生まれ変わったので、自由を謳歌することにしました。

猫野 狗狼

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9 離婚そして新たな出会い①―公爵視点―

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 数年後、俺は歓喜に打ち震えながら我が家に足を踏み入れた。
 ちなみに、屋敷に戻るのは二年ぶりだ。
 なぜ二年ぶりなのか疑問に思う人もいるだろうから簡単に説明すると。
 結婚してから二年は一緒に暮らしていたものの、三年目に差し掛かる時に隣国とのちょっとしたいざこざが起きたためこれ幸いとそれを理由に屋敷を出て離婚の材料集めを開始した、ということだ。

「ジャスパー、屋敷に入ったら使用人全員とロゼッタを捉えればいいのだな?」
「あぁ、頼むよ」

 俺の隣に立つハーフエルフのグウェンに全体の指揮を任せて、自身は静かにその様子を眺めていた。

 隣国との戦争と嘘の情報を流し、屋敷をあけた二年という歳月はここを腐らすには十分な期間だったようだ。
 屋敷を飾る調度品は煌びやかで一級品だった筈が、ほとんど残っておらず屋敷の広さがよく分かるほど寂しくなっていた。さらに、仕事もあまり真面目にしていなかったのか、所々壁や床に汚れが目立つ。反対に、使用人(侍女や執事)達の身なりは整っており、金をかけているのが見てわかった。

 まぁ、屋敷を探らせてた密偵の報告によると、ロゼッタも男を連れ込んで色欲に溺れていたらしいし女主人らしいことは何一つしていなかったのが安易に予想できる。
 彼女の実家も、彼女が何をしようが咎めず…むしろ擁護するような行動をとっていた。つまり、容認していたのだ。さらに言えば、クルシュ公爵は賭博にはまり散財をしていた。
 つまり、親子と共々腐っているということだ。

「こんなに上手く証拠が集まるなんて…」

 思わず口元に笑みが浮かぶ。
 使用人達の慌てふためく声を聞きながら、大広間へと歩みを進める。

♦♦♦

 捕らえられたロゼッタを見ても、思っていた通り何も思うことはなかった。
 彼女の美しさは過去も現在も変わりないが、厚化粧になったその顔を見て嫌悪感を覚えた。
 元より彼女自身に好意や好感を覚えたことはないのでこの評価は間違っているかもしれないが、不快に思うのは仕方がないと思う。まぁ、情夫とお楽しみ中だったのだし嫌悪感を感じるのは当たり前なのかもしれない。

 冷めた目でロゼッタを眺めていると、グウェンが戻ってきたようでそちらに視線を向けた。
 処遇について話そうと思って開けた口は、別の言葉を発していた。
 
「…ん?グウェン、その子は何だい?」

 なんで君が子供を抱いているのかな?

 想定外の展開に思考が一瞬停止したのだった。
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