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雨川 海(旧 つくね)

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映画2

パーフェクトストーム

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 風速百六十五メートル、波の高さが三十メートルに達する超巨大なハリケーンの出現に、気象予報士は興奮する。気象の専門家からすると、巨大ハリケーンは研究対象だが、現地で暮らす人々に取っては、恐怖すべき自然災害だった。

 港町、グロスローの漁師、ビリーは、漁船、ゲイル号のオーナーから、今シーズン限りでの引退を勧告される。
「お前より、魚の方が賢くなったんだよ」
 ビリーは、侮辱的な事を言われ、一発逆転で見返す事を考えていた。つまり、海に出て、船を魚で満載し、オーナーの度肝を抜いてやるつもりだった。
 しかし、台風シーズンに入る事もあり、訳あり船員しか集まらなかった。リストラ候補のビリー船長と、新婚生活のために大金が欲しいボビーと、ビリー船長に共感したベテラン船乗りのマーフと、喧嘩ばかりする問題児のデビッドだった。

 彼らは、意気揚々と海に挑むが、思うように魚が取れない。マカジキを狙い、釣り針に餌を付けて流すが、不発に終わる。大物が来たと思ったが、引き上げて見ると鮫で、人間の方が魚に喰われそうになる。

 ある日、問題児とベテランが喧嘩になる。それ以来、ベテランが問題児に嫌味を言い、問題児が切れ、船長がなだめる。そんな険悪で生産性のない状態が続いた。それもこれも、魚が獲れないせいだった。

 そんな時、仕掛けを流していたベテランが、作業中に問題児と口論になる。問題児が、ベテランに喧嘩を売るつもりで見ると、ベテランの姿がなかった。実は、ベテランは、作業中に手元が狂い、釣り針に自分の手を刺してしまった。延縄漁業では、機械が次々と釣り針が付いた縄を、海へ送り出してしまう。ベテランは、仕掛けと一緒に海中へ送られてしまった。
 問題児は、機械を緊急停止し、海に飛び込み、ベテランを救出した。

 後日、ベテランが問題児に近づく。
「お前が助けてくれたのか? 泳ぎが上手いんだな」
 口下手なベテランが言う。
「なんだそれ、褒めてんのか。あんただって、同じ状況なら、俺を助けてくれるだろ」
 二人は、和解した。だが、不漁な状態は変わらない。船長は、遠出を提案し、船員も同意した。
 船長の読みは当たり、遠征先で大漁に恵まれるが、不運な事に製氷機が故障した。帰路には、超巨大ハリケーンが待ち構えている事は、無線で知っていた。だが、ハリケーンが収まるまで待てば、魚が駄目になってしまう。乗組員は決断し、ハリケーンの強行突破を試みるが、港に届いたのは訃報だった。
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