カインを守ろうとしたことがきっかけで、黒の巫女は金の巫女を抑えることができなくなり、金の巫女が術を発動した。
結果、金の巫女の望み通り、西の国は消滅した。
黒の巫女と黒の騎士の婚姻の儀のために、東の国の王を含めた一団が西の国の王都に滞在していたが、彼らもまた王都と一緒に消えた。
西の国で起きた異変に東の国は一時パニックになったが、間もなく王弟が跡を継いだ。
そして、以前から続く東の国の天変地異は黒の巫女が起こしていたことで、それを止めようとした金の巫女が黒の巫女と争い、黒の巫女の力が暴走した結果、西の国は消滅。金の巫女も、王もそれに巻き込まれて死亡したと発表し、大々的な国葬を行った。

東の国は急ぎ次代の巫女を探したが、新しい巫女は見つからなかった。
東の国の日照りは続いた。
餓死者も出始め、東の国はいよいよ荒れ、それと比例するように国民の心も荒れていった。
当初は、国を無くした西の民に同情的だった東の民だったが、徐々に西の民を憎むようになっていった。
続く日照りも、飢えも、新しい巫女が見つからないのも、すべてが黒の巫女のせいだと考えられるようになり、西の国から嫁いできていた者、移住した者、たまたま東の国に滞在していた時に国が消滅した者など、様々な理由で東の国で生き残っていた西の民は、東の民から迫害された。
瞬く間に黒髪を持つ者は消え去った。

結局、次代の巫女は最後まで見つからず、荒れ果てた東の国は国民が蜂起し、新しい国が興った。
しかし、西の国があった場所に新しい国は2度と興らなかった。なぜならば、そこは深い森に覆われた魔物が跋扈する場所へと変貌していたからだ。
人々は次第にそこを死の森と呼ぶようになった。
それから長い時を経て、いくつもの国が興亡し、東の国も西の国も忘れ去られて行く中、金の巫女と黒の巫女の話は語り継がれ、いつしか2人の女神―光の女神と闇の女神の話へと姿を変えていった。

「そして黒の騎士は。」
カインが自嘲的な笑みを浮かべる。

「僕は、光の騎士と呼ばれるようになった。」
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