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25話 サージュと隣人
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一月経っても隣人の家主は帰ってこなかった。
まだ見ぬ隣人への憤りは、次第に日にちが経つにつれて無事なのか心配へと変わっているのだが、サージュはいつものことだと言い気にもしていない。
男の子の名前はサージュといい、恥ずかしいのか目を逸らし前髪を手で押さえながら今年で七歳になったと言った。年齢を聞いてミミが驚いてしまったのは、どう見ても五歳前後だと思っていたからだ。ただ彼はとてもしっかり受け答えをしてくれていて、幼さがあまり見えなかった。
数ある種族の中には、子どものときの成長が遅い個体がいると聞いてはいるのだが、サージュはあまりにも小さくて痩せていた。ミミは成長の遅れは栄養不足が原因だと結論付け、いつも野菜たっぷりの料理を作っている。
ナッチェに相談したら、あの女はまた子どもを放置しているんだね! と憤慨し、毎回パンをお店の商品とは別に用意して帰りに持たせてくれるようになっていた。ふかふかのパンが食卓にあるのはとてもありがたい。サージュはいつも、ミミが用意した野菜のサラダと野菜のスープを、何も言わずにもくもくと食べている。
「ぷはぁ、湯上りのイチココミルクは格別ね」
ミミは隣で一緒に飲んでいるサージュに笑顔を向けた。
「うん」
相変わらず口数は少ないが、サージュは頬を染め一生懸命にイチココミルクを飲んでいる。甘酸っぱい果物を絞って、甘いミルクに混ぜた飲み物をサージュも気に入っているようだ。
サージュを泊めた次の日に、ふたりは家の近くにある湯屋へ向かった。湯屋にはじめて入るサージュを、ミミは番台のお爺さんに気にかけてくれるように頼んだのだが――。
壁を隔てた湯船に浸かりながらも、何度もサージュに声をかけていたミミを微笑ましく思ったのか、湯上りにこのイチココミルクを飲ませてくれたのだ。
できることなら毎日入りにきたいと思うほどミミは湯屋が気に入ったのだが、収入の少ない今は三日に一回で我慢するしかないと諦めている。その代わり、イチココミルクは飲もうと決意しているのだ。
ずいぶんと長い時間を湯屋にいたらしく、外には月が出ていた。今日の月は一年でいちばん大きく見える満月で、暗い夜道を明るく照らしている。秋の終わりを告げる冷たい風が、湯上りで温まった頬を冷やしていた。
夜の国都は、昼間とは違った賑わいがあるのだが、ミミはまだ慣れない。ふたりは手を繋いで家路を急いだ。
自宅前の外灯がほのかに明るく光り、ふたりを出迎えてくれている。ミミたちが借りている長家は店の裏側にあるため夜になると真っ暗で、この外灯がなければ闇一色なのだ。庭に育った木々は街の喧騒も遮り、ここだけが別世界のような静けさもあった。
暗闇の中で光るほのかな灯りは、どうしてこんなにもほっとさせてくれるのだろうか。それは同時に、故郷を出るときに歩いた、暗い森とランタンの灯りを思い出させた。
森で感じた恐怖心もまだはっきりと覚えている。
ときどき過去がやってきて、ミミの心を撫でていく。嬉しかったことも、悲しかったことも、怖かったことも。
ミミは小さく息を吐いてから、家のドアの鍵を回した。ドアを開けて中に入ろうとしたとき、サージュが隣の部屋のドアを凝視していることに気づいた。同じようにのぞこうとすると、サージュは急いで部屋の中にミミを入れようとしたのだ。
「えっ、サージュ?」
ミミがサージュに声をかけたそのとき、隣の部屋のドアが開いた。
目を向けると、隣のドアの前には大きな女が立っていた。動きやすい服装で、髪は肩下で揺れている。
「あの! サージュのお母さんですか!?」
とっさにミミは声をかけた。女は驚き、黄色く光る眼でミミを凝視している。
「私は隣の者で、サージュがひとりでいたので、今、私が預かっているのですが……」
突然の遭遇に、言おうと思っていた言葉はどこかへ飛んでいってしまったのだが、ミミはなんとか今の現状を女に伝えた。女は自分の髪を掻きむりながら、唸っている。
