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ツヨシくん編
貞子
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どうも、ツヨシです。
僕とトモカちゃんは、新婚5年目の仲良しさんです。
まだ子供はいませんが、鎹が要らない程のお友だち夫婦です。
もっとも、子供が嫌いな訳ではありません。むしろ、大好きです。
何故なら、二人の馴れ初めは、教会でキッズの世話をする係りを担当していたからです。
外出は、職場に行く以外は一緒です。
ただし、ベタベタはしません。さらりと前後で歩いたりします。僕は少し淋しいけど、トモカちゃんは速足で、脇目も振らず一目散のウォーキングマシンだから、とても追い付けません。
貴女の背中を見守りながら歩きます。
♪夫は妻を慕いつつぅぅぅ。妻に寄り添う陰のようぅう。三歩下がって付いて行くぅぅぅ♪
そんな心境です。
さて、僕たちは、3LDK のアパートで暮らしています。自分で言うのも照れますなぁ。
あっ、何に照れるか言っていない。それは当然、近所でも評判の仲の良さです。
もう、11月22日に表彰されそうな良い夫婦です。いやぁ、照れる照れる。ムフフ。
そんな僕らは、ある日の夕食後、テレビを観ながら話していました。
僕は、愛しいトモカちゃんとコミュニケーションを取るため、テレビ画面からチョイスしたネタを振ります。
「オシドリって、仲の良い夫婦を表す場合に引用されるけど、毎年パートナーを代えるらしいね」
僕らが観ていた番組は、仲が良いふりが上手い芸能人夫婦が旅する番組で、湖畔を歩くシーンでした。
「へぇ、ちっともオシドリじゃないね」
トモカちゃんの返事が可笑しかったので、僕は彼女の方へ顔を向けます。
「いや、オシドリはオシドリ……」
僕は、予想外な展開に絶句します。なんと、愛しいトモカちゃんの顔が見えず、髪の毛で覆われています。
ホラーです。貞子です。髪の毛から声が出ています。
後で真相を究明すると、トモカちゃん曰く、一本結いにしていたので、頭頂部が痛くなり、髪の流れを逆にしていたそうです。まぁ、僕を驚かせる意図はなく、無邪気に豊富な毛を自慢したのでしょう。
それは、僕が普段からトモカちゃんに「(髪を)くれ」と言っていたからでしょう。僕の発言を忘れないなんて、愛されているなぁ。
トモカちゃんは向日葵のように微笑みます。
僕とトモカちゃんは、新婚5年目の仲良しさんです。
まだ子供はいませんが、鎹が要らない程のお友だち夫婦です。
もっとも、子供が嫌いな訳ではありません。むしろ、大好きです。
何故なら、二人の馴れ初めは、教会でキッズの世話をする係りを担当していたからです。
外出は、職場に行く以外は一緒です。
ただし、ベタベタはしません。さらりと前後で歩いたりします。僕は少し淋しいけど、トモカちゃんは速足で、脇目も振らず一目散のウォーキングマシンだから、とても追い付けません。
貴女の背中を見守りながら歩きます。
♪夫は妻を慕いつつぅぅぅ。妻に寄り添う陰のようぅう。三歩下がって付いて行くぅぅぅ♪
そんな心境です。
さて、僕たちは、3LDK のアパートで暮らしています。自分で言うのも照れますなぁ。
あっ、何に照れるか言っていない。それは当然、近所でも評判の仲の良さです。
もう、11月22日に表彰されそうな良い夫婦です。いやぁ、照れる照れる。ムフフ。
そんな僕らは、ある日の夕食後、テレビを観ながら話していました。
僕は、愛しいトモカちゃんとコミュニケーションを取るため、テレビ画面からチョイスしたネタを振ります。
「オシドリって、仲の良い夫婦を表す場合に引用されるけど、毎年パートナーを代えるらしいね」
僕らが観ていた番組は、仲が良いふりが上手い芸能人夫婦が旅する番組で、湖畔を歩くシーンでした。
「へぇ、ちっともオシドリじゃないね」
トモカちゃんの返事が可笑しかったので、僕は彼女の方へ顔を向けます。
「いや、オシドリはオシドリ……」
僕は、予想外な展開に絶句します。なんと、愛しいトモカちゃんの顔が見えず、髪の毛で覆われています。
ホラーです。貞子です。髪の毛から声が出ています。
後で真相を究明すると、トモカちゃん曰く、一本結いにしていたので、頭頂部が痛くなり、髪の流れを逆にしていたそうです。まぁ、僕を驚かせる意図はなく、無邪気に豊富な毛を自慢したのでしょう。
それは、僕が普段からトモカちゃんに「(髪を)くれ」と言っていたからでしょう。僕の発言を忘れないなんて、愛されているなぁ。
トモカちゃんは向日葵のように微笑みます。
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