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エピソード 5

☆呪われたマンション

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 私は、メリーさんにマンションでの映像を見せられた夜、奇妙な夢を見た。
 
 場面は、天気の良い、爽やかな朝だった。洗濯日和。そんな言葉がぴったりな日で、遠くに富士山がモッコリしている。
 マンションのベランダで洗濯物を干しているのは、お母さんだった。

 お母さんは、洗濯物を手で伸ばし、手際よく家族の服を展示中だった。
 そんな時、思わぬ事に遭遇する。突然、何かが目の前を通過した。 

 私は、それが人だと認識した時、恐怖で体が震えた。同じ物を見ているお母さんもそうだと思う。いま起きている事が信じられなかった。
 飛び降りた人が、目の前を通過した。

 さらに、落下した人物は知り合いだった。同じマンションに住む良くない噂があるお婆さんだった。お母さんは、あまり偏見のない方だったから、挨拶くらいはしていたと思う。

 そのお婆さんの顔が目の前を通った。もう、キスができそうな距離で、心臓が止まるほど恐かった。底知れぬ憎悪を抱いた目が、私とお母さんの体を貫いた。

 目の前を通過したお婆さんは、さらに五階分を落下し、地面に激突する。上からでも、かなりの高さをバウンドしたように見えた。
 そして、血を流しながら立ち上がり、私たちの方を見つめた。
 老婆は、再び倒れる。
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