今妖諸話「さとがえり」

加味不左司

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今妖諸話「さとがえり」(後編)

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6
「しかし人生一番最初の長距離ドライブの相手が河童とは」
軽く首を傾げながら、人生何が起こるか判らないものだと苦笑する。
しかもドライブに最適とは言えない雨天の移動。
口元に苦笑いが浮かんでも止むを得ないというものだ。
本当なら女の子と一緒に青空の下でドライブと洒落込みたかったのだが。
……まあ、後部座席のお二方の内、一方は若い女性な訳ですが。……河童だけど。
「ごめんなさい。お兄さん」
その若い女性が俺に声をかけてきた。
まあ、先ほどから声をかけてきているのはこっちの方ばっかりで、もう片方の老妖はずっと押し黙ったままだったが。
「どうしたの?」
振り向かずに(当然だ、運転初心者の俺に振り向くゆとりなんかない。増してや雨で視界が悪いのだ)用件を言うよう促す俺。
「おじいちゃんが、小便したいって」
うら若い娘がそうもあからさまに言うのってどうかね、と思いつつも人間とは当然、感性が違ってても(かく言う俺も半分妖怪なわけだが、普段全く人間と同じ生活をしているので、時々他の妖怪の話についていけない事がある。)おかしくはないわなと思い直し、かといって今ここではどうしようもないので、
「ごめん、携帯用のトイレって言うか尿瓶があるって最初に説明したよね。それにやっといて」
と、つれない返答をするしかなかったのだった。
「あの、どっか脇道に入って森の中でするってわけには……」
「いや、あの、ここ、高速道路だし。目的のインターチェンジまでサービスエリアは無いしね」
「高速……?インター……?」
人の世に疎い彼女には理解に苦しむ単語だったらしい。
「とにかくこの道は脇道も無いし、非常時以外車を止めたらいけないんだよ」
「……意外と不便なんですね、人間の道具って……」
「その道具で、足腰の弱った君のおじいさんは遠方まで旅が出来るんだが」
「……ごめんなさい」
俺の嫌みに恐縮してしまう彼女を見て言い過ぎだった事を反省する。
「あ、いや、俺の方こそ言い過ぎだった」
「……」
彼女から返答はなかった。暗く沈み返る車内。雨が屋根を叩く音とワイパーの機械音がやけに大きく響いた。
暫くして後ろの老いた河童が小さく「あーーーーーーー」と声を発しながら、尿瓶に用をたす音が車内に響く。
まったくもって、つくづく初ドライブとしてはトホホな状態なのだった。

7
夜が明ける前に高速道路を降りる。
雨は小降りになっていた。
対向車も疎らな薄闇の走りなれぬ道を、緊張で手に汗濡らしてハンドルを取る。
「あ、次の十字路で左へ紛ってください」
後部座席から娘が甲高い声で指示する。
国道から外れ、脇道へ入る。
「え?ホントにこの道でいいのか?」
「はい」
進入した道のあまりの狭さに俺は彼女に問い掛ける。
が、彼女の返答に不安は微塵も感じられなかった。
「ここ数年は私が道案内役ですから」
おずおずとした感じで彼女は理由を述べる。
「でも、年に1回しか来ないんだろ」
「はい、……それでも……」
続けで娘は何かを言おうとしたのだろう、息を吸い込み言葉を発しようとしたその時、
「ここよ、この匂いよ」
老河童がはっきりとした口調で言いきる。
先ほどまでの耄碌ぶりがまるで嘘のよう、といったらちょっと失礼な言い方かもしれないがそう思わせるほどに生気を取り戻した声が後部座席から聞こえてくる。
「俺の故郷よ、間違えるものか」
先ほどまでとはまるで違って覇気さえ感じさせる口調で老妖は断言する。
「ここが俺の故郷よ」

