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第三部
四十話 モンスタークルーズは大騒ぎ 後①
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「わかりました。すごいですね。……でもなんで俺たちには効かないんでしょう」
「ある程度の魔力か精霊力を持っている者には効かないようなんです。おそらく、このピアノの音から魔力を感じられる方は、術から弾かれていると思いますよ。ホールの中にも何人か立っている方が見えるでしょう」
そう言われてホールを見回すと、確かに五人程の乗客が立っていた。突然眠ってしまった参加者達に呆気に取られながら、ピアノが原因だということはわかるのか、こちらに注目している。
「さて、あの中に水の加護を持つ魔法士がいればいいのですが」
そう軽い調子で呟いたラケイン卿は、立っていた五人に手をあげて自分の方に集まるよう声をかけた。
男性が四人、女性は一人だったが、俺達の方に困惑顔で歩いてきた彼らに、ラケイン卿が簡単に状況を説明する。やはりある程度の力を持っている魔法士だったらしい彼らは、カリュブディスが現れたという話を聞いても動揺はしたがパニックにはならなかった。
「混乱を避けるために、皆さんには眠っていただきました。ある程度の魔力か精霊力を持つ方が残るように、ここにいる騎士団長殿が特殊魔法を使いましてね、少しだけ眠っていただいているんです。皆さん健康に問題はありませんから、ご心配なく」
そう説明されて、五人は驚いた顔でグウェンを注目した。アマデウス卿をかばうために身代わりにされた彼はほんの僅かに眉を上げたが、やはり石像のごとく鍛えられた表情筋はそれを表に出さなかった。
「この中に、水の加護を持つ方はいますか。少し潮の流れが変わって船が揺れるかもしれません。魔法で船の周りの海流を確保し、船体を安定させて船の航行をアシストしたいのですが」
頼まれてもいないのに、ナイスな提案をしてくれるラケイン卿。
感嘆した俺は今度は隠すことなく彼に賞賛の眼差しを送った。
彼、いいじゃないか。
すごくいいぞ。
もしかしたら、今までで一番頼りになる助っ人なんじゃないか。
これで俺の概念的な姉に懸想してなかったら、最高だったな。
俺が心の中で彼を賛美していると、五人の中には三人の水の加護を持つ魔法士がいたらしい。それを知ってラケイン卿が満足げに頷いた。
「ついてますね。かくいう私も、実は水の加護持ちですから、四人もいれば十分でしょう。それでは、ルネ嬢と残りのお二人は、倒れた方々を少し楽な姿勢に直してあげてくれますか。多分一時間は寝ていると思いますので、目覚めたときに身体が痺れていたら可哀想ですから」
「ラケイン卿、二階の人はどうしますか」
「これからアマデウスと二階のバーに行って、休憩室の方も集めて同じように眠らせてきますよ。こちらは私に任せて、アルノルト君はくれぐれも気をつけて」
「ありがとうございます。あなたを頼って正解でした、ラケイン卿」
「そう言ってもらえて光栄だね。皆で無事に船から下りて、君と来週食事に行けることを楽しみにしてるよ」
パチンとウインクされて「お……はい」と引き攣った笑みを返しておいた。
もう来週って決まってたのか。ルネもラケイン卿もフットワーク軽いな。だんだんアルノルトの設定がめちゃくちゃになってきてるし、絶対ボロが出る気がして不安しかないが、行くしかないのか。
遠い目をしながらそう思っていると、横から視線を感じてグウェンを見た。彼はじっと俺を眺めながら俺が動き出すのを待っている。ちょっと腹の虫が悪そうだが、無駄話してないでさっさと討伐に行きたいということだろう。もっともな反応だ。
「じゃあ、皆さんよろしくお願いします。アマデウス卿の魔法が解ける頃には、全て解決していることを願いましょう」
俺の言葉を合図にして、皆それぞれの場所に散っていった。デッキから外に出る途中で、まさか眠ってないよな、と衝立の陰を覗いてみると、シスト司教はまだ召喚陣と睨めっこしていた。司教には簡単に事情を説明してから、引き続き禁術の解除をお願いして、俺は急いでグウェンと一緒に船のデッキから海の上に飛び立った。
