『完結』セプトクルール 超文明Sの野望

マイマイン

文字の大きさ
93 / 97
9章 調和の章

楽園の秘密

しおりを挟む
 先発隊十人全員が、公園の噴水の前に集合すると、キャンベルは先ほど聞いた『シャングリラ七不思議』について話しました。

「シャングリラ七不思議・・・!?」
「一体、あの塔の最上階にはどう行けばいいのじゃ!?」
「謎の光と犯罪が起こらない町、そして、神隠しだと・・・!?」
「わたくしとボブは森の奥のほこらを見つけましたわ!」
「オレとメガロは地下の門を見つけたぜ!」
「連盟についてはいろいろ調べたが、メシア代表の正体については、まるでつかめなかった・・・!」

「ところで、こんなものを拾ったんだ」エルニスが差し出したのは、白い文字で、『F・P・L』のロゴがデザインされた黒光りするカードでした。

「これは・・・『ファンタジアピースリーグ』、つまり『幻想界平和連盟』のロゴだ!もしかしたら、あの黒い門は、このカードで開くかもしれんぞ!」メガロが言うと、早速、彼の案内で、地下の黒い門へと急ぎました。

 地下にある巨大な門のぎ目に、カードを通せそうな機械きかいがあり、メガロはカードをとり、上から下にカードをスライドさせると、重そうな黒い門は、継ぎ目から左右に大きく開いて行ったのです。

 門の奥の光景に、みんなは唖然あぜんとしました。とても広い地下空間を見下ろすと、中央にいくつもの光の線が走る、見上げんばかりの巨大な機械の箱があり、そのまわりで、ロボットアームが箱に部品を組み上げていました。その周りで、粗末そまつなぼろの服を着せられた人々が、あしに鎖をつながれ、重そうな荷物を運ばされているのを見つけたのです。

「何なのじゃ・・・!?ここは・・・!」
「あの機械の箱は・・・マインズ町の工場にあった物に似ているぞ・・・!」リリスとすぐるが言うと、キャンベルが両手を口元にそえて言いました。

「この地下からイヤな感じがプンプンします!みんなあんなにボロボロになるまで働かされているなんて・・・!」
「きっとここに、この国の全ての秘密ひみつがあるのよ!」テイルがそういうと、黒装束くろしょうぞくに身を包んだ男たちに見つかってしまいました。

「おい!お前たち、ここで何をしている!」すぐるたちはすぐさま逃げ出し、奥にあるエレベーターの扉へと急ぎます。
「ここは、私たちにまかせて、あなたたちは上に行って!」テイルとリリスとレミオンが黒装束の男たちの前に立ちはだかりました。

「わかった!行こう!」すぐるたち七人は、エレベーターの中に入り、とびらを閉めて、上の階へと移動します。

 エレベーターが止まって、扉が開くと、そこは、ディバインタワーの展望室てんぼうしつより上の階だったのです。
「やっぱり、あの扉からこの塔の上の階に行く仕組みだったんですよ!」キャンベルが言いました。

「それにしても、まだ上へと通じる階段がある!行こう!」風がうなりを上げて吹き抜ける塔を、すぐるたちは急いで上へとけ上がって行きます。
 その途中、よろいに身を固めた聖戦士せいせんし四人が道をふさぎました。

「お前たちは!散々連盟の邪魔じゃまをしてくれたな!」
「もうすぐ、連盟の計画の最終段階に入る!邪魔はさせんぞ!」すぐるたちは身構みがまえましたが、エルニス、ロレンス、キャンベル、メガロがおどり出ました。

「ここはぼくらに任せて、すぐる、ボブ、シェリーは先に行って!」
「え・・・でも・・・!?」
「はやく!早くしないと、時間がないよ!後で追いつくから!」すぐるはぐっとこらえて言いました。
「わかった!」すぐるたちはさらに階段を上って行きます。

 すぐるたちは、とうとう塔の最上階へたどり着くと、そこには、山高帽をかぶった黒マントの男サタンと、きらびやかな金色のかんむりをかぶり、白いローブに身を包んだ長い金髪の女性メシアの二人がいたのです。

「やっと見つけたぜ!サタンよぉ!」ボブは剣を向けて言います。
「・・・やっぱり、帝国ていこくと連盟はグルだったんですね・・・!」すぐるが言うと、シェリーはメシアを見てハッとします。
「あの感じ・・・どこかで・・・!?」メシアはフッと笑みをかべて言いました。

「・・・その様子は・・・そう、全てをさとったようですね・・・!いかにもその通り!混沌カオス帝国エンパイアは、連盟が正義の味方を演じるための、見せかけの悪の組織そしき・・・!全ては、連盟が人々の心をつかむため!」

「な・・・なんでこんな事を・・・!」

「・・・私は神のノートを使い、争いが絶えない幻想界ファンタジア現実界リアリティ実状じつじょうを知りました。私はその実状を|憂{うれ}い、幻想界平和連盟をつくり、サタンに協力を申し出て、世界征服を目論む悪の組織、混沌の帝国カオスエンパイアえんじてもらいました・・・全ては世界平和のために・・・!」それにすぐるは反論はんろんします。