ミミは身構えた。猛獣類が威嚇する声と同じだったからだ。女はそんなミミの警戒心など気にもせず、少し考えてから声を出した。
「違うよ、こいつはあたしの子じゃない」
ミミの隣にいるサージュを見ながら女は低い声で答える。
「このガキはハンターやってたあたしの仲間が産んだ子だ。大きな仕事があるからって、こいつをあたしに預けたまま蒸発しちまった。たぶんもう死んじまってるよ」
サージュの母親は冒険ギルドで仕事を請け負っていたハンターだった。隣人の女とは酒を呑みかわす仲で、三年前に頼まれてサージュを預かっていたのだという。
「あいつがちっとも帰ってこないから孤児院に連れて行ったら、寄付金をせがまれちまってな。そんな金があるなら、あたしは自分のために酒を買うさ。本人も嫌がっていたし、しょーがねえからこいつが大きくなるまで家に置いてやってたんだ。ほしけりゃあんたにくれてやるよ」
いっきにそう言うと、女はふらつきながらも手を振って歩きだした。あまりの言葉に呆然としてしまったミミも、慌てて女を追いかけ衣服を掴んだ。
「待ってください! 話はまだ終わっていません!!」
掴まえた女からは酒の臭いが漂っていて、ミミは顔を歪めた。
「うるさい小うさぎだね。あんた耳すら隠せないのか」
女はそういうと、ミミの耳をつまみ引っ張った。
「うっ」
小さな痛みが走り、ミミは自分の耳を守ろうと女の手を叩いた。
「それとも、自分は強いとアピールしているのか?」
目を細め、女は顔を近づけて威圧までしてくる。
ホーデリオにも、獣人族の特徴の一つである耳や尻尾を隠すように言われていた。国都では多種多様な人種が生活しているため、弱い者が狙われて餌食になってしまうことがあるのだ。とくに草食系を先祖に持つ獣人たちは要注意だった。同族同士のコミュニティもそれなりにあるのだが、国都に集まる者たちは何よりも個人を大事にしている。
そんな理由もあり、国都では種族を隠す者もいて、会ったばかりの相手に種族を訊くのもマナー違反とされていた。力が弱ければ弱いほど、種族の特徴を隠す必要があり、国都で生まれ育った子どもたちも小さいころから練習をするのだ。ミミは種族の特徴がいっさい見えないサージュを凄いと思っている。きっとたくさん努力したのだろう。
本来なら魔力が少なくてもできるようになるものなのだが、ミミは今まで獣化したことも隠したこともなく、旅の途中でどんなに練習してもできなかった。ホーデリオからは帽子をかぶるように言われていたのだが、パン屋のナッチェも隠していなかったので安心してしまっていたのだ。ナッチェにそれとなく訊いてみたら、店のアピールと兎獣人族としての誇りだよと言われ、ミミは胸が熱くなったのを覚えている。
だが一方で、隠さずにいる者ほど、自分は強いというアピールにもなっているのだ。
そして目の前にいる女もまた、隠していなかった。豹獣人の特徴的な耳と長い尻尾が、堂々と生えている。
「ミミを放せ!」
「っつ!」
女は太ももに衝撃を受け、とっさにミミを放した。そばにいたサージュが女を強く押したのだ。
「ミミのきれいな耳に、気安く触るな!」
サージュの怒気が、夜の冷えた空気を震わせている。
月の光が、驚いている女の顔を照らしていた。歳は四十代くらいだろうか。
「クソガキが、いっちょまいなこと、言うようになったじゃねーか。あたしは世間知らずのこの娘に、世の中のことを教えてやってるんだよ」
女は気を取り直し、好戦的にサージュに近づいていく。
「ミミはおれが守る。だからミミはこのままでいいんだ」
サージュの言葉に今度はミミが驚いた。こんなにたくさんしゃべるサージュもはじめてだが、何よりもその言葉がミミの心をくすぐっている。
月明かりの下で睨み合うふたりを見ていたミミは、大事なことを思い出した。
「あの! あなたの部屋、掃除してもいいですか!?」
「は?」
女は眉間に皺を寄せてミミを見た。
「めっちゃ臭いんです!!」
「は!?」
「私の部屋にまで悪臭がきて、我慢の限界です! 掃除させてください!!」
ミミの気迫に、女は若干たじろいだ。
「く……くさい……」
「めっちゃ臭いです! 掃除していいですか!?」