◆
海の上は月明かりはあるが、雲は多い。
暗い夜空の下、魔物がいる方向に向かって飛んでいく。幸いまだ他の魔物は引き寄せられていないようだった。このまま次が来る前にシスト司教が無事に解術してくれることを祈るしかない。
「あなたは、騎士ではないのに魔物の討伐ができるのか」
隣を飛んでいるグウェンに聞かれて、俺は軽く頷いた。
「言ってなかったっけ? 俺これでも一応宮廷魔法士だよ」
「それはフォンドレイク副団長に聞いたが、しかし宮廷魔法士でも実戦は危険が伴うだろう」
「大丈夫だよ。今まで何度か魔物とは戦ってるし。そういえば、魔法が使える状態でグウェンドルフと共闘するなんて久しぶりだな」
ラムルでも何回か魔物と悪魔と戦ったけど、あのときは俺、最初から最後まで魔力封じの首輪つけてて役立たずだったしな。
風に煽られて上下に軽く蛇行しながら俺が感慨深げに言うと、体勢を崩すことなく一定の速度で飛んでいるグウェンは俺の顔を見た。
「久しぶり、ということは以前にもあるということなのか」
「うん。直近でいうと……あれだな。王宮の地下で悪魔と戦ったやつ。総帥と宮廷魔法士の爺さん達とみんなで協力して」
「王宮の、悪魔……?」
「あ、これ公には秘密のやつな。心配しなくても悪魔は無事に魔界に追い返したから大丈夫」
安心させるようにさらっと補足したら、グウェンは小さな声で「悪魔を追い返した」と復唱した。明らかに困惑している彼の横で、俺は頭の中で厳密にはあれは悪魔だから魔物じゃないな、と変なところが引っかかった。
「魔物だったらトロンの森の神殿か。でもよく考えると、あれもバジリスクを倒したときは共闘したわけじゃなかったな。一緒に戦ったのはあれも悪魔か……」
無言になった彼をよそに、俺は考える。
待てよ。よく考えたら俺、グウェンと一緒に悪魔以外のものと戦ったこと、なくない?
あ、あれか。魔道機関車の上で、一瞬だけあったか。
「魔物もね、ちょっとだけ倒したことあった。でも大体悪魔。そう考えたら今回のは凶悪な海の魔物とはいえ、ちゃんと魔物だから大丈夫だ。軽いよ」
明るい調子でうんうんと頷き、横を飛ぶグウェンを見たら、彼は髪を靡かせながら真顔で俺を凝視していた。
「グウェンドルフ?」
「私は知らないが、五年の間にデルトフィアには悪魔が頻繁に現れるようになったのか」
「え? いや、そんなことない。五年のうちに、三回だけ。ちょっと人為的な事件があって、悪魔が結界から出そうになったときに、毎回俺とグウェンドルフが居合わせただけだから」
ますます当惑した顔になった彼を見て、事前に話しておくべきだったかと首を捻った。そういえばこの話を詳細に説明できるのは俺か総帥くらいだ。
でもまさか今夜こんな事件に巻き込まれるとは思わなかったから、仕方がない。俺達のことは、グウェンの気持ちが落ち着いてきたらゆっくり話せばいいと思って寝かせていた。
「ごめん、また今度詳しく話すよ。お前が聞きたかったらだけど。とにかく、心配しなくても俺は自分の身は自分で守れるから大丈夫」
「……とりあえず、わかった」
「そういえば、カリュブディスって魔物、グウェンドルフは知ってる?」
念のために聞いておくと、彼は頷いて前方に視線を戻した。
「見るのは初めてだが、以前祖父の本で生態は読んだことはある」
「俺もこの目で確認するのは初めて。船を丸呑みにできるくらい巨大な口があるんだよな。タコみたいって聞くけど、弱点はどこになるんだ」
「渦潮の真ん中に口があり、船を引き込むらしい。目玉は弱点だろうが、ほとんど海面には出ないと」
「クラーケンみたいにはいかないってことか。とすると、ちょうどこれが使えそうだな」
神官服の内ポケットから魔石を取り出す。さっきシスト司教が見つけてきた、あの赤い石だ。
「それは」
「サリエル伯爵の部屋で司教が見つけてくれたやつ。これ、強力な攻撃魔法が込められてるらしいんだよ。さっきサリエル伯爵が吹っ飛んだときの爆発があっただろ。多分あれより強烈な爆撃ができる。これをカリュブディスの口の中に放り込めばいい」
そう言って石を見せると、グウェンはその石を見て首肯した。
「外側から叩くより、効果はあるだろう」
