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3章 自由の章
自由の使徒
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アールヴヘイムのはずれの森で、ゴーシャの作業員が集まっていて、
木を切り倒したりしているのを見つけました。
「ちょっと!何やっているの!?」テイルが真っ先に駆け出します。
「何って、見ての通り、土地を広げるために、邪魔な木を切っているんだよ。
ゴーシャも土地が狭くなったからな、
この辺りに家々を建てようとしているわけだ」現場の指揮をとる作業員が言いました。
「以前の話し合いでも、森は開発しないってことになったじゃない!約束を破る気!?」
「確かにな、だが、王のご命令でもっと土地を広げろとの事だ!」
作業員はまるで聞かず、彼らの足元に矢が飛んできます。
「な、何事だ!?」矢が飛んできた方を見ると、
弓矢を構えたエルフたちが茂みに身を潜めています。
「我々の森を壊すなど、不届きな!」
「今すぐ去れ!さもないと撃つ!」
それを見た作業員のリーダーは、あまり驚くこともなく言います。
「こうなる事は想定内だ!やれ!」
現場にいたゴーシャの戦士たちも、銃や警棒を取り出して、
暴徒化したエルフたちを迎え撃ちます。
両者の争いに発展したのを、
すぐるたちは見ることしかできなかったその時です!
突然、何者かがゴーシャの戦士たちを次々に斬っていきました。
そして間もなく、剣と鎧を身に着けたエルフの戦士が現れました。
テイルはハッとします。
「俺は混沌の帝国の四幹部『四凶』が一人、
実行部隊隊長、
トウコツのレイド!人間の圧政に反旗を翻す者なり!
エルフたちよ、我らの同志となれば、人間どもをこの世界から追い出し、
我らの住みかを守ることを約束しよう!我らに続け!」
レイドが北のほうへと行くと、エルフたちの大半がレイドの後に続きました。
すぐるたちはその後を追います。
塔の中では、エルフのほか、リザードマンやオークと言った帝国の兵士たちが集まっていて、
みんなの視線は壇上にいるレイドに向けられていました。
「皆の者!我々は、人間たちのせいで不自由を強いられていたが、
それもこれまでだ!ここに、封印を解く冠がある!」それを見たテイルはハッとしました。
「間違いない!エルフの王権の冠よ!」
「これさえあれば、絶大な力が我々の物となる!
人間や反対勢力を世界から追い出せるのだ!」
帝国兵の中で大歓声が上がると、塔の入り口から声がしました。
「待て!お前たちの好きにはさせない!」塔の周りは、
鎧で身を固めた連盟の聖騎士たちが取り囲んでいたのです。
「こんなところで引き下がるものか!かかれっ!」
レイドが合図を送ると、間もなく帝国兵と連盟との全面対決になり、
その場は大パニックになりますが、テイルはレイドの動きを見逃しませんでした。
「大変!レイドの後を追うわよ!」帝国兵と連盟の聖騎士たちの剣と剣がぶつかり合う音が鳴り響く中、
すぐるたちは、塔の裏口から、レイドの後を追います。
テイルたちも万年樹へと直行します。
「テイルさん、万年樹にある絶大な力とは何なんですか!?」
「かつて、この森を荒らしていた悪霊が封印されているの!」
「それなら、ぼくも聞いている、万年樹の下の方に、その悪霊を封印した剣が封印されていて、
その封印を解くためにあの冠が必要だと・・・!」
ハヌマーンがそう言うと、三人は万年樹へとたどり着きました。
万年樹は、天を貫かんとばかりそびえ立つ、樹齢一万年を超す大木です。
その木は下の方から枯れかけていて、
中に住んでいた、背に蝶の羽を生やした小人みたいな妖精たちが避難していました。
「あっ!これは、もう遅(おそ)かったって言うの!?」
テイルたちは木の洞の中へと入って行き、下の方を目指します。
