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「叔母様?!」
ソフィアへ、思わずといったふうにシャーロットは駆け寄り、
「殿下! そのようなことをしてはなりません!」
セオドアも焦った様子で、ソフィアへ呼びかける。
そのセオドアへ。
「花言葉をきちんと伝えたと聞きましたが、『無関心』以外は伝えていない、とも聞きました。何か理由が?」
ジュリアンがソフィアと共に連れてきた、背の低い人物──『自称ソフィアの弟子』が、子供のような高い声で冷静に問いかけた。
「え?」
慌てすぎてソフィアを物理的に立ち上がらせようとしていたシャーロットは動きを止め、『自称弟子』へ顔を向け、
「……無関心、以外……? ……他にも、何か、あるの……?」
なんか、恐ろしい意味とかが。
不安を超えて、恐怖しかけている表情で尋ねる。
「怖い花言葉ではありません」
十歳にも満たない子どもの姿をしている彼は、
「そうでない意味を持たせた地域もあるかも知れませんが」
緑の髪をソフィアと同じように髪挿しで纏めている頭、その上にある薄桃色の犬に似た耳を動かし、
「自分が知っていてセオドアさんへ教えた花言葉は全て、どれもこれも怖くないので」
黒一色の紳士用礼装から出してある、同じく薄桃色をした、犬に似ているが長めに思える尾を揺らし、
「つまり、花言葉を全く知らなかったセオドアさんは、自分が教えた花言葉以外知らないので、それ以外の意味を持たせて贈るなど不可能です」
シャーロットへ、冷静な表情で断言するように言って、
「というより、しないと思います。それとも何か、他の意味を込めたりしたんでしょうか? セオドアさん」
再びセオドアへ問いかけた。
「他の意味など込めてない。知らない。それともあれか。もっと素晴らしい意味でもあるのか」
不貞腐れたように応えたセオドアへ、どういう理由から不貞腐れているのか怖くて聞けないシャーロットは、恐る恐る顔を向けてみる。
「……セオ、様……? あの……?」
目にした自分の婚約者は、頬を赤くし、『自称弟子』の彼を軽く睨んでいた。
つまり、どういうこと。
「心を惹きつける」
自称弟子が、冷静に何かを言い始めた。
「おい」
どうしてか顔の赤いセオドアが、軽くでなく強めに彼を睨む。
「初恋の思い出」
「おい、無視をするな」
シャーロットはもう、どちらを見ればいいのか、右往左往するように二人へ交互に顔を向けるくらいしか思いつかない。
「甘い誘惑。『無関心』以外で、自分が知っているイベリスの花言葉は、これで全てです。セオドアさんは?」
「先ほども言った。それら以外知らない。他の意味など込めてない。そもそも、なぜ、今。それらを、しかも全てを言ったんだ?」
セオドアに睨みつけられている彼は、
「もっと素晴らしい意味があるかと聞かれたので」
さらりと応え、付け加えるように。
「これらの意味を込めたなら、なぜ『無関心』だけ伝えたんです? 伝えていれば、秘密箱の騒動も起こらずに済んだかと思いますけど」
言われたセオドアは、赤い顔を悔しそうに歪め、俯いて、先ほどより不貞腐れたように。
「……重いだろう……それら全てを伝えるなど……」
「あなただけを愛している、も、充分にこっ恥ずかしくて重いかと、あ」
「おい今こっ恥ずかしいと──、っ?!」
セオドアが顔を上げるのとほぼ同時に、彼を防御していた八枚の防御壁が壊された。
防御壁を構築した本人──どう見ても怒っているシャーロットの拳で、叩き割るように粉砕された。
ソフィアが居た場所から自分の居る場所まで、シャーロットは瞬時に移動したらしい。
セオドアはどうにか状況を理解した。
理解した、ものの。
「……セオ様……」
粉砕破壊した勢いのまま自分の襟を掴み、やはりどう見ても怒りの表情を浮かべているシャーロットへ、どのような謝罪をすればいいか分からない。
「しゃ、シャル、その──」
「そういうのは全部言えセオ様のバカ!!!!」
「重く、て、え?」