「駆除できればそれが一番いいけど、海の底にまた戻ってくれるならそれでもいいよな。あ、言ってるそばから潮が変わってきたな」
海面を見ると、明らかに水流がおかしかった。前方に引き込まれるように、海の水が蛇行している。
「ある程度の魔力か精霊力を持っている者には効かないようなんです。おそらく、このピアノの音から魔力を感じられる方は、術から弾かれていると思いますよ。ホールの中にも何人か立っている方が見えるでしょう」
そう言われてホールを見回すと、確かに五人程の乗客が立っていた。突然眠ってしまった参加者達に呆気に取られながら、ピアノが原因だということはわかるのか、こちらに注目している。
「さて、あの中に水の加護を持つ魔法士がいればいいのですが」
そう軽い調子で呟いたラケイン卿は、立っていた五人に手をあげて自分の方に集まるよう声をかけた。
男性が四人、女性は一人だったが、俺達の方に困惑顔で歩いてきた彼らに、ラケイン卿が簡単に状況を説明する。やはりある程度の力を持っている魔法士だったらしい彼らは、カリュブディスが現れたという話を聞いても動揺はしたがパニックにはならなかった。
「混乱を避けるために、皆さんには眠っていただきました。ある程度の魔力か精霊力を持つ方が残るように、ここにいる騎士団長殿が特殊魔法を使いましてね、少しだけ眠っていただいているんです。皆さん健康に問題はありませんから、ご心配なく」
そう説明されて、五人は驚いた顔でグウェンを注目した。アマデウス卿をかばうために身代わりにされた彼はほんの僅かに眉を上げたが、やはり石像のごとく鍛えられた表情筋はそれを表に出さなかった。
「この中に、水の加護を持つ方はいますか。少し潮の流れが変わって船が揺れるかもしれません。魔法で船の周りの海流を確保し、船体を安定させて船の航行をアシストしたいのですが」
頼まれてもいないのに、ナイスな提案をしてくれるラケイン卿。
感嘆した俺は今度は隠すことなく彼に賞賛の眼差しを送った。
彼、いいじゃないか。
すごくいいぞ。
もしかしたら、今までで一番頼りになる助っ人なんじゃないか。
これで俺の概念的な姉に懸想してなかったら、最高だったな。
俺が心の中で彼を賛美していると、五人の中には三人の水の加護を持つ魔法士がいたらしい。それを知ってラケイン卿が満足げに頷いた。
「ついてますね。かくいう私も、実は水の加護持ちですから、四人もいれば十分でしょう。それでは、ルネ嬢と残りのお二人は、倒れた方々を少し楽な姿勢に直してあげてくれますか。多分一時間は寝ていると思いますので、目覚めたときに身体が痺れていたら可哀想ですから」
「ラケイン卿、二階の人はどうしますか」
「これからアマデウスと二階のバーに行って、休憩室の方も集めて同じように眠らせてきますよ。こちらは私に任せて、アルノルト君はくれぐれも気をつけて」
「ありがとうございます。あなたを頼って正解でした、ラケイン卿」
「そう言ってもらえて光栄だね。皆で無事に船から下りて、君と来週食事に行けることを楽しみにしてるよ」
パチンとウインクされて「お……はい」と引き攣った笑みを返しておいた。
もう来週って決まってたのか。ルネもラケイン卿もフットワーク軽いな。だんだんアルノルトの設定がめちゃくちゃになってきてるし、絶対ボロが出る気がして不安しかないが、行くしかないのか。
遠い目をしながらそう思っていると、横から視線を感じてグウェンを見た。彼はじっと俺を眺めながら俺が動き出すのを待っている。ちょっと腹の虫が悪そうだが、無駄話してないでさっさと討伐に行きたいということだろう。もっともな反応だ。
「じゃあ、皆さんよろしくお願いします。アマデウス卿の魔法が解ける頃には、全て解決していることを願いましょう」
俺の言葉を合図にして、皆それぞれの場所に散っていった。デッキから外に出る途中で、まさか眠ってないよな、と衝立の陰を覗いてみると、シスト司教はまだ召喚陣と睨めっこしていた。司教には簡単に事情を説明してから、引き続き禁術の解除をお願いして、俺は急いでグウェンと一緒に船のデッキから海の上に飛び立った。
◆
海の上は月明かりはあるが、雲は多い。
暗い夜空の下、魔物がいる方向に向かって飛んでいく。幸いまだ他の魔物は引き寄せられていないようだった。このまま次が来る前にシスト司教が無事に解術してくれることを祈るしかない。