8
夜明け前。雨は止んでいた。
音一つしない静寂な夜と朝の狭間の中、
見通しのよい擦れ違い出来そうな道の端に車を停めて、俺達は車中を離れた。
老河童が先頭に立って車道の脇の森へ分け入る。
その後を続く娘河童。
しんがりは俺が俺が勤める。
深い薮を気にも止めずどんどん奥へ奥へと進んでいく老妖。
そしてそれにぴったりと着いていく娘河童。
その足取りはとても水棲の物とは思えない。
「そういや、地方によっては河童と山童やまわろって関連性があるって話もあったっけ」
ひょいっと、豆知識が浮かんだりするが、彼らに追いつくにはまったく役に立たない知識である。
ちなみに山童やまわろとは山中に住む妖怪の一種で、地方によっては河童が山に登ったものといわれている。
山林で生活する人たちにとっては、祟られたり、山仕事を手伝ってくれたりと、なにかと身近な妖怪だ。
「てか、余計な事を考えてるうちに、どんどん離されてしまったな」
すでに翁の河童の姿は見えなくなってしまっていて、頼りになるのはかなり先を行く娘さんの後ろ姿のみ。
こちらも山中に縄張りを持つ眷族(天狗は元々、山の中にいるモノだ)の血を引く身、後れを取ってはならじと俺は雑念を捨てあゆみを早める。
草叢をかき分ける速度が徐々に上がり、やがてその速さは人外のものとなる。
飛ぶように木々の間を駆け抜け、老妖を再び視界に捕らえ、やがて若い河童に追いつく。
と、その時、
俺は薄明るくなりはじめた森の、その奥からかすかに響く水の音を聞き取った。
「もうすぐじゃ」
老いた河童がそう言った。期待と不安とが入り交じったかのような複雑な音色で。