ソフィアへ、思わずといったふうにシャーロットは駆け寄り、
「殿下! そのようなことをしてはなりません!」
セオドアも焦った様子で、ソフィアへ呼びかける。
そのセオドアへ。
「花言葉をきちんと伝えたと聞きましたが、『無関心』以外は伝えていない、とも聞きました。何か理由が?」
ジュリアンがソフィアと共に連れてきた、背の低い人物──『自称ソフィアの弟子』が、子供のような高い声で冷静に問いかけた。
「え?」
慌てすぎてソフィアを物理的に立ち上がらせようとしていたシャーロットは動きを止め、『自称弟子』へ顔を向け、
「……無関心、以外……? ……他にも、何か、あるの……?」
なんか、恐ろしい意味とかが。
不安を超えて、恐怖しかけている表情で尋ねる。
「怖い花言葉ではありません」
十歳にも満たない子どもの姿をしている彼は、
「そうでない意味を持たせた地域もあるかも知れませんが」
緑の髪をソフィアと同じように髪挿しで纏めている頭、その上にある薄桃色の犬に似た耳を動かし、
「自分が知っていてセオドアさんへ教えた花言葉は全て、どれもこれも怖くないので」
黒一色の紳士用礼装から出してある、同じく薄桃色をした、犬に似ているが長めに思える尾を揺らし、
「つまり、花言葉を全く知らなかったセオドアさんは、自分が教えた花言葉以外知らないので、それ以外の意味を持たせて贈るなど不可能です」
シャーロットへ、冷静な表情で断言するように言って、
「というより、しないと思います。それとも何か、他の意味を込めたりしたんでしょうか? セオドアさん」
再びセオドアへ問いかけた。
「他の意味など込めてない。知らない。それともあれか。もっと素晴らしい意味でもあるのか」
不貞腐れたように応えたセオドアへ、どういう理由から不貞腐れているのか怖くて聞けないシャーロットは、恐る恐る顔を向けてみる。
「……セオ、様……? あの……?」
目にした自分の婚約者は、頬を赤くし、『自称弟子』の彼を軽く睨んでいた。
つまり、どういうこと。
「心を惹きつける」
自称弟子が、冷静に何かを言い始めた。
「おい」
どうしてか顔の赤いセオドアが、軽くでなく強めに彼を睨む。
「初恋の思い出」
「おい、無視をするな」
シャーロットはもう、どちらを見ればいいのか、右往左往するように二人へ交互に顔を向けるくらいしか思いつかない。
「甘い誘惑。『無関心』以外で、自分が知っているイベリスの花言葉は、これで全てです。セオドアさんは?」
「先ほども言った。それら以外知らない。他の意味など込めてない。そもそも、なぜ、今。それらを、しかも全てを言ったんだ?」
セオドアに睨みつけられている彼は、
「もっと素晴らしい意味があるかと聞かれたので」
さらりと応え、付け加えるように。
「これらの意味を込めたなら、なぜ『無関心』だけ伝えたんです? 伝えていれば、秘密箱の騒動も起こらずに済んだかと思いますけど」
言われたセオドアは、赤い顔を悔しそうに歪め、俯いて、先ほどより不貞腐れたように。
「……重いだろう……それら全てを伝えるなど……」
「あなただけを愛している、も、充分にこっ恥ずかしくて重いかと、あ」
「おい今こっ恥ずかしいと──、っ?!」
セオドアが顔を上げるのとほぼ同時に、彼を防御していた八枚の防御壁が壊された。
防御壁を構築した本人──どう見ても怒っているシャーロットの拳で、叩き割るように粉砕された。
ソフィアが居た場所から自分の居る場所まで、シャーロットは瞬時に移動したらしい。
セオドアはどうにか状況を理解した。
理解した、ものの。
「……セオ様……」
粉砕破壊した勢いのまま自分の襟を掴み、やはりどう見ても怒りの表情を浮かべているシャーロットへ、どのような謝罪をすればいいか分からない。
「しゃ、シャル、その──」
「そういうのは全部言えセオ様のバカ!!!!」
「重く、て、え?」
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