「あ、ああ」
こうしてミミは、ようやく隣の部屋を掃除できることになったのだ。
まだ見ぬ隣人への憤りは、次第に日にちが経つにつれて無事なのか心配へと変わっているのだが、サージュはいつものことだと言い気にもしていない。
男の子の名前はサージュといい、恥ずかしいのか目を逸らし前髪を手で押さえながら今年で七歳になったと言った。年齢を聞いてミミが驚いてしまったのは、どう見ても五歳前後だと思っていたからだ。ただ彼はとてもしっかり受け答えをしてくれていて、幼さがあまり見えなかった。
数ある種族の中には、子どものときの成長が遅い個体がいると聞いてはいるのだが、サージュはあまりにも小さくて痩せていた。ミミは成長の遅れは栄養不足が原因だと結論付け、いつも野菜たっぷりの料理を作っている。
ナッチェに相談したら、あの女はまた子どもを放置しているんだね! と憤慨し、毎回パンをお店の商品とは別に用意して帰りに持たせてくれるようになっていた。ふかふかのパンが食卓にあるのはとてもありがたい。サージュはいつも、ミミが用意した野菜のサラダと野菜のスープを、何も言わずにもくもくと食べている。
「ぷはぁ、湯上りのイチココミルクは格別ね」
ミミは隣で一緒に飲んでいるサージュに笑顔を向けた。
「うん」
相変わらず口数は少ないが、サージュは頬を染め一生懸命にイチココミルクを飲んでいる。甘酸っぱい果物を絞って、甘いミルクに混ぜた飲み物をサージュも気に入っているようだ。
サージュを泊めた次の日に、ふたりは家の近くにある湯屋へ向かった。湯屋にはじめて入るサージュを、ミミは番台のお爺さんに気にかけてくれるように頼んだのだが――。
壁を隔てた湯船に浸かりながらも、何度もサージュに声をかけていたミミを微笑ましく思ったのか、湯上りにこのイチココミルクを飲ませてくれたのだ。
できることなら毎日入りにきたいと思うほどミミは湯屋が気に入ったのだが、収入の少ない今は三日に一回で我慢するしかないと諦めている。その代わり、イチココミルクは飲もうと決意しているのだ。
ずいぶんと長い時間を湯屋にいたらしく、外には月が出ていた。今日の月は一年でいちばん大きく見える満月で、暗い夜道を明るく照らしている。秋の終わりを告げる冷たい風が、湯上りで温まった頬を冷やしていた。
夜の国都は、昼間とは違った賑わいがあるのだが、ミミはまだ慣れない。ふたりは手を繋いで家路を急いだ。
自宅前の外灯がほのかに明るく光り、ふたりを出迎えてくれている。ミミたちが借りている長家は店の裏側にあるため夜になると真っ暗で、この外灯がなければ闇一色なのだ。庭に育った木々は街の喧騒も遮り、ここだけが別世界のような静けさもあった。
暗闇の中で光るほのかな灯りは、どうしてこんなにもほっとさせてくれるのだろうか。それは同時に、故郷を出るときに歩いた、暗い森とランタンの灯りを思い出させた。
森で感じた恐怖心もまだはっきりと覚えている。
ときどき過去がやってきて、ミミの心を撫でていく。嬉しかったことも、悲しかったことも、怖かったことも。
ミミは小さく息を吐いてから、家のドアの鍵を回した。ドアを開けて中に入ろうとしたとき、サージュが隣の部屋のドアを凝視していることに気づいた。同じようにのぞこうとすると、サージュは急いで部屋の中にミミを入れようとしたのだ。
「えっ、サージュ?」
ミミがサージュに声をかけたそのとき、隣の部屋のドアが開いた。
目を向けると、隣のドアの前には大きな女が立っていた。動きやすい服装で、髪は肩下で揺れている。
「あの! サージュのお母さんですか!?」
とっさにミミは声をかけた。女は驚き、黄色く光る眼でミミを凝視している。
「私は隣の者で、サージュがひとりでいたので、今、私が預かっているのですが……」
突然の遭遇に、言おうと思っていた言葉はどこかへ飛んでいってしまったのだが、ミミはなんとか今の現状を女に伝えた。女は自分の髪を掻きむりながら、唸っている。
ミミは身構えた。猛獣類が威嚇する声と同じだったからだ。女はそんなミミの警戒心など気にもせず、少し考えてから声を出した。
「違うよ、こいつはあたしの子じゃない」
