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蒼月(中)
しおりを挟む今俺は、兵站をしている魔女と共に手作りのモツ鍋作りに勤しんでいる。
華々しく城主を討ち取ろうと兵を鼓舞し攻め込もうとしたら、あっさりと城主が投降したのだ。
勝ち戦の華たる魔王軍を労り振る舞ってやるのも魔王の務めだ。
甘んじてこの役目を承ろう。
白愛「魔王様の作られた鍋はとても美味しいです♪」
真桜「ふはは、祝いの飯はこの真桜に任せておけ!」
真桜「しかし誰にも振る舞ったことが無いのに、なぜ噂が一人歩きしたのか…」
真白「今朝に少し頂きました。」
魔鉱石の鎧「魔王様!おかわりください!」
人形神の料理長「魔王様!おかわり!」
だいたい予想が着いた。
戦況も問題無く、料理の事を伝えれば士気は上がり、話が広がれば戦勝祝いに魔王様が料理を振る舞うかも知れないと。
まったく、よくできた参謀だ。
ふと目に捕虜達が映る。
酷く疲弊している。
彼らは国の為に忠義を尽くしたのだ。
戦いは終わったのだ…彼らに敬意をもって対応するのが筋だろう。
真桜「捕虜にも飯を食わせてから、王国に送り返してやれ。」
真白「はっ!魔王様の慈悲深さには頭が下がるばかりです。」
この分だと全て消費しそうだ。
帰ったらちゆちゃんにまた手料理を振る舞いたいところだ。
捕虜「ぐっ・・・!」
真白「なんだ!?いきなり捕虜達が苦しみ出したぞ!?」
真桜「これは・・・」
この反応を見るに・・・魔法国で作られた新薬だな。
しかし人体には危険で使用が禁じられたはず・・・。
捕虜「ぐあああああ!!!」
見れば背中が異様に盛り上がり造形が異形へと変わっていく・・・。
あの薬の正体は魔獣化だったのか!
真桜「もう助からない・・・楽にしてやるぞ。」
変わり果てた彼らを苦しまぬよう一撃で仕留めていく。
中には涙を浮かべる異形の姿もあった。
魔法国に騙されて渡されたのか?
真白「魔王様の察する通り、我らへの対抗の為、近隣諸国の同盟が進んでおります。恐らく魔法国に渡されたものを知らずに服用したのかと・・・。」
真桜「やはり、存在が害だな。近い内に攻め滅ぼさねばならぬ。」
魔族による世界の統一。歴代の魔王達の悲願を俺が叶えなければならない。
真昼から青く輝く蒼月を見ながら俺はそう誓った。
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