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歓びの里 [ランド、七日間の記録]編
日録28 君の名は
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プラトニックでどこまで攻められるか、むっつり回です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ランド。そんなに強く握り締めたら、傷になってしまいますよ」
重ねた手が、固く結んだ男の拳を優しく開かせる。
「――爪の跡がついてしまっています」
心持ち、上目遣いに見上げるエンジュの眼差しはいつもと変わらず穏やかだ。そこに熱に似たものはない。
ほらと言って、爪痕の上を、形のよい親指がゆっくりとなぞっていく。
指が肌の上を滑るたび、なんとも言えずくすぐったい。それだけでなく、どこか物足りない気もして――ひどくもどかしい。
挑発めいた行為に、思春期真っ只中にある男心が平静でいられるわけもなく。先ほどからやけに息苦しいのは、体の内にこもり始めた熱を、うまく逃がせないからだ。
爪痕に目を落とすエンジュは、本当に気づかないのだろうか。
もしも気づいていてわざとその手を止めないのなら、とんだ毒婦だ。いや、ソジの言葉を借りれば、“魔性の女”と呼んだ方がしっくりくるのかもしれない。
エンジュにとって、きっとこの程度の行為は、特に深い意味もないのだろう。
そう思っても心臓に悪い。いつもよりずっと距離が近いのだから。
自由に動く指先を止めたくて、ランドは半ば無意識のうちに、開いた手のひらを閉じた。こうすれば二度と悪さは出来まい。
ランドの思惑通り、ひとまず動きを封じることに成功した。
その結果、当然と言えば当然なのだが、エンジュの手を握り込むというさらなる展開を生んだ。
がっちりと、エンジュの手を握り締める己の手を見て、ランドの体がカチンと固まった。
…手の中に感じ取れる、華奢な手の感触。ランドの手に、じんわりとほのかな温もりが染み込んでくる。
人とはかけ離れた美貌の主は、半分人ではない。なのに、その手は思いのほか温かく、柔らかい――まるで女の肌のように。
はっと我に返った途端、かあっとランドの頬に朱が走る。思ってもみなかった事態に、とっさに手を振り払いそうになる。
その不敬を寸でのところで押しとどめたのは、単なる僥倖に過ぎない。
「熱い」ポツリとエンジュの口からこぼれ落ちた呟きに、ランドの手が止まったからだ。
何をと言いかけたランドよりも先にエンジュが言うのが早かった。
「あなたの手。燃えるように熱いです」
力なく開いたランドの手とは裏腹に、エンジュの白い手がぎゅっと強く握り直す。ランドは打ち上げられた魚のように、はくはくと口を動かすことしか出来ずにいる。
「あなたの中に、生命がみなぎっている」
「生命…?」
「はい。あなたがこれまで得てきただろう生命たち。この手は狩り人の手です。どんな理由があったにせよ、直接、命を刈り取れば少なからず怒りが纏わりつくもの。なのに、あなたの手は――とても綺麗です。きっと、あなたが心から命に対して敬意を払ってきたからでしょう――溶け合って一つになった生命たちは、とても穏やかです」
ランドは困ったような顔をして、違うとばかりに首を振る。
「それは良く言い過ぎです。それに、仮にそうだったとしてもそれは俺の心がけではない。里ではごく当たり前のことでした。取り立てて、俺が立派なわけではありませんよ。エンジュ様」
ふふっとエンジュが小さな笑い声をあげる。
「褒められているのに、驕り高ぶるどころか否定するだなんて…。本当にあなたは生真面目というか、まっすぐと言おうか」
さらりと絹のような髪がランドの手にこぼれ落ちた。
その瞬間、ランドは息を呑む。
握り締めたランドの手に、エンジュが柔らかな頬をすり寄せたからだ。そればかりか、その手のひらに柔らかいものがそっと押し当てられる。
それが唇だと分かった時、まるで熱い火に触れてしまったように、ランドの手が小さく跳ねた。