9
森の木々を抜けると眼前に銀色の水面が見えた。
「川だ」
目に飛び込んできたその光景に思わず呟きが漏れる。
と、足元に突然の喪失感。
はっと、下を向くと踏みしめるべき地面が無い。
更に下の方を良く見れば足元からかなり離れた所に広がる河原。
何のことはない、単に川縁が崖になっていただけだった。
その高低差は3m程度。飛行術に長けた天狗にとってはたいしたことはない高さだ。
その血を半分引いている俺にとっても最近の鍛練の成果で難なく対応可能なハプニングだった。
反射的に飛行術の降下着地の効果を再現、何事もなく着地する。
と、頭上から響く娘さん河童の叫び声。
「うわーん。あぶない。ぶつかる。どいてくださーい!」
声の方へ視線を向けると崖から飛び出す娘さん河童。
てっきり先に行っているもとの思っていた彼女の登場のちょっと驚きを感じる。
いつのまにか追い越していたようだ。
そして今回はその事が功を奏した。
彼女を受け止めるための術を展開する時間が稼げたからだ。
風を起こして彼女の落下速度を減速、落下方向を微調整。
俺は両手を広げて待ち構える。
落ちてくる彼女。その小柄な体を両手で包むように受け止める。
そしてゆっくりと地面へおろす。
「ふにゃあ、死ぬかと思いました」
安堵の吐息とともに、脱力しながら彼女は言った。
「大丈夫か?」
「あー。はい、なんとか。あ、そういえばおじいちゃんは?」
俺の問いかけへ回答に加えて質問も足してくる娘河童。
そういえば近くに姿が見えないなと思いつつ、あちこちを見渡してみる。
と、
「あ!おじいちゃん」
声をあげて走り出す娘河童。
その動きにつられて俺も娘の後を追いかける。
俺達の向かった先の川縁に年老いた河童は腰をかがめて、足元の川をじっと凝視している。
一体何をしているのか、いぶかしむ。
俺より先に祖父の元にたどり着いた孫娘が、何か話し掛けている。
それに答えるかのように、老妖は首を横に振る。
はっきり気落ちしているのが丸分かりの娘河童の背中。そして聞き取れた彼女の声。
「まだ、この川に入れないの?」
「ん、残念ながらな」
その問いに答える老河童の声を聞きながら、思わず俺も尋ねてみる。
「この川に入れないって、一体?」
老妖はゆっくりと俺の方に視線を向ける。そしておもむろに話し出す。
「この川は汚れているのじゃ」
俺もはその言を受けて川を見てみる。
取り合えず足元の水は透明だ。結構山奥の上流なので町中の川よりきれいに見える。
むしろ青々とした清流のように見えるのだが。
「見た目にだまされとるな。……まあ、仕方が無い事かもしれん、お前さんは水の中で生きるわけではないからな」
ため息交じりに河童はまるでひとりごちるかのように話す。
「すみません、俺にはまったく分かりません」
すると河童はしわがれた指ですっとー山頂の方を指差し、
「かれこれ五十年前、あの山にある鉱山から恐ろしい毒が流れ込んできて、あんまりにひどい毒だっだもんで、みんなしてここから逃げ出したんじゃ」
「鉱山から毒ですか?」
ふと、脳裏を「足尾鉱毒事件」とか「イタイイタイ病」とかの単語がよぎる。
「そうじゃ、あの時からはだいぶ薄まったが、……まだまだ住める状態ではない」
言葉の端に落胆を隠せぬ様子で老妖は川面を見つめる。
「ねえ、おじいちゃん。住めるようになるまで、あと、どれぐらいかかるの?」
水面を見つめる祖父の横顔をのぞきこむようにして娘河童は尋ねる。
「あと、四十年か、五十年か……。そのくらいはかかりそうだの」
妖老の落胆した横顔を見てふと思う。
この老いたる妖怪の命尽きるまでに、目の前のせせらぎが本当の清らかさを取り戻せるのだろうかと。
「ねぇねぇ、おじいちゃん。この川って、今住んでるところより広いの?」
と、話を変える娘さん。
「うむ、そりゃ、今のところは仮の宿だしの。こっちのほうがひろいのう」
孫娘の質問がちょうど気分転換になったか、少し重い空気が薄れた感じで言葉を返す妖老。
「……そうなんだ。わたしここで泳いだことないから、よくわかんないや」
「おお、そうじゃったかのう。泳ぎ回ればすぐわかるが……」
「じゃ、ちょっと泳いでいい?」
祖父の言葉に少し期待を込めた感じで問い返す孫娘。
「むう。それは止したほうがいいのう。まだまだ、ここの水は体に悪い」
しかし、返答は彼女の希望どおりとは行かなかった。
「そうなんだ。……がっかりだよ」
ショボン、と文字通り肩を落として落胆する娘。
そういう空気に堪えかねて思わず俺は一つの提案を言ってしまう。
「泳ぐ代わりといっては何だが空中遊泳とかどうだろう?」

