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エピソード 5
○呪われたマンション 4
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私は電車に乗っています。列車内は空いていて、座り放題なのです。ウエストポーチには花子さんを入れ、ツイちゃんは籠に入れて運びます。長椅子の真ん中に座ると、じんわりとお尻が温かくなるのです。
「ちょっと、あたしにも外の景色を見せなさいよ!」
誰も居ない電車内で、女の子の声が不満気に響きます。
「ごめんなさい花子ちゃん、お外が見たいのね」
私は、ウエストポーチからスマホを取り出します。画面には、オカッパ頭の小学生が腕を組んでいます。
「『お外が見たいのね』じゃねぇだろ! 」
「ひーん、怒らないでぇ」
泣き顔で謝ると、花子さんは機嫌を直します。
「まぁ、考え事があるのも解るけどさ、あたしが居る事も忘れないで欲しいのさ」
私は、花子さんの怒りの源を察して嬉しくなります。スマホ在住の変な妖怪ですが、私を思う気持ちは強いようです。
私は、花子さんと対話しつつ、籠からツイちゃんを解放し、膝の上に乗せます。
ツイちゃんは、白い雄猫で、かなり老齢化しています。両目が目やにでくっつき、毛も所々禿げている上、殆ど動かないので、くたびれた縫いぐるみに見えるのです。老猫は、私の膝の上に鎮座しています。
電車は、市街地を通り、河川を渡ります。やがて、目的地の駅に着いたのです。
私は、ツイちゃんの日向ぼっこを中断し、籠の中に仕舞い、小さな駅からバスに乗り継ぎ、カミウバレジデンスに到着しました。
「ちょっと、あたしにも外の景色を見せなさいよ!」
誰も居ない電車内で、女の子の声が不満気に響きます。
「ごめんなさい花子ちゃん、お外が見たいのね」
私は、ウエストポーチからスマホを取り出します。画面には、オカッパ頭の小学生が腕を組んでいます。
「『お外が見たいのね』じゃねぇだろ! 」
「ひーん、怒らないでぇ」
泣き顔で謝ると、花子さんは機嫌を直します。
「まぁ、考え事があるのも解るけどさ、あたしが居る事も忘れないで欲しいのさ」
私は、花子さんの怒りの源を察して嬉しくなります。スマホ在住の変な妖怪ですが、私を思う気持ちは強いようです。
私は、花子さんと対話しつつ、籠からツイちゃんを解放し、膝の上に乗せます。
ツイちゃんは、白い雄猫で、かなり老齢化しています。両目が目やにでくっつき、毛も所々禿げている上、殆ど動かないので、くたびれた縫いぐるみに見えるのです。老猫は、私の膝の上に鎮座しています。
電車は、市街地を通り、河川を渡ります。やがて、目的地の駅に着いたのです。
私は、ツイちゃんの日向ぼっこを中断し、籠の中に仕舞い、小さな駅からバスに乗り継ぎ、カミウバレジデンスに到着しました。
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