ランドよりも小さな手なのに、優しく握った手はランドの動揺などものともしない。ついばむような口づけが、二度三度と手のひらに落とされる。
「エンジュ…様、俺の手、なんかに…そのような…こと…っ!」
綺麗な唇が汚れてしまう。そう言いたいのに、喉の奥が塞がれたようになって声にならない。
手を引き抜くことも許されず、されるがまま。意志の力を総動員して、荒くなりそうな呼気を押し殺し、ランドはひたすらじっと立ち尽くした。
しばらくすると、ふうっと溜め息のような吐息を洩らして、エンジュがその顔を上げた。
「ランド。あなたは私にとって初めての――“与える人”です。こうして触れていると、長らく忘れ去っていた人としての心まで思い出せるような気がします。あなたが共にあるのなら――今しばらく、ひと時この今生を、まだ人のままでいたいとさえ思える」
白い頬には、うっすらと赤みがさしていた。揺らめく瞳がランドをのぞき込む。
吸い込まれそうなほど美しい瞳に、ランドはこれ以上引きずられまいと、両足に力を込めてなんとか踏みとどまる。
このまま、引き戻せない距離まで近づいてしまえば、そのまま口づけてしまいそうだったからだ。
ちらりと相手の口元に目をやったランドは、己が失態を知る。わずかに開かれたエンジュの唇が、目に飛び込んだからだ。
「―――」
視界を遮るように、思わずランドはぎゅっと固く目を瞑る。これ以上は色々まずい。完全に防衛本能のなせる反応だった。
その途端、珍しく声を立ててエンジュが笑うのを、ランドは瞼の裏で聞いた。
うっすらと目を開くと、そこに肩を震わせながら笑うエンジュの姿があった。
「ランド――それでは完全に逆効果ですよ。それとも誘っているのでしょうか?」
「え――は? さ・誘う?」
「相手に口づけを許す時、たびたび女性は、そっと目を伏せることで合意であることを示すそうですよ」
「く―――?!」
そこでエンジュはふむと首を捻ると、独り言のようにつぶやいた。
「…だとすれば、相手に恥をかかせるわけにもいきませんし、この場合、期待に応えるべきなのでしょうか…?」
「な――。俺は、女性ではありませんしっ、第一、く・口づけなど、そんな…不埒な真似…っ」
むっとランドは言い返すものの、口づけという言葉を口にした途端、みるみるうちに顔が赤らんでいく。
「…。…。…エンジュ様。どうか、この辺りでご容赦ください――その、俺には少々、刺激が強すぎる」
片手で顔を覆ったランドは、はあっと熱い息を吐き、ぐったりと疲れた声を出した。そんなランドに凛とした声が響いた。
「“延寿”」
ランドは無言で、エンジュを見る。
「これまで伝えていませんでしたが、私の名前は“延寿”と書くのです」
『延寿』――寿命を延ばすこと。
ランドにこの里の言葉は分からない。だが、その文字と文字が持つ意味までもが、はっきりと頭の中に浮かんだ。
思えばこの里に来てから此方、ランドは一度も言葉に不自由せずにきた。おそらくエンジュによる加護の力だろう。
「あなたには、本当の名前を知って欲しいと思いました」
自分の名前の本質を、明かすことの意味を。
ランドはもちろん、知っている。
この年で、それを知らない者は、あちらにいない。いつか自分にもその時がくるのだと、ある時になると、大人たちから教わるからだ。
そして大人たちの言葉を、真に理解できるようになった暁には、自分もまた、全てを明かしたいと思う相手とめぐり逢い、己の名を捧げるその日を待ちわびるようになるだろうとも。
――それは親愛の情。もしくは恋慕の証。
いつか誰かから聞かされたその言葉を、ランドは懐かしさと一緒に嚙みしめた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただき、ありがとうございます。
なかなか三日置き更新に戻せず、
大変、申し訳ありませんm(__)m
歓びの里 [ランド、七日間の記録]編もいよいよ大詰め。
ずっと眠っているヒロイン覚醒。
次章では、恋は混戦に突入(予定)です。
次話は来週水曜、更新予定です。