「あなたは、騎士ではないのに魔物の討伐ができるのか」
隣を飛んでいるグウェンに聞かれて、俺は軽く頷いた。
「言ってなかったっけ? 俺これでも一応宮廷魔法士だよ」
「それはフォンドレイク副団長に聞いたが、しかし宮廷魔法士でも実戦は危険が伴うだろう」
「大丈夫だよ。今まで何度か魔物とは戦ってるし。そういえば、魔法が使える状態でグウェンドルフと共闘するなんて久しぶりだな」
ラムルでも何回か魔物と悪魔と戦ったけど、あのときは俺、最初から最後まで魔力封じの首輪つけてて役立たずだったしな。
風に煽られて上下に軽く蛇行しながら俺が感慨深げに言うと、体勢を崩すことなく一定の速度で飛んでいるグウェンは俺の顔を見た。
「久しぶり、ということは以前にもあるということなのか」
「うん。直近でいうと……あれだな。王宮の地下で悪魔と戦ったやつ。総帥と宮廷魔法士の爺さん達とみんなで協力して」
「王宮の、悪魔……?」
「あ、これ公には秘密のやつな。心配しなくても悪魔は無事に魔界に追い返したから大丈夫」
安心させるようにさらっと補足したら、グウェンは小さな声で「悪魔を追い返した」と復唱した。明らかに困惑している彼の横で、俺は頭の中で厳密にはあれは悪魔だから魔物じゃないな、と変なところが引っかかった。
「魔物だったらトロンの森の神殿か。でもよく考えると、あれもバジリスクを倒したときは共闘したわけじゃなかったな。一緒に戦ったのはあれも悪魔か……」
無言になった彼をよそに、俺は考える。
待てよ。よく考えたら俺、グウェンと一緒に悪魔以外のものと戦ったこと、なくない?
あ、あれか。魔道機関車の上で、一瞬だけあったか。
「魔物もね、ちょっとだけ倒したことあった。でも大体悪魔。そう考えたら今回のは凶悪な海の魔物とはいえ、ちゃんと魔物だから大丈夫だ。軽いよ」
明るい調子でうんうんと頷き、横を飛ぶグウェンを見たら、彼は髪を靡かせながら真顔で俺を凝視していた。
「グウェンドルフ?」
「私は知らないが、五年の間にデルトフィアには悪魔が頻繁に現れるようになったのか」
「え? いや、そんなことない。五年のうちに、三回だけ。ちょっと人為的な事件があって、悪魔が結界から出そうになったときに、毎回俺とグウェンドルフが居合わせただけだから」
ますます当惑した顔になった彼を見て、事前に話しておくべきだったかと首を捻った。そういえばこの話を詳細に説明できるのは俺か総帥くらいだ。
でもまさか今夜こんな事件に巻き込まれるとは思わなかったから、仕方がない。俺達のことは、グウェンの気持ちが落ち着いてきたらゆっくり話せばいいと思って寝かせていた。
「ごめん、また今度詳しく話すよ。お前が聞きたかったらだけど。とにかく、心配しなくても俺は自分の身は自分で守れるから大丈夫」
「……とりあえず、わかった」
「そういえば、カリュブディスって魔物、グウェンドルフは知ってる?」
念のために聞いておくと、彼は頷いて前方に視線を戻した。
「見るのは初めてだが、以前祖父の本で生態は読んだことはある」
「俺もこの目で確認するのは初めて。船を丸呑みにできるくらい巨大な口があるんだよな。タコみたいって聞くけど、弱点はどこになるんだ」
「渦潮の真ん中に口があり、船を引き込むらしい。目玉は弱点だろうが、ほとんど海面には出ないと」
「クラーケンみたいにはいかないってことか。とすると、ちょうどこれが使えそうだな」
神官服の内ポケットから魔石を取り出す。さっきシスト司教が見つけてきた、あの赤い石だ。
「それは」
「サリエル伯爵の部屋で司教が見つけてくれたやつ。これ、強力な攻撃魔法が込められてるらしいんだよ。さっきサリエル伯爵が吹っ飛んだときの爆発があっただろ。多分あれより強烈な爆撃ができる。これをカリュブディスの口の中に放り込めばいい」
そう言って石を見せると、グウェンはその石を見て首肯した。
「外側から叩くより、効果はあるだろう」
「駆除できればそれが一番いいけど、海の底にまた戻ってくれるならそれでもいいよな。あ、言ってるそばから潮が変わってきたな」
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