【完結】セプトクルール 三賢者と虹色の夜明け

マイマイン

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4章

すぐる編4-3 リリスの愛弟子

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 その後、すぐるとリリスは地下図書室にある本を見つけては読んでみました。

『ヘリオポリスとは、炎と太陽の神ヘリオスがさずけた種火たねびを灯した灯台の明かりに、人々が集まってできた国、そして、国の発展に貢献こうけんしたブルジョワ一族は、古代マジカディア帝国の皇族こうぞく子孫しそん、その魔力と商才を武器に国を大いに発展させ、人々の心もつかんでいった。

 しかし、時がたつにつれ、人々は強大な魔力をほこるブルジョワ一族の事を恐れ、きらうようになっていき、国全土を上げた『魔女まじょり』が勃発ぼっぱつした。

 そして、一族の栄枯えいこ盛衰せいすいを記録した歴史書は、ヘリオポリスにかくされていると言われている』すぐるが本を閉じてリリスに話しかけます。

「やっぱり、歴史書はヘリオポリスにあるみたいだ、でも、その国のどこにあるのかはわからないなぁ」
「なら、ヘリオポリスのブルジョワ一族ゆかりの地をたずねるしかなさそうじゃの、ところですぐる、関係ない本も結構けっこう、読んでおったな?」これに、すぐるは顔を少し赤くします。

「バレた?だって、思わず見入ってしまってね、例えば、『世界に四つあるパワースポットでは、地水火風ちすいかふうの神々を呼び出すことができ、認めた者に喜怒哀楽きどあいらくつかさどる『伝説のベル』をさずけるであろう』とか、

『魔戦士せいじは、旅の途中とちゅうのレッドルビーの町で、つまに生きうつしのクリスティーン家の奥方おくがたこいをした』とかね、もしかしたら、ブライアンは大堂家の血を色濃いろこく受けいでいるのかも・・・?」そんなすぐるに、リリスは感心すると同時にあきれていました。

「すぐる・・・知的ちてき好奇心こうきしん旺盛おうせいなのは悪い事ではないが・・・そろそろ出発したいのう・・・」
「ごめん、行こうか」すぐるとリリスは外の木馬に乗り込み、南の方へ発進しました。

 森の中を、すぐるの木馬が走り抜けていきます。

「うむ!すぐるの木馬は速いのぉ!」
「まぁね、リリスがレースで使ったあのマシンはどうしたの?」

「ドラコモーティブ51号ならルイスに返したぞ、また時が来たら使わせてくれるそうじゃ。うむ、そろそろ暗くなるのぉ!」

 すぐるはこの場でキャンプをするために、木馬を止めてテントを張り、リリスが炎を吐いて焚火たきびを起こし、店で買った保存肉ほぞんにくを焼いていきます。すぐるとリリスは焚火を囲みながら話をします。

「この調子なら、あさってには森を抜けるだろうな」
「歩いていけば、一週間はかかる道のりだからの、そういえば、キャリーは元気にしておるかの?」

「キャリーって、確か、リリスのお弟子さんだったっけ?メトロポリスのレースの時にいた気がする」

「うむ、猫の獣人の娘じゃ!元はぬすみで生活をしていた孤児こじで、わらわがキャリーを捕まえた時、教会の孤児院こじいんを紹介したのじゃ、ある時、キャリーが妾に弟子入りしたいと言ってきて、キャリーには武術のほか、おしゃれの仕方や人として大事な事を教えたりしたのじゃ」

「そうかぁ・・・弟子か・・・ぼくも一人前になったら、誰かを教えたりするようになるのかなぁ・・・」すぐるはリリスと共に満点の星空をながめながら考えました。


 ところ変わって、翌日のスピネル王都の北東の倉庫街にて、平和な朝にふさわしくない叫び声が響きわたります。

「ドロボーだ!」その叫び声を聞きつけてテイルがやってくると、シンプルなシャツとズボンの男性が、倉庫街の奥に逃げていく白いワンピースドレスを着て、黒の外ハネの髪型の猫の獣人の少女を指さします。

「あいつ、オレの財布をスリやがった!捕まえてくれ!」テイルがうなずくと、猫の獣人を追います。

「こらぁ!待ちなさーい!」
「へへーん!アンタなんかにつかまらないわよ!」猫の獣人は舌を出して挑発しますが、その行先は行き止まりの袋小路ふくろこうじでした。
「しまった!」すかさずテイルが猫の獣人をとっ捕まえ、問いただします。

「あなた、名前は!?」
「・・・キャリー」
「ああ、あの孤児院の子ね!なんで人の財布を盗ったりしたの!?」テイルの剣幕けんまくにキャリーは身震みぶるいしながら言いました。

「・・・だって最近、アタイの孤児院の経営けいえいが危ういから・・・このままだったら・・・アタイはまた路上生活に・・・」これにテイルはため息をついて言いました。

「なるほど、あの孤児院の経営けいえいがギリギリなのはさっしが付くけど、人の財布をうばう事には感心しないわ、リリスが今のあなたを見たら、がっかりするでしょうね!ほら、盗んだ人にあやまりなさい!」

 テイルが財布を取り戻して持ち主に返すと、キャリーはただ謝ることしかできませんでした。キャリーがトボトボと歩きながらうなだれている様子を見たテイルは静かに見ていました。

(きっと、ミューダス島のタックスヘイブンのあおりでしょうね、そういえば、アンナはどこに?)

「はぁ・・・どうしよう?アタイはまだ働ける年じゃないし、どうすれば・・・」そこに、黒いスーツを着込んだ怪しい男がやってきました。

「ねえおじょうちゃん、お金に困っているなら、うちで働いてみない?」
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