次回更新も頑張りますので、
どうぞよろしくお願いします。
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「ランド。そんなに強く握り締めたら、傷になってしまいますよ」
重ねた手が、固く結んだ男の拳を優しく開かせる。
「――爪の跡がついてしまっています」
心持ち、上目遣いに見上げるエンジュの眼差しはいつもと変わらず穏やかだ。そこに熱に似たものはない。
ほらと言って、爪痕の上を、形のよい親指がゆっくりとなぞっていく。
指が肌の上を滑るたび、なんとも言えずくすぐったい。それだけでなく、どこか物足りない気もして――ひどくもどかしい。
挑発めいた行為に、思春期真っ只中にある男心が平静でいられるわけもなく。先ほどからやけに息苦しいのは、体の内にこもり始めた熱を、うまく逃がせないからだ。
爪痕に目を落とすエンジュは、本当に気づかないのだろうか。
もしも気づいていてわざとその手を止めないのなら、とんだ毒婦だ。いや、ソジの言葉を借りれば、“魔性の女”と呼んだ方がしっくりくるのかもしれない。
エンジュにとって、きっとこの程度の行為は、特に深い意味もないのだろう。
そう思っても心臓に悪い。いつもよりずっと距離が近いのだから。
自由に動く指先を止めたくて、ランドは半ば無意識のうちに、開いた手のひらを閉じた。こうすれば二度と悪さは出来まい。
ランドの思惑通り、ひとまず動きを封じることに成功した。
その結果、当然と言えば当然なのだが、エンジュの手を握り込むというさらなる展開を生んだ。
がっちりと、エンジュの手を握り締める己の手を見て、ランドの体がカチンと固まった。
…手の中に感じ取れる、華奢な手の感触。ランドの手に、じんわりとほのかな温もりが染み込んでくる。
人とはかけ離れた美貌の主は、半分人ではない。なのに、その手は思いのほか温かく、柔らかい――まるで女の肌のように。
はっと我に返った途端、かあっとランドの頬に朱が走る。思ってもみなかった事態に、とっさに手を振り払いそうになる。
その不敬を寸でのところで押しとどめたのは、単なる僥倖に過ぎない。
「熱い」ポツリとエンジュの口からこぼれ落ちた呟きに、ランドの手が止まったからだ。
何をと言いかけたランドよりも先にエンジュが言うのが早かった。
「あなたの手。燃えるように熱いです」
力なく開いたランドの手とは裏腹に、エンジュの白い手がぎゅっと強く握り直す。ランドは打ち上げられた魚のように、はくはくと口を動かすことしか出来ずにいる。
「あなたの中に、生命がみなぎっている」
「生命…?」
「はい。あなたがこれまで得てきただろう生命たち。この手は狩り人の手です。どんな理由があったにせよ、直接、命を刈り取れば少なからず怒りが纏わりつくもの。なのに、あなたの手は――とても綺麗です。きっと、あなたが心から命に対して敬意を払ってきたからでしょう――溶け合って一つになった生命たちは、とても穏やかです」
ランドは困ったような顔をして、違うとばかりに首を振る。
「それは良く言い過ぎです。それに、仮にそうだったとしてもそれは俺の心がけではない。里ではごく当たり前のことでした。取り立てて、俺が立派なわけではありませんよ。エンジュ様」
ふふっとエンジュが小さな笑い声をあげる。
「褒められているのに、驕り高ぶるどころか否定するだなんて…。本当にあなたは生真面目というか、まっすぐと言おうか」
さらりと絹のような髪がランドの手にこぼれ落ちた。
その瞬間、ランドは息を呑む。
握り締めたランドの手に、エンジュが柔らかな頬をすり寄せたからだ。そればかりか、その手のひらに柔らかいものがそっと押し当てられる。
それが唇だと分かった時、まるで熱い火に触れてしまったように、ランドの手が小さく跳ねた。
ランドよりも小さな手なのに、優しく握った手はランドの動揺などものともしない。ついばむような口づけが、二度三度と手のひらに落とされる。
「エンジュ…様、俺の手、なんかに…そのような…こと…っ!」