ミミの隣にいるサージュを見ながら女は低い声で答える。
「このガキはハンターやってたあたしの仲間が産んだ子だ。大きな仕事があるからって、こいつをあたしに預けたまま蒸発しちまった。たぶんもう死んじまってるよ」
サージュの母親は冒険ギルドで仕事を請け負っていたハンターだった。隣人の女とは酒を呑みかわす仲で、三年前に頼まれてサージュを預かっていたのだという。
「あいつがちっとも帰ってこないから孤児院に連れて行ったら、寄付金をせがまれちまってな。そんな金があるなら、あたしは自分のために酒を買うさ。本人も嫌がっていたし、しょーがねえからこいつが大きくなるまで家に置いてやってたんだ。ほしけりゃあんたにくれてやるよ」
いっきにそう言うと、女はふらつきながらも手を振って歩きだした。あまりの言葉に呆然としてしまったミミも、慌てて女を追いかけ衣服を掴んだ。
「待ってください! 話はまだ終わっていません!!」
掴まえた女からは酒の臭いが漂っていて、ミミは顔を歪めた。
「うるさい小うさぎだね。あんた耳すら隠せないのか」
女はそういうと、ミミの耳をつまみ引っ張った。
「うっ」
小さな痛みが走り、ミミは自分の耳を守ろうと女の手を叩いた。
「それとも、自分は強いとアピールしているのか?」
目を細め、女は顔を近づけて威圧までしてくる。
ホーデリオにも、獣人族の特徴の一つである耳や尻尾を隠すように言われていた。国都では多種多様な人種が生活しているため、弱い者が狙われて餌食になってしまうことがあるのだ。とくに草食系を先祖に持つ獣人たちは要注意だった。同族同士のコミュニティもそれなりにあるのだが、国都に集まる者たちは何よりも個人を大事にしている。
そんな理由もあり、国都では種族を隠す者もいて、会ったばかりの相手に種族を訊くのもマナー違反とされていた。力が弱ければ弱いほど、種族の特徴を隠す必要があり、国都で生まれ育った子どもたちも小さいころから練習をするのだ。ミミは種族の特徴がいっさい見えないサージュを凄いと思っている。きっとたくさん努力したのだろう。
本来なら魔力が少なくてもできるようになるものなのだが、ミミは今まで獣化したことも隠したこともなく、旅の途中でどんなに練習してもできなかった。ホーデリオからは帽子をかぶるように言われていたのだが、パン屋のナッチェも隠していなかったので安心してしまっていたのだ。ナッチェにそれとなく訊いてみたら、店のアピールと兎獣人族としての誇りだよと言われ、ミミは胸が熱くなったのを覚えている。
だが一方で、隠さずにいる者ほど、自分は強いというアピールにもなっているのだ。
そして目の前にいる女もまた、隠していなかった。豹獣人の特徴的な耳と長い尻尾が、堂々と生えている。
「ミミを放せ!」
「っつ!」
女は太ももに衝撃を受け、とっさにミミを放した。そばにいたサージュが女を強く押したのだ。
「ミミのきれいな耳に、気安く触るな!」
サージュの怒気が、夜の冷えた空気を震わせている。
月の光が、驚いている女の顔を照らしていた。歳は四十代くらいだろうか。
「クソガキが、いっちょまいなこと、言うようになったじゃねーか。あたしは世間知らずのこの娘に、世の中のことを教えてやってるんだよ」
女は気を取り直し、好戦的にサージュに近づいていく。
「ミミはおれが守る。だからミミはこのままでいいんだ」
サージュの言葉に今度はミミが驚いた。こんなにたくさんしゃべるサージュもはじめてだが、何よりもその言葉がミミの心をくすぐっている。
月明かりの下で睨み合うふたりを見ていたミミは、大事なことを思い出した。
「あの! あなたの部屋、掃除してもいいですか!?」
「は?」
女は眉間に皺を寄せてミミを見た。
「めっちゃ臭いんです!!」
「は!?」
「私の部屋にまで悪臭がきて、我慢の限界です! 掃除させてください!!」
ミミの気迫に、女は若干たじろいだ。
「く……くさい……」
「めっちゃ臭いです! 掃除していいですか!?」
「あ、ああ」
こうしてミミは、ようやく隣の部屋を掃除できることになったのだ。
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