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すぐるとリリスの凸凹大冒険『ゴールデン・エイジの財宝』
2-3 過去の屋敷
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光が収まり、すぐるとリリスが恐る恐る目を開けると、そこは大きなお屋敷が見える庭の中だったのです。
「ぬ?ここはあの『嘆きの館』の庭ではないのか!?」
「確かに、あのお屋敷の庭に間違いなさそうだ、でも・・・」
すぐるが辺りを見回すと、庭の草はていねいに刈り取られ、庭の両端の花壇には色とりどりの花が植えられており、お屋敷の方も、ガラスが割れている様子も、壁にヒビが入っている様子もなく、これを貴族のお屋敷と言えば、誰も疑いはしないでしょう。
「あのお屋敷、初めて見た時の様なおどろおどろしさはないし、人の気配もちゃんとあるみたいだ」
すぐるとリリスは人の気配を感じて、生け垣の陰に隠れて様子を見ます。鉄格子の庭の門が左右に開き、そこから、白いドレスをまとう、ウェーブのかかった金髪に碧眼の整った顔立ちの少女がやってきたのです。
「ぬ!?あの者は・・・!?」
「あの人形にそっくりだ・・・!」
すると、お屋敷の扉が開き、中から紺のスーツを着こなした初老の男性執事が出迎え、会釈します。
「おかえりなさいませ、アリスお嬢様!」
すぐるとリリスは、その名前を聞いてハッとします。
「ただ今帰りましたわ、爺や」
アリスが執事に連れられて屋敷の中に入ります。
「聞いたかい?リリス」
「うむ!間違いなくあの女子はアリスと呼ばれておった!すぐる、これは・・・もしや・・・?!」
「そうだね!ぼくたちは、過去にタイムスリップしたらしい!」
「しかし、お主は時間移動をする魔法は使えぬはずじゃ・・・?」
すぐるは手持ちの絵筆型の杖を見て言いました。
「・・・この『コスモの絵筆』の力だよ!以前、じいちゃんから受け継いだこの杖について、ちょっと調べたことがあってね、それによれば、この杖には魂が宿っていて、悪しき者には従わないけど、清き心を持つ者の思いに反応して、奇跡を起こすことがあるって書いてあったんだ・・・!おそらく、この杖がぼくらやアリスの霊の思いにこたえてくれたのかもしれない」
「なんと・・・そんなことが・・・!?」
「それで、どうすればいいのかな・・・?」
「答えは一つよ!我らは、アリスが恋人のジョンと結ばれるように、手助けをすればよいのじゃ!それには、妾がこのお屋敷のメイドになり、アリスに近づくのじゃ!」
これに、すぐるは唖然とします。
「そんな!?今の時代に魔族の姿で行ったら、騒ぎになるぞ!?」
「うむ!だから、こうするのじゃ!」
リリスが呪文を唱えると、彼女は煙に包まれます。そして煙が晴れた時には、羽と尻尾と角がない、丸い耳の人間の姿になったリリスが立っています。
「うむ、完璧よ!妾は魔法が得意ではないが、人間の姿を借りる幻術ぐらいはできるのじゃ!よし、じゃあ行ってくる、すぐるは陰から援護をしてくれ!」
すぐるはうなずきました。
人間に化けたリリスは、屋敷のノッカーに手をかけて三度鳴らします。そしてほどなくすると、木の扉が開き、先ほどアリスの相手をしていた執事が現れました。
「おや、あなたは我が屋敷にどんなご用件で?」
「うむ・・・わら・・・私はこの屋敷のメイドになりたくて・・・来ました・・・!」
「ほう、この屋敷の使用人になりたいと申しますか、わかりました、どうぞ中へ」
執事はリリスの屋敷の中へ招き入れると、リリスはそれに続きます。
白い壁にレッドカーペットが敷かれている内装は、あのお化け屋敷の面影はなく、きれいに整頓されており、その様子を見たリリスはあっけにとられます。
(うむ・・・やはりここは過去の嘆きの館に違いなさそうじゃ・・・)
中央の大階段を上っていき、大広間に案内されると、そこには赤いドレスを着込んだウェーブのかかった金髪の女主人が立っていました。
「爺や、その娘は?」
「この屋敷の使用人になりたくて訪問されたリリスという者だそうです」
「ふむ、わかりました、爺や、下がっていいです」
「ははっ」
執事は礼をしながら部屋をあとにすると、女主人はリリスに向き直ります。
「そうですか・・・あなたは我が屋敷のメイドになりたいと・・・!」
「そ・・・そうです!」
リリスは会釈しながら言います。
「わかりました、ちょうどメイドが一人欲しかったのです。では早速、エプロンドレスに着替えてもらいます。仕事内容はメイド長から聞くといいでしょう」
(ここまでは成功のようじゃ・・・!)