綺麗な唇が汚れてしまう。そう言いたいのに、喉の奥が塞がれたようになって声にならない。
手を引き抜くことも許されず、されるがまま。意志の力を総動員して、荒くなりそうな呼気を押し殺し、ランドはひたすらじっと立ち尽くした。
しばらくすると、ふうっと溜め息のような吐息を洩らして、エンジュがその顔を上げた。
「ランド。あなたは私にとって初めての――“与える人”です。こうして触れていると、長らく忘れ去っていた人としての心まで思い出せるような気がします。あなたが共にあるのなら――今しばらく、ひと時この今生を、まだ人のままでいたいとさえ思える」
白い頬には、うっすらと赤みがさしていた。揺らめく瞳がランドをのぞき込む。
吸い込まれそうなほど美しい瞳に、ランドはこれ以上引きずられまいと、両足に力を込めてなんとか踏みとどまる。
このまま、引き戻せない距離まで近づいてしまえば、そのまま口づけてしまいそうだったからだ。
ちらりと相手の口元に目をやったランドは、己が失態を知る。わずかに開かれたエンジュの唇が、目に飛び込んだからだ。
「―――」
視界を遮るように、思わずランドはぎゅっと固く目を瞑る。これ以上は色々まずい。完全に防衛本能のなせる反応だった。
その途端、珍しく声を立ててエンジュが笑うのを、ランドは瞼の裏で聞いた。
うっすらと目を開くと、そこに肩を震わせながら笑うエンジュの姿があった。
「ランド――それでは完全に逆効果ですよ。それとも誘っているのでしょうか?」
「え――は? さ・誘う?」
「相手に口づけを許す時、たびたび女性は、そっと目を伏せることで合意であることを示すそうですよ」
「く―――?!」
そこでエンジュはふむと首を捻ると、独り言のようにつぶやいた。
「…だとすれば、相手に恥をかかせるわけにもいきませんし、この場合、期待に応えるべきなのでしょうか…?」
「な――。俺は、女性ではありませんしっ、第一、く・口づけなど、そんな…不埒な真似…っ」
むっとランドは言い返すものの、口づけという言葉を口にした途端、みるみるうちに顔が赤らんでいく。
「…。…。…エンジュ様。どうか、この辺りでご容赦ください――その、俺には少々、刺激が強すぎる」
片手で顔を覆ったランドは、はあっと熱い息を吐き、ぐったりと疲れた声を出した。そんなランドに凛とした声が響いた。
「“延寿”」
ランドは無言で、エンジュを見る。
「これまで伝えていませんでしたが、私の名前は“延寿”と書くのです」
『延寿』――寿命を延ばすこと。
ランドにこの里の言葉は分からない。だが、その文字と文字が持つ意味までもが、はっきりと頭の中に浮かんだ。
思えばこの里に来てから此方、ランドは一度も言葉に不自由せずにきた。おそらくエンジュによる加護の力だろう。
「あなたには、本当の名前を知って欲しいと思いました」
自分の名前の本質を、明かすことの意味を。
ランドはもちろん、知っている。
この年で、それを知らない者は、あちらにいない。いつか自分にもその時がくるのだと、ある時になると、大人たちから教わるからだ。
そして大人たちの言葉を、真に理解できるようになった暁には、自分もまた、全てを明かしたいと思う相手とめぐり逢い、己の名を捧げるその日を待ちわびるようになるだろうとも。
――それは親愛の情。もしくは恋慕の証。
いつか誰かから聞かされたその言葉を、ランドは懐かしさと一緒に嚙みしめた。
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読んでいただき、ありがとうございます。
なかなか三日置き更新に戻せず、
大変、申し訳ありませんm(__)m
歓びの里 [ランド、七日間の記録]編もいよいよ大詰め。
ずっと眠っているヒロイン覚醒。
次章では、恋は混戦に突入(予定)です。
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次回更新も頑張りますので、
どうぞよろしくお願いします。
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