青白いキノコや緑色のコケによって彩られた祭壇の
女神像の頭に冠が掲げられ、
まがまがしいオーラを放つ曲がった刀を持ったレイドが立っていました。
「おおお・・・!体に力がみなぎって行くぞ・・・!」
その気迫にテイルたちは圧倒されそうになりました。
「強大な力を感じるわ・・・気をつけて!」
「邪悪なエネルギーに満ちている・・・!」
「ああ、でも、何とかして止めないとな・・・!」
「お前たちなんかに、今の俺を止められるものか!我が刀の錆にしてくれる!」
呪われしレイドは、すぐるたちに向かって行くと、
彼らは散開して、攻撃をかわします。
「これでもくらいなさい!」テイルは手から気の固まりを発して、
レイドを撃ちますが、レイドは刀でテイルの気の弾を真っ二つにしてしまいました。
しかし、テイルはあきらめずにレイドに接近し、鋭い
パンチやキックを放ちますが、
レイドはそれを刀や腕でガードし、一太刀を浴びせます。
「きゃああああああっ!」テイルは呪われた一撃をかわしきれず、その場で倒れてしまいました。
「次はおれだっ!」ボブも刀を抜き、レイドに向かって行きます。
ボブはヤツの攻撃を見事な剣裁きで次々とはじき返していき、
少しずつ斬り付けて行きますが、
呪われしレイドにはほとんど効いていません。
隙を見てレイドの腹に拳をねじ込むと、
レイドは少しよろめきますが、刀で反撃し、ボブもふっとばされてしまいます。
「今度はぼくが!」すぐるは魔法の炎を放ちますが、
レイドが放った呪いのオーラによって掻き消されてしまいました。
続いて魔力を集中させた杖で迎え撃つも、
力はレイドの方が強く、すぐるも力負けして、ふっとばされてしまいました。
もうだめかと思ったその時です。
「みんな、大丈夫!?」その場にカインがやって来ました。
「カイン!」
「みんなひどいケガだ。今すぐ治してあげるね!」カインが癒しの魔法を使い、全員のケガを治します。
「テイル、このメダルを使う時だ!」
ハヌマーンは偶然見つけた四つ葉のクローバー型の緑のメダルをテイルに渡すと、
テイルの周りに渦巻く風のオーラが宿りました。
レイドが刀を振りかざして来ると、
テイルは格闘用の手甲マスターグローブを装着し、
レイドの刀を受け止めます。なんとテイルは風の力で、
レイドと互角の力とスピードになっていたのです。
それで、打ち合いになり、
レイドが防御の体勢を崩した隙を見て、
足を払って転ばせ、拳をレイドの腹に打ち付け、最後は回し蹴りを横っ面にたたきつけ、
レイドを吹っ飛ばしました。
最後は拳で悪霊の刀をへし折ると、
レイドの周りに漂っていたまがまがしいオーラは掻き消え、
レイドはその場で倒れ込みました。
「・・・なんとか父さんを鎮められたわ」
テイルが言うと、すぐるは驚きました。
「えっ!?レイドとテイルさんは親子なの!?」
「そう、私と同じくアールヴヘイムのエルフだったけど、
自分たちから住処を奪って行く人間を憎み、
私の元を去って行ったの。
父さんは強大な呪いの力で種族の自由を守ろうとしたけど、
その強大すぎる力がかえって自由と平和を脅かしてしまったようね」
テイルは緑色の『生者のメダル』を拾うと、
テイルの自由の心に反応して、光り輝きました。
その後、カインが倒れているレイドに回復の魔法を使いましたが、レイドはぴくりとも動きません。
「死んではいないけど、強烈な呪いの影響で、体に反動が来たみたいだね・・・」
「あの刀がある限り、冠を巡る争いはなくならなかったでしょうね・・・
刀も悪霊も消えてよかったわ」テイルがこう言うと、
すぐるたちは、女神像の頭に掲げられた冠を回収しました。
万年樹の外に出ると、周りには、エルフたちが集まっていました。
「おお、我らの聖地、万年樹に異変が起きたとティア様から聞いて、駆けつけましたが、