「ぬ?ここはあの『嘆きの館』の庭ではないのか!?」
「確かに、あのお屋敷の庭に間違いなさそうだ、でも・・・」
すぐるが辺りを見回すと、庭の草はていねいに刈り取られ、庭の両端の花壇には色とりどりの花が植えられており、お屋敷の方も、ガラスが割れている様子も、壁にヒビが入っている様子もなく、これを貴族のお屋敷と言えば、誰も疑いはしないでしょう。
「あのお屋敷、初めて見た時の様なおどろおどろしさはないし、人の気配もちゃんとあるみたいだ」
すぐるとリリスは人の気配を感じて、生け垣の陰に隠れて様子を見ます。鉄格子の庭の門が左右に開き、そこから、白いドレスをまとう、ウェーブのかかった金髪に碧眼の整った顔立ちの少女がやってきたのです。
「ぬ!?あの者は・・・!?」
「あの人形にそっくりだ・・・!」
すると、お屋敷の扉が開き、中から紺のスーツを着こなした初老の男性執事が出迎え、会釈します。
「おかえりなさいませ、アリスお嬢様!」
すぐるとリリスは、その名前を聞いてハッとします。
「ただ今帰りましたわ、爺や」
アリスが執事に連れられて屋敷の中に入ります。
「聞いたかい?リリス」
「うむ!間違いなくあの女子はアリスと呼ばれておった!すぐる、これは・・・もしや・・・?!」
「そうだね!ぼくたちは、過去にタイムスリップしたらしい!」
「しかし、お主は時間移動をする魔法は使えぬはずじゃ・・・?」
すぐるは手持ちの絵筆型の杖を見て言いました。
「・・・この『コスモの絵筆』の力だよ!以前、じいちゃんから受け継いだこの杖について、ちょっと調べたことがあってね、それによれば、この杖には魂が宿っていて、悪しき者には従わないけど、清き心を持つ者の思いに反応して、奇跡を起こすことがあるって書いてあったんだ・・・!おそらく、この杖がぼくらやアリスの霊の思いにこたえてくれたのかもしれない」
「なんと・・・そんなことが・・・!?」
「それで、どうすればいいのかな・・・?」
「答えは一つよ!我らは、アリスが恋人のジョンと結ばれるように、手助けをすればよいのじゃ!それには、妾がこのお屋敷のメイドになり、アリスに近づくのじゃ!」
これに、すぐるは唖然とします。
「そんな!?今の時代に魔族の姿で行ったら、騒ぎになるぞ!?」
「うむ!だから、こうするのじゃ!」
リリスが呪文を唱えると、彼女は煙に包まれます。そして煙が晴れた時には、羽と尻尾と角がない、丸い耳の人間の姿になったリリスが立っています。
「うむ、完璧よ!妾は魔法が得意ではないが、人間の姿を借りる幻術ぐらいはできるのじゃ!よし、じゃあ行ってくる、すぐるは陰から援護をしてくれ!」
すぐるはうなずきました。
人間に化けたリリスは、屋敷のノッカーに手をかけて三度鳴らします。そしてほどなくすると、木の扉が開き、先ほどアリスの相手をしていた執事が現れました。
「おや、あなたは我が屋敷にどんなご用件で?」
「うむ・・・わら・・・私はこの屋敷のメイドになりたくて・・・来ました・・・!」
「ほう、この屋敷の使用人になりたいと申しますか、わかりました、どうぞ中へ」
執事はリリスの屋敷の中へ招き入れると、リリスはそれに続きます。
白い壁にレッドカーペットが敷かれている内装は、あのお化け屋敷の面影はなく、きれいに整頓されており、その様子を見たリリスはあっけにとられます。
(うむ・・・やはりここは過去の嘆きの館に違いなさそうじゃ・・・)
中央の大階段を上っていき、大広間に案内されると、そこには赤いドレスを着込んだウェーブのかかった金髪の女主人が立っていました。
「爺や、その娘は?」
「この屋敷の使用人になりたくて訪問されたリリスという者だそうです」
「ふむ、わかりました、爺や、下がっていいです」
「ははっ」
執事は礼をしながら部屋をあとにすると、女主人はリリスに向き直ります。
「そうですか・・・あなたは我が屋敷のメイドになりたいと・・・!」
「そ・・・そうです!」
リリスは会釈しながら言います。
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