「それがなぜ世界平和につながるんですか!?」

「世界をまとめるためには、人々の心をつかむこと、そして、統制とうせいが必要なのです。様々な考えや種族の者たちを自由気ままにしておいては、それこそ争いの絶えない世の中になってしまいます。ですから、そんな世界を平和にするには、連盟の権威けんいを強める必要があったわけです。絶対の権威と統制が平和には必要なのです!」これにボブは叫びます。

「おい!それを現実界リアリティでは何て呼ぶか知っているか!?『独裁どくさい』って呼ぶんだよ!」すぐるも言います。

「そうだ!逆らう人々を閉じ込めたり、非人道的ひじんどうてきばつを下したり、無理やり働かせたり・・・まさに独裁だ!それが本当の平和なんですか!?」

「言ったでしょう、真の平和には絶対の権威と統制が必要だと、反逆者はんぎゃくしゃたちを野放しにしておいては、世界はこんとんとし、争いが絶えなくなる。そして、捕えた者たちを働かせているのには理由があります。この塔、世界平和のために必要な装置そうち、『全人類ぜんじんるい心理しんり操作そうさ装置そうち』を完成させるために!」

「『全人類心理操作装置』!?なんなんだそれは!?」
「シャングリラがつくった技術、『人格修正しゅうせいプログラム』と、私の能力『テレパス』を合わせた物です!」
「『人格修正プログラム』!?」

「人を別人格に変えてしまうプログラム、これを使えば、どうしようもない乱暴らんぼう者も、おだやかになり、意地悪いじわるな者も心優しい者に早変わりになる、これを使い、皆を優しい性格にすれば、世界から争いはなくなります!」それを聞いたすぐるはハッとしました。

「もしかして、この国で犯罪や争いが起こらないのは・・・!?」
「そう、『全人類心理操作装置』のおかげです。テレパス能力は応用すれば、心を読むだけでなく、あやつることもできます。装置は性格をおだやかにするだけでなく、連盟に刃向う気も起こさせなくするのです」

「それで、塔のフラッシュと言うのは・・・!」
「あれは装置が完成に近づき、ほんのテストをしたまでです。装置の完成はもう間近、全世界に向けて、装置を発信させ、世界中の者たちを優しく、素直すなおな性格にします!そうすれば、世界から争いはなくなり、誰も連盟に疑問ぎもんを持つ者はいなくなるでしょう!装置の効果を高めるために、帝国には悪役を演じてもらいましたが、もうその役目も終わりです。さて、ここまでしゃべったからには、タダでは帰せませんね・・・!あなたたちも連盟の部下になってもらいましょう!」これにすぐるが身構みがまえようとすると、ボブとシェリーがおどり出ました。

「そんなの、願い下げだぜ!」
「そんな物、本当の平和ではありませんわ!」
「意地でも我々に反逆するつもりですか、いいでしょう、私たちに刃向った事を後悔させてあげます!サタン!」メシアとサタンが前に出ると、両チームはすぐさまぶつかり合いました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!?

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。  しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。  そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。  そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。

9日間

柏木みのり
児童書・童話
 サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。  大事なのは最後まで諦めないこと——and take a chance! (also @ なろう)

「いっすん坊」てなんなんだ

こいちろう
児童書・童話
 ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。  自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・           

四尾がつむぐえにし、そこかしこ

月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。 憧れのキラキラ王子さまが転校する。 女子たちの嘆きはひとしお。 彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。 だからとてどうこうする勇気もない。 うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。 家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。 まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。 ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、 三つのお仕事を手伝うことになったユイ。 達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。 もしかしたら、もしかしちゃうかも? そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。 結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。 いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、 はたしてユイは何を求め願うのか。 少女のちょっと不思議な冒険譚。 ここに開幕。

悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~

橘花やよい
児童書・童話
女子中学生・リリイが、入学することになったのは、お嬢さま学校。でもそこは「悪魔」の学校で、「執事として入学してちょうだい」……って、どういうことなの⁉待ち構えるのは、きれいでいじわるな悪魔たち! 友情と魔法と、胸キュンもありの学園ファンタジー。 第2回きずな児童書大賞参加作です。

こちら第二編集部!

月芝
児童書・童話
かつては全国でも有数の生徒数を誇ったマンモス小学校も、 いまや少子化の波に押されて、かつての勢いはない。 生徒数も全盛期の三分の一にまで減ってしまった。 そんな小学校には、ふたつの校内新聞がある。 第一編集部が発行している「パンダ通信」 第二編集部が発行している「エリマキトカゲ通信」 片やカジュアルでおしゃれで今時のトレンドにも敏感にて、 主に女生徒たちから絶大な支持をえている。 片や手堅い紙面造りが仇となり、保護者らと一部のマニアには 熱烈に支持されているものの、もはや風前の灯……。 編集部の規模、人員、発行部数も人気も雲泥の差にて、このままでは廃刊もありうる。 この危機的状況を打破すべく、第二編集部は起死回生の企画を立ち上げた。 それは―― 廃刊の危機を回避すべく、立ち上がった弱小第二編集部の面々。 これは企画を押しつけ……げふんげふん、もといまかされた女子部員たちが、 取材絡みでちょっと不思議なことを体験する物語である。

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

【奨励賞】おとぎの店の白雪姫

ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】 母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。 ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし! そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。 小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり! 他のサイトにも掲載しています。 表紙イラストは今市阿寒様です。 絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。

処理中です...