10
「すごいすごいすごい!!!」
俺の腕の中で興奮した娘さんははしゃぎ声を上げながら眼下の風景を眺めている。
俺は彼女の背中からお腹へ両腕をまわして抱きしめながら支えて宙を浮いている。
先ほど自ら提案した空中遊泳を実行中というわけだ。
まあ、天狗の血を引いているんで空を飛ぶのは得意だ。
娘さん一人を抱きかかえて中空を浮かぶのなんて朝飯前と言ってもいい。
……でも、考えてみると若い女性を後ろから抱きしめる、そんな本来なら青春の甘酸っぱい一シーンになるべきはずのこの場面、どうにもこうにも想像とは斜め上のズレを示しているのは何故だろう。
本来なら彼女の髪から漂ってくるはずの乙女の芳しき薫り……の代わりに水臭い匂いが鼻につく。
いや、まあ、目の前にあるのは河童の後頭部ですからね。正面お皿ですからねっ。そりゃ当然ッちゃ当然ですけどね……。
彼女を支える腕には華奢な女性の腰の肉感が仄かに伝わってくる……はずも無く、代わりになんか少しずつ袖のところが濡れてきているというか……。
たしかに彼女は小柄で細身ですよ。腕だって右の手のひらを左の肘に、左の手のひらを右の肘にまで回せてますよ。
でも、皮膚の粘膜の液体が俺の服の袖やら胸やら腹やらに染み込んでいくことについては想定外でしたよっ!
自分でこのプラン、提案したからいまさら撤回するのはかっこ悪いし……。
「すごいすごいすごいすごい」
まだまだ興奮冷めやらぬ娘さん。
あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロ、落ち着きがどんどんなくなりだす。
俺の腕を浮き輪のように掴んで捕まっていた体が顔を向ける方へ傾いたり戻ったり忙しく揺れる。
「お、おい、ちょっと!」
はしゃぎすぎだと、言おうと口をあけたや否や、顔めがけて粘液が浴びせられる。
空からの景色をキョロキョロと眺めながら、彼女が頭を振り回した結果、お皿の中の水が俺の顔に掛かったのだ。
少しぬるりとした感触に思わず体がこわばり、腕に力を強く入れた途端、
「グエッ!?」
と若い女性にあるまじき声を発する娘河童。
彼女のお腹を強く締めてしまった!と気がついたときはすでに遅し。
彼女は頭をだらんと前に傾け息も絶え絶えな様子。
「お、おい!?だいじょうぶか?!」
慌てて彼女に声をかける俺。
そして来たのは、か細い彼女からの返答。
「……お、おみずが、お皿のお水が全部こぼれちゃいました……。……し、しぬ……」

それからのことをかいつまんで話せば、まずは娘河童の水確保が第一優先ということで、汚染されていて頭のお皿に入れられない目の前の川の水を恨めしげに見た後、俺が一っ走りして(というかびよーんと空飛んで)慌てて近くの自販機から買ってきた水を彼女の頭部に満たし、気がついた彼女に「この水、なんかチクチクして痛いですう」と文句を言われて、炭酸水を掛けてしまったことに気がついたりしながらも、何とか事なきを得たのだった。

11
「話は聞いた。なんか災難だったな」
帰宅後、父の第一声がそれだった。
「うん、まあ、とんでもない初ドライブだった」
いや、本当に初ドライブとしてはインパクトありすぎだ。
素直すぎる俺の返しに苦笑しながら、
「まあ、彼等の住処を奪ったのは人だからな。ちょっとは償いをしないとな」
と真面目な声音で切り出した。
「あれは、さ、鉱害なんだろ。誰がどうしてああなったか、判っているんじゃないのか?別に償うべき奴等がいるんじゃ?」
「まあ、そいつらの償い……と、いうか報いというか、そのへんはもう済んでしまった話だな」
父の言い方から深く訊くのが怖くなる。こう言う言い方を父がするならそれ相当のコトがあったのだ。
見ると、父の目が「これ以上訊く覚悟があるか?」と問いかけている。
だから俺の答えは。
「ま、そうならそれでいいさ」
もう過ぎてしまったことなら、藪から蛇を出すような似真似はすまい。
キジも鳴かねば撃たれまい。好奇心はネコをも殺す。チキンで結構。
「で、まあ、あとは元どおりになるまでお手伝いするぐらいしか、出来ないわけだ」
我が家の有り様からすればそれが結論ということか。
確かに妖怪相談窓口としてはそういう事になるのだろうし、ある意味、人と人外の調停役を買って出ている(まあ、傾向として相談事については、どちらかといえば妖怪よりで話を通している気がするが)わけだから、ほっておくという選択肢は取らないんだろうな。
しかしそうなると少々イいやな予感が……。
俺の懸念を知ってか知らずか、朗らかな雰囲気を漂わせ父は締めくくりの言葉を言った。
「じゃ来年もヨロシク、な」

こうして俺は結構長い間、毎年の恒例行事としてあの河童達と珍道中を繰り広げることになるのだが、それはまた別の話。
<完>
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