枯れかけた根本が元に戻ったところを見ると、どうやら、悪霊は消えたようですね、よかった!」
すぐるたちは、エルフたちと共にアールヴヘイムのエルフの里へと引き返していきました。
木を切り倒したりしているのを見つけました。
「ちょっと!何やっているの!?」テイルが真っ先に駆け出します。
「何って、見ての通り、土地を広げるために、邪魔な木を切っているんだよ。
ゴーシャも土地が狭くなったからな、
この辺りに家々を建てようとしているわけだ」現場の指揮をとる作業員が言いました。
「以前の話し合いでも、森は開発しないってことになったじゃない!約束を破る気!?」
「確かにな、だが、王のご命令でもっと土地を広げろとの事だ!」
作業員はまるで聞かず、彼らの足元に矢が飛んできます。
「な、何事だ!?」矢が飛んできた方を見ると、
弓矢を構えたエルフたちが茂みに身を潜めています。
「我々の森を壊すなど、不届きな!」
「今すぐ去れ!さもないと撃つ!」
それを見た作業員のリーダーは、あまり驚くこともなく言います。
「こうなる事は想定内だ!やれ!」
現場にいたゴーシャの戦士たちも、銃や警棒を取り出して、
暴徒化したエルフたちを迎え撃ちます。
両者の争いに発展したのを、
すぐるたちは見ることしかできなかったその時です!
突然、何者かがゴーシャの戦士たちを次々に斬っていきました。
そして間もなく、剣と鎧を身に着けたエルフの戦士が現れました。
テイルはハッとします。
「俺は混沌の帝国の四幹部『四凶』が一人、
実行部隊隊長、
トウコツのレイド!人間の圧政に反旗を翻す者なり!
エルフたちよ、我らの同志となれば、人間どもをこの世界から追い出し、
我らの住みかを守ることを約束しよう!我らに続け!」
レイドが北のほうへと行くと、エルフたちの大半がレイドの後に続きました。
すぐるたちはその後を追います。
塔の中では、エルフのほか、リザードマンやオークと言った帝国の兵士たちが集まっていて、
みんなの視線は壇上にいるレイドに向けられていました。
「皆の者!我々は、人間たちのせいで不自由を強いられていたが、
それもこれまでだ!ここに、封印を解く冠がある!」それを見たテイルはハッとしました。
「間違いない!エルフの王権の冠よ!」
「これさえあれば、絶大な力が我々の物となる!
人間や反対勢力を世界から追い出せるのだ!」
帝国兵の中で大歓声が上がると、塔の入り口から声がしました。
「待て!お前たちの好きにはさせない!」塔の周りは、
鎧で身を固めた連盟の聖騎士たちが取り囲んでいたのです。
「こんなところで引き下がるものか!かかれっ!」
レイドが合図を送ると、間もなく帝国兵と連盟との全面対決になり、
その場は大パニックになりますが、テイルはレイドの動きを見逃しませんでした。
「大変!レイドの後を追うわよ!」帝国兵と連盟の聖騎士たちの剣と剣がぶつかり合う音が鳴り響く中、
すぐるたちは、塔の裏口から、レイドの後を追います。
テイルたちも万年樹へと直行します。
「テイルさん、万年樹にある絶大な力とは何なんですか!?」
「かつて、この森を荒らしていた悪霊が封印されているの!」
「それなら、ぼくも聞いている、万年樹の下の方に、その悪霊を封印した剣が封印されていて、
その封印を解くためにあの冠が必要だと・・・!」
ハヌマーンがそう言うと、三人は万年樹へとたどり着きました。
万年樹は、天を貫かんとばかりそびえ立つ、樹齢一万年を超す大木です。
その木は下の方から枯れかけていて、
中に住んでいた、背に蝶の羽を生やした小人みたいな妖精たちが避難していました。
「あっ!これは、もう遅(おそ)かったって言うの!?」
テイルたちは木の洞の中へと入って行き、下の方を目指します。
青白いキノコや緑色のコケによって彩られた祭壇の
女神像の頭に冠が掲げられ、
まがまがしいオーラを放つ曲がった刀を持ったレイドが立っていました。
「おおお・・・!体に力がみなぎって行くぞ・・・!」
その気迫にテイルたちは圧倒されそうになりました。
「強大な力を感じるわ・・・気をつけて!」
「邪悪なエネルギーに満ちている・・・!」
「ああ、でも、何とかして止めないとな・・・!」
「お前たちなんかに、今の俺を止められるものか!我が刀の錆にしてくれる!」
呪われしレイドは、すぐるたちに向かって行くと、
彼らは散開して、攻撃をかわします。
「これでもくらいなさい!」テイルは手から気の固まりを発して、
レイドを撃ちますが、レイドは刀でテイルの気の弾を真っ二つにしてしまいました。
しかし、テイルはあきらめずにレイドに接近し、鋭い
パンチやキックを放ちますが、
レイドはそれを刀や腕でガードし、一太刀を浴びせます。
「きゃああああああっ!」テイルは呪われた一撃をかわしきれず、その場で倒れてしまいました。
「次はおれだっ!」ボブも刀を抜き、レイドに向かって行きます。
ボブはヤツの攻撃を見事な剣裁きで次々とはじき返していき、
少しずつ斬り付けて行きますが、
呪われしレイドにはほとんど効いていません。
隙を見てレイドの腹に拳をねじ込むと、
レイドは少しよろめきますが、刀で反撃し、ボブもふっとばされてしまいます。
「今度はぼくが!」すぐるは魔法の炎を放ちますが、
レイドが放った呪いのオーラによって掻き消されてしまいました。
続いて魔力を集中させた杖で迎え撃つも、
力はレイドの方が強く、すぐるも力負けして、ふっとばされてしまいました。
もうだめかと思ったその時です。
「みんな、大丈夫!?」その場にカインがやって来ました。
「カイン!」
「みんなひどいケガだ。今すぐ治してあげるね!」カインが癒しの魔法を使い、全員のケガを治します。
「テイル、このメダルを使う時だ!」
ハヌマーンは偶然見つけた四つ葉のクローバー型の緑のメダルをテイルに渡すと、
テイルの周りに渦巻く風のオーラが宿りました。
レイドが刀を振りかざして来ると、
テイルは格闘用の手甲マスターグローブを装着し、
レイドの刀を受け止めます。なんとテイルは風の力で、
レイドと互角の力とスピードになっていたのです。
それで、打ち合いになり、
レイドが防御の体勢を崩した隙を見て、
足を払って転ばせ、拳をレイドの腹に打ち付け、最後は回し蹴りを横っ面にたたきつけ、
レイドを吹っ飛ばしました。
最後は拳で悪霊の刀をへし折ると、
レイドの周りに漂っていたまがまがしいオーラは掻き消え、
レイドはその場で倒れ込みました。
「・・・なんとか父さんを鎮められたわ」
テイルが言うと、すぐるは驚きました。
「えっ!?レイドとテイルさんは親子なの!?」
「そう、私と同じくアールヴヘイムのエルフだったけど、
自分たちから住処を奪って行く人間を憎み、
私の元を去って行ったの。
父さんは強大な呪いの力で種族の自由を守ろうとしたけど、
その強大すぎる力がかえって自由と平和を脅かしてしまったようね」
テイルは緑色の『生者のメダル』を拾うと、
テイルの自由の心に反応して、光り輝きました。
その後、カインが倒れているレイドに回復の魔法を使いましたが、レイドはぴくりとも動きません。
「死んではいないけど、強烈な呪いの影響で、体に反動が来たみたいだね・・・」
「あの刀がある限り、冠を巡る争いはなくならなかったでしょうね・・・
刀も悪霊も消えてよかったわ」テイルがこう言うと、
すぐるたちは、女神像の頭に掲げられた冠を回収しました。
万年樹の外に出ると、周りには、エルフたちが集まっていました。
「おお、我らの聖地、万年樹に異変が起きたとティア様から聞いて、駆けつけましたが、
枯れかけた根本が元に戻ったところを見ると、どうやら、悪霊は消えたようですね、